身内が孤独死してしまい、不動産会社や近隣から緊急連絡があり、部屋掃除のために特殊清掃業者を探されているのではありませんか。
でも、孤独死があった部屋ってどんな感じか分からず、様子が分かる体験談や写真などを検索していますよね。
そこで、このページでは、特殊清掃のバイト経験もある私の体験談と特殊清掃業者が行っている消臭方法、孤独死部屋の片付けは特殊清掃の専門業者に任せるべき理由などをお伝えしています。
遺体の痕跡が残る特殊清掃員バイトの体験談
夏場であれば2~3日、冬場でも5~7日で孤独死した遺体は腐乱が進みます。亡くなった人の体質や部屋の環境、経過日数により腐乱程度は様々です。
具体的には、死亡により体内で細菌が繁殖して、やがて肉体が腐り、その腐敗体液が体外に流れ出て強烈な匂いを発生させます。その匂いを嗅ぎ付けたハエやゴキブリ等がその腐乱した遺体を貪り産卵し、さらにその数は増していきます。
イラストや文字では、その惨状をお伝えするのは難しいので、実際に孤独死で腐乱した遺体があった痕跡やゴミ屋敷の写真をお見せします。
【特殊清掃バイトの体験談①】ベッドで孤独死
元々持病があった男性が就寝中に亡くなったようです。遺族の話では、ほんの数週間前までごく普通に生活をしておられたとのことで、かなりショックを受けられていました。
もっと早く気付いてあげれればと悔やまれていましたが、苦しんだ様子はなく眠るように亡くなったようなので、それだけが救いとのことでした。
【特殊清掃バイトの体験談②】トイレで急死
家賃の支払いがなく連絡もつかないので、アパートの管理人が、確認のため入室したところ、トイレで亡くなっていたのを発見されたようです。
トイレで用を足す際に力んで突然死するケースはよくあります。身寄りのない高齢者だったらしく、家主と管理会社の担当者が片付け費用や告知義務はどうすればいいのかと頭を抱えていました。
【特殊清バイトの体験談③】浴槽で病死
入浴時の寒暖差によるヒートショックが死因で亡くなられてようです。発見した遺族の話では、顔はもちろん死体全体が異様に膨れていて、すぐに本人とは分からなかったとのことでした。
ふくよかな体型の女性だったらしく、死後1ヶ月ぐらい経過しているためか、バスタブに大量の腐敗体液が流れ出て、水は不気味にドス黒く変色していて、強烈な悪臭が浴室内に充満していました。
【特殊清掃バイトの体験談④】ゴミ屋敷の清掃
ゴミ屋敷によくあるのですが、寝床部分だけ床が出ている状態です。やはり汚れる残置物の上に布団を敷いて寝るのは心地が悪いようですね。
部屋全体に食べ物の腐敗臭が漂っていて、全てのゴミなどの残置物を片付けた後、特殊な薬剤で消臭と脱臭もしたのですが、まだ匂いが残っていたので、畳換えも提案いたしました。
特殊清掃業者が行っている孤独死部屋の清掃方法
キチンとした悪臭消臭技術を持った我々特殊清掃業者は、基本的には次のような手順で孤独死部屋を清掃しています。
腐敗体液が付着した捨てる物の回収
まずは、死臭を放っている腐敗体液が付着した捨てる物を室外へ運び出し回収します。
僅かな腐敗体液でも孤独死部屋に残っていると悪臭は消えませんので、何度も腐敗体液が付着した物がないかをチェックします。
ゴキブリやウジ虫などの害虫駆除
特に夏場では、孤独死した翌日からハエやゴキブリなどの害虫が発生することは珍しくありません。
腐敗体液が付着した物の回収後は、極力すべての害虫を退治できるように素早くホウキや掃除機などで駆除します。
腐敗体液の付着箇所の拭き取りと洗浄
床や壁などに付着した腐敗体液は、撤去ができないので、雑巾やブラシなどの道具を使用して腐敗体液の拭き取りと洗浄を行ないます。
特に、ドアや敷居付近など凹凸がある箇所では、丁寧で細かい除去作業が必要になります。
該当箇所への消臭剤と消毒剤の噴霧
孤独死の遺体があった該当箇所は、いくら拭き取りと洗浄をしてもどうしても死臭が残ってしまうので、孤独死専用の消臭剤と消毒剤を噴霧することで異臭を消臭します。
異臭消臭の確認チェック
特殊清掃業者によっては、消臭計などの機械で消臭をチェックしているところもあるようです。
しかし、私たちは機械に頼らず、該当箇所に鼻を数センチまで近づけて異臭消臭の確認チェックをしています。
遺品整理とその搬出
意外と思われるかもしれませんが、腐敗体液が直接付着していない家電や家具などにも悪臭が染み付いている孤独死部屋がほとんどです。
そのため、99%悪臭を消臭するためには遺品整理とその搬出が必須になります。
部屋全体のホコリ取り清掃
また孤独死部屋にあるホコリなどの小さなゴミにも、死臭は染み付いていることもありますので、必要に応じてハタキや掃除機などで部屋全体のホコリ取り清掃を行います。
これを怠ると、僅かに悪臭が残ってしまいます。
消毒剤の噴霧(部屋全体)
天井や壁にも悪臭を発生させる雑菌が付いていると思われる場合は、部屋全体に消毒剤を噴霧します。
この作業は、孤独死部屋の状態によっては行なわないこともあります。
消臭剤の噴霧(部屋全体)
天井や壁にも悪臭が染み付いていると思われる場合は、部屋全体に消臭剤を噴霧します。
この作業は、孤独死部屋の状態によっては行なわないこともあります。
最終的な消臭チェック
最後にもう一度該当箇所の消臭チェックと孤独死部屋全体の消臭チェックを行ないます。
もしも異臭が残っていたら、再度腐敗体液の有無チェックや消臭剤の噴霧などを繰り返します。
孤独死清掃は特殊清掃業者に任せるべき3つの理由
