孤独死現場で必須な特殊清掃の費用相場とリアルな支払い金額

孤独死 特殊清掃費用 相場

親族が孤独死して、その部屋にかかる特殊清掃費用について、次のようなことで、不安や疑問を抱かれているのではないでしょうか。

【特殊清掃費用について知りたいこと3つ】①特殊清掃の費用相場は?②誰が費用負担するの ?③具体的な支払い金額を知りたい

というわけで、このページをみれば、特殊清掃の費用相場や実際の支払い金額事例、特殊清掃は誰が費用負担すべきかを知ることができます。

孤独死現場の特殊清掃にかかる費用相場

特殊清掃にかかる費用相場

日本少額短期保険協会が発表した「第7回孤独死現状レポート」によると、孤独死現場を再び住めるようにするための費用相場は、下記の通りでした。

原状回復 平均 381,111円
残置物処理 平均 235,839円
合計金額 616,950円
※特殊清掃+遺品整理に相当

参照元:日本少額短期保険協会

原状回復とは、特殊清掃や孤独死清掃で行う消臭作業のことで、料金相場は下記の通りでした。

  • 最少額:5,200円
  • 最大額:4,546,840円

残置物処理とは、遺品整理業者が行う不用品回収に該当し、料金相場は下記の通りでした。

  • 最少額:1,080円
  • 最大額:1,781,595円

実際にかかる特殊清掃の料金目安

実際の料金相場を知るには相見積もりがおすすめ

前述の金額は、加入した保険の補償を受けるために、申請された費用相場でした。

なので、次に、依頼者様が現実に支払う特殊清掃の料金目安について徹底解説しますね。

同業他社のように最低金額だけではなく、これ以上掛からない最大金額もしっかりと提示しています。

特殊清掃の料金目安

特殊清掃現場

腐敗体液除去
汚染物撤去
27,500円〜220,000円
害虫駆除 16,500円〜55,000円
消臭除菌 16,500円〜275,000円
最大合計額 60,500円〜550,000円
  • 解体と原状回復の作業料金は含まず
  • 遺体発見までの数日や亡くなった箇所、遺体の腐敗状態、汚染物の量等によって金額に大きな差があります
  • 家具や家財の不用品回収などの遺品整理は含まず
  • 退去時の簡易な清掃は含む
  • オゾン脱臭の料金目安は含まず、詳しくは下記オプションを確認

【オプション】オゾン脱臭

オゾン脱臭機

オゾン脱臭の条件 消臭作業完了後、床や床下、壁紙に残された臭いがあり、お客様からオゾン脱臭を依頼された場合のみ
料金相場 165,000円/日

特殊清掃の依頼時に、ほとんど必須となる遺品整理にかかる料金相場も孤独死現場の広さごとに提示しておきますね。

遺品整理の料金目安

壮絶な孤独死現場には必須な遺品整理

ワンルーム 33,000円〜165,000円
1DK 33,000円〜198,000円
1LDK/2DK 55,000円〜412,000円
2LDK/3DK 99,000円〜693,000円
3LDK/4DK 131,000円〜1,122,000円
4LDK/5DK 165,000円〜1,320,000円

上記金額はあくまでも目安です。下記の現場状態や要望などによって、追加料金の発生や料金目安を下回ることもございます。

  • お部屋の間取り/広さや遺品の物量
  • 貴重品や形見の捜索などの程度
  • リサイクルできる家財や家電の多少
  • 仏具や遺影等の残置物、大量な糞/尿でペット臭がひどい現場
  • ゴミ屋敷など不用品回収の物量が多い現場

また弊社では、特殊清掃を行った不動産の買取手配など、ご遺族様からの相続相談も事前に頼むことができます。

特殊清掃料金に関する動画

他業者様の製作になりますが、孤独死現場には特殊清掃が必要になる理由や適正な料金目安などを分かりやすく説明されている動画があったので、共有しておきますね。

また実際に掛かった特殊清掃の料金、金額が不透明になる理由、金銭的被害に遭わない方法などは「特殊清掃料金について」で、詳しく徹底解説しています。

特殊清掃で掛かった作業費用の支払い事例

私たちラストクリーニングに孤独死現場の消臭作業をお申し込みされた依頼者様が、実際に支払われた料金事例を紹介しますね。

【施工事例①】ベッドで自然死

布団に残された遺体の跡

亡くなった人 60代男性
依頼タイミング 死後2週間
サービス内容 ・腐敗体液の汚染物撤去
・消臭剤と除菌剤の散布
・ベッド自体の回収処分
・お焚き上げサービス
他の作業内容 ・遺品整理と汚損物の片付け回収
・簡易清掃(1DK)
作業時間 3時間30分
死臭レベル 高い
支払い金額 329,000円

【施工事例②】玄関先での突然死

吐血?早期発見のためフローリングを張り替える必要なし

亡くなった人 20代女性
依頼タイミング 死後数日から10日
サービス内容 ・フローリングの血液除去/清掃
・冷蔵庫のオゾン脱臭と消毒
・部屋全体の消臭作業
他の作業内容 ・遺品整理と汚損物の片付け回収
・簡易清掃(ワンルーム)
作業時間 4時間
死臭レベル 中程度
支払い金額 220,000円

【施工事例③】布団と畳に染みこむ体液

セルフネグレクト?リビングで起きた孤独死の跡

亡くなった人 50代男性
依頼タイミング 死後2か月
サービス内容 ・腐敗体液の汚染物回収
・畳の回収/撤去
・畳下の箇所の消毒消臭
・部屋全体の消臭作業と消毒除菌
・ウジ虫やゴキブリなど害虫駆除
他の作業内容 ・遺品整理と汚損物の片付け回収
・簡易清掃(3DK)
作業時間 4時間30分
死臭レベル 非常に高い
支払い金額 450,000円

一部重複していますが「特殊清掃現場について」で、他の施工事例も掲載しています。

特殊清掃費用以外にも支払いがある

請求書

親族に孤独死や自殺があった場合は、特殊清掃費用以外に、下記の支払いが発生するケースがほとんどですので、心構えしておきましょう。

  • 水道光熱費
  • 賃貸物件の家賃
  • 携帯電話の基本料金
  • 生前の税金
  • クレジットカード支払い
  • 葬儀や火葬の費用

想定外の支払い負担の可能性もある

さらに追加で、下記3点の支払い負担が発生する可能性もあります。

❶ 死体検案書の作成費用

死体検案書

自殺の場合は、事件扱いになり、警察により検死が行われます。

その際は、死体検案書の作成費用として3~10万円程度掛かります。

❷ 大家からの損害賠償

損害賠償1

賃貸物件で孤独死が起きたため、次の入居者が決まりにくくなるので、その損害賠償を大家から請求されることがあります。

請求金額は、敷金の20%~30%分と家賃の20%分(2年)といわれています。

❸ 近隣住民からの損害賠償

損害賠償2

特に、アパートやマンションなどで孤独死が起きた場合、腐敗した遺体からの死臭が近隣住まいまでひどく漏れるケースが多々あります。

そのため、死臭を嗅がされたことで精神的な損害を受けたと、近隣住民から損害賠償を請求されることがあります。

気になる損害賠償の請求金額は、ケースバイケースで金額にかなりの差があるようです。

近年は損害賠償されない傾向

最近では、上記❷と❸の損害賠償請求は、認められない傾向にあるようです。

その理由は、社会問題にもなっている孤独死が、一般的な出来事として認定されつつあるからではないでしょうか。

現在、孤独死は「病院や自宅で看取られながら亡くなった病死や自然死と同じ」と、法的には判断されているようです。

重要
自殺による孤独死は異なり、当然大家からの損害賠償請求は認められます。

孤独死を発見した際に相続人がすべき対応

孤独死を発見してから法定相続人(遺族)が、やるべき対応を行程表にまとめてみました。

孤独死現場が空き家の場合はこの流れとは異なる

誰が孤独死現場の特殊清掃を行うのか?