この項目では、孤独死清掃はハウスクリーニング業者でもなく、不用品回収業者でもなく、特殊清掃業者に任せるべき3つの理由をお伝えしています。
①キチンと孤独死の悪臭消臭ができるから
通常のハウスクリーニング業者に孤独死があった部屋の清掃を依頼すると、消臭作業の独自の段取りがわからないので、キチンと消臭できない可能性が非常に高くなるといわざるを得ません。
その点、特殊清掃業者は悪臭消臭のプロですので、全くぬかりはありません。
②しっかりと遺品の整理が行なわれるから
先ほどもお伝えしましたが、特殊清掃には遺品整理も付きものです。
そのため特殊清掃業者は、遺品整理の経験も豊富で、遺品の中から貴重品や思い出の品が見つかる可能性が高まります。
一方、不用品回収業者は、遺品の中身を確認せず、トラックに載せて回収するだけですので、大切な品を見つけることが難しくなります。
③リフォーム等の高額な出費を抑えられるから
特殊清掃業者とは、文字通り清掃業者ですので、いきなりリフォームを勧めることはしません。
まずは、特殊清掃のみで悪臭が消臭できるように努力するのが、特殊清掃業者の本来の姿ではないでしょうか。
リフォームでも異臭消臭はできますが、ご想像通りその費用は特殊清掃より高額になりがちです。
注意
特殊清掃業者と名乗っている中には、リフォーム業者も含まれていることがありますので、次項目を参考にして見つけ出しましょう。
【注目記事】 特殊清掃って一体どうやるの? |
特殊清掃って、ハウスクリーニングのやり方とは異なると思うが、実際にはどのような方法でしているの?と気になりますよね。 そこで、私たちが行なっている具体的な特殊清掃の内容や手順を「特殊清掃業者がしている作業内容」で、詳しく解説しています。 |
失敗しない特殊清掃業者の見分け方
不幸にも身内が独居死で亡くなってしまい、その部屋を清掃するために特殊清掃業者をお探しですねよ。
しかしはじめてのことなどで色々と不安ですねよ。特にキチンと死臭消臭されないのでは…、または数百万円などの法外な高額請求されるのでは…と、悪徳業者の存在が気になっていると思われます。
そこで「おすすめの特殊清掃業者|業界に潜む悪徳手口7つを公開解説」では、その悪徳業者の具体的な手口や優良業者の絶対条件などをお伝えしていますので、業者選びの際に参考にしてください。
特殊清掃の価格目安(総額)
特殊清掃 | 55,000円~500,000円(税別) |
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- 遺体発見までの日数や亡くなった箇所、腐乱状態等によってどうしても金額に大きな幅があることはご了承ください
- 原状回復リフォーム費用は含まれていません
- 家具の処分などの遺品整理料金は含まれていません
特殊清掃料金の内訳
腐敗体液 汚物撤去 | 25,000円~200,000円 |
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害虫駆除 | 15,000円~50,000円 |
消臭消毒 | 15,000円~250,000円 |
特殊清掃だけで悪臭の消臭はできない
遺体の腐敗状況にもよりますが、通常遺体があった箇所だけ、清掃しても悪臭が消えることはありません。
そのわけは、遺品にも臭いが移っているからです。特殊清掃だけでは、約80%の悪臭は消臭されますが、残りの約20%は残ってしまいます。
20%残るイメージは、室内では臭いが分かりますが、室外に臭いが漏れ出すことが無い程度になります。それでは納得できない人は合わせて遺品整理も依頼することをおすすめします。
遺品整理の料金相場
ワンルーム | 30,000円~150,000円 |
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1DK | 30,000円~180,000円 |
1LDK・2DK | 50,000円~375,000円 |
2LDK・3DK | 90,000円~630,000円 |
3LDK・4DK | 120,000円~1,020,000円 |
4LDK・5DK | 150,000円~1,200,000円 |
- 総額ですが、消費税は別途です。
上記金額はあくまでも目安です。お部屋の状態や遺品の量、思い出の品の捜索や一日完了のご要望などによって、上記範囲を超えることもあります。
死臭消臭には「特殊清掃」と「遺品整理」の料金が必要
ほぼ完全に死臭を消臭されたい人は、総額で特殊清掃料金と遺品整理料金の合計が必要になります。
決して安い料金ではありませんが、業者選びさえ間違わなければ、その価値は十分にあるのではないでしょうか。
死臭消臭 特殊清掃+遺品整理 | 85,000円~1,700,000円 (消費税別) |
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さらに特殊清掃料金について、その実態を知りたい人は「特殊清掃料金の相場表と実際に掛かった支払い金額の事例5つ」で、低額な特殊清掃業者のデメリットや具体的なボッタクリ料金の情報も載せていますので訪れてみてください。
まとめ
今日は、実際に特殊清掃業者が行なっている基本的な清掃方法と、孤独死清掃は特殊清掃業者に任せるべき理由、それに失敗しない特殊清掃業者の見分け方と価格目安をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?
業者選びの際に少しでもあなたのお力になれればうれしく思います。