一般人が、⑨の孤独死が起きた部屋の消臭作業(特殊清掃)をすることは、次の理由3つからほとんど不可能でしょう。

  1. 細菌やウイルスによる感染症の恐れ
  2. しっかりと消臭除菌できない
  3. 大家や不動産会社が納得しない

よって、持ち家はもちろんですが、特に賃貸物件での消臭作業は、なるべく特殊清掃業者へ依頼しましょう。

しかし、様々な状況によっては、自分たち遺族で死臭消臭や片付けができる可能性もあるので、その判断ができるよう表を作成しました。

特殊清掃の依頼先の判断ポイント

判断項目 YES NO
払えるお金がない? 相続人 特殊清掃業者
死後2日以内か?
大家の許可はOK?
自宅から近いか?
精神的に大丈夫?

上記項目で1つでもNOがある場合は、絶対に特殊清掃業者へ孤独死現場の消臭作業を依頼すべきです。

因みに、料金相場が安いハウスクリーニング業者では、しっかりと死臭消臭できないため、他社へ再度依頼することになるでしょう。

誰が払う?実は法的に負担の順番がある

特殊清掃やその他の費用は「一体誰が支払わなければならないのか?」について、法的な順位に従って、徹底解説しますね。

賃貸物件のケース

1番:連帯保証人

まずは、部屋を借りる際の連帯保証人に、孤独死で発生した費用を支払う義務が生じます。

負担理由 保証人には、賃借人(孤独死した人)の管理が義務付けられているがあるからです。しっかりと管理していれば、孤独死の発見が遅れなかったという理由から支払いを請求されます。

2番: 法定相続人

連帯保証人に連絡がつかない、支払うお金がないもしくは支払う意思がない場合は、法定相続人が支払いをしなければなりません。

負担理由 相続人は、孤独死の瞬間に、亡くなった人のプラス財産もマイナス財産も相続しているからです。もちろんマイナス財産の中には孤独死清掃の費用も含まれているので、支払わなければなりません。

3番:賃貸物件の所有者

法定相続人にも連絡がつかない、支払うお金がないもしくは支払う意思がない場合は、賃貸物件の所有者が、自らの判断で支払うことになります。

負担理由 支払い義務はありませんが、部屋を元通りにするには、所有者本人が、特殊清掃や他の費用を支払うことになります。自分が所有する賃貸物件なので当然ですよね。

持ち家のケース

1番:法定相続人=持ち家の所有者

詳細な説明は難しいのですが、法定相続人は、親族が死亡した瞬間に故人物件の所有者になっています。

負担理由 負担理由の説明は不要ですよね。法定相続人=その故人物件の所有者なのですから。所有者自身が、自分で責任を持って対処するのは当然です。

2番:その持ち家を購入した人

法定相続人=所有者の都合で、その持ち家を特殊清掃することなく、異常に安く売りに出されることがあります。

その場合は、購入した人が、特殊清掃やその他の費用を支払うことになります。

負担理由 特殊清掃や解体と復旧リフォームなどをされていない分、売却金額が低く設定されていて、孤独死関連の費用は、購入者が負担する売買契約になっているからです。

3番:部屋の賃借人

滅多にありませんが、法定相続人=所有者の都合で、室内を特殊清掃せずに、安く賃貸に出されるケースがあります。

その場合は、その住宅の賃借人が、特殊清掃やその他の費用を支払うことになります。

負担理由 特殊清掃や解体と復旧リフォームなどをされていない分、敷金無しとか家賃が低くなっていて、孤独死関連の費用は賃借人が負担する賃貸契約になっているからです。

特殊清掃の費用負担を完全に回避できる方法

最近では、特殊清掃費用を完全に回避できる方法として、金銭的にお困りのご遺族様の中には「相続放棄」を選ばれている人もいます。

相続放棄について

相続放棄とは、故人のプラス財産は当然ですが、マイナス財産も含めて一切の遺産を相続放棄することです。

現金や預貯金、株、土地などがプラス遺産に該当し、孤独死清掃やその他費用、借金などがマイナス遺産になります。

この相続放棄の手続きを済ませれば、孤独死で発生した費用はもちろん、故人に関する借金など全ての支払い義務から免れることができます。

相続放棄には手続き期限がある

相続放棄の手続きは、相続開始(身内の孤独死)の発生を知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所にて開始しなければなりません。

この手続き期間を経過すると、普通に遺産相続したとみなされて、プラス遺産もマイナス遺産も全て引き継ぐことになります。

つまり相続人は、孤独死を知ってからしばらくそのまま放置すると、自動的に特殊清掃費用の支払い義務を負う立場になります。

よって、支払い義務を完全に回避したい人は、孤独死を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄の申し立てをしましょう。

その申し立ての具体的な方法については「孤独死 特殊清掃 相続放棄」で、詳しく説明しています。

孤独死清掃は専門業者にお任せすべき

特殊清掃だけでなく遺品整理や生前整理、ゴミ屋敷片付けもお任せください

孤独死清掃を特殊清掃業者以外に依頼されて「臭いや悪臭が残っている」「高額な追加料金を請求された」との情報をよく耳にします。

間違った業者選びで、決してそんな事態にならないよう、特殊清掃の専門業者にお任せすべき理由3つをお伝えしておきますね。

① 高い死臭消臭と除菌効果

薬剤知識と消臭技術

特殊清掃業者は、孤独死現場専用の消臭剤と除菌剤を使用しているので、早くて効果が高い死臭消臭と除菌にお応えできます。

一般の人が購入できる市販の除菌剤とは、全く比較にならないレベルで消臭除菌効果に差があります。

どんなに死臭が強い孤独死現場でも、汚染箇所を徹底的に洗浄し、専用の消臭剤と除菌剤を噴霧することで、完全消臭に近い効果が得られます。

② リフォーム不要の可能性が高まる

孤独死現場の特殊清掃をリフォーム業者に見積もりすると、すぐに解体作業と大掛かりな原状回復リフォームを提案してきます。

一方、特殊清掃専門業者は、基本的に死臭消臭の専門知識を持った「清掃業者」ですので、まずは解体工事なしの消臭作業を行います。

特殊清掃作業の完了後には、ほとんど完全消臭されていて、高額になる解体と復旧リフォームが不要になるケースが多々あります。

③ 割高な費用が不要になる

特殊清掃業者以外に依頼すると、孤独死が起きた部屋だからという理由で、かなりの割高な費用を請求されることがあります。

一方、特殊清掃専門業者は、そんな特殊な部屋での消臭作業が通常業務なので、特別扱いの高額請求や追加料金は一切ありません。

これら上記3つの理由から、孤独死現場の特殊清掃でお困りなら、特殊清掃専門業者に見積り依頼されることを強くおすすめします。

特殊清掃ってどうやるの?
特殊清掃って、ハウスクリーニングのやり方とは異なると思うが、実際にはどのような方法でしているの?と気になりますよね。
そこで、私たちが行っている具体的な特殊清掃の内容や手順を「特殊清掃について」で詳しく解説しています。

頼むと後悔する悪質な特殊清掃業者の手口

業界の健全化のためにも、特殊清掃業者にはじめてお問い合わせされる前に「後悔する可能性が高い悪徳手口」の一部を知っておいてください。

  • 料金設定にあるカラクリ
  • 原状回復リフォームを執拗に勧める
  • 業界最安値を装っている
  • 市販用や業務用の除菌剤で儲ける
  • 不用品回収­を高額になる遺品整理と説明

詳しい悪徳手口の内容は「特殊清掃について」で、徹底解説していますので、特殊清掃業者に依頼予定の人は、すぐに目を通しておいてください。

安い特殊清掃費用は最終的に高くつく

このページでは、孤独死現場には必須な特殊清掃の費用相場と弊社での支払い金額事例、特殊清掃の費用負担をすべき人をお伝えしました。

なるべく費用を抑えたいお気持ちは分かりますが、費用相場だけの業者選びは、臭いが消えなかったり、後日リフォーム費用がかかるなどして、結局は高額な支払いになります。

この記事を読まれたことで、適正価格でしっかりと死臭消臭できる特殊清掃業者を見つけられる力になったのでしたら嬉しいです。

ページ先頭へ