3000件以上の孤独死清掃を行った私達が語る凄惨な現場の実態

孤独死清掃

「孤独死清掃の現場ってどんな感じなのだろうか?」と思われて今スマホで検索されていますよね。それはそうですよね。普通の人ならそんな現場に出くわすことは滅多にありませんからね。

そこで、特殊清掃業者として15年間で3000件以上の孤独死現場の清掃を行ってきた私達が、その中でも印象に残っている現場をリポートしてみました。

また孤独死清掃に責められている人に向けて、失敗しない特殊清掃業者の選び方や料金目安などもお伝えしていますので、ぜひ業者選びの一助にしてください。

目次

印象に残った孤独死清掃の現場をリポートしてみた

はじめに、私たち孤独死清掃業者に依頼された印象に残っている3つの遺体現場の状態をリポートします。

孤独死清掃の現場に100匹以上ハエが…

叔父が孤独死してしまい、不動産会社からすぐに部屋を片付けて欲しいと言われ困っているとの電話があり、私はすぐに現場に駆けつけました。

到着すると、既に電話をされた遺族がアパート前で、困り果てな表情で私を持っていました。そこからの状況をレポートします。

私達:「どうもラストクリーニングの天池です。」

遺族:「待っていました。不動産会社から臭いとの苦情があり困っている。一刻も早く清掃してほしい。」

私達:「分かりました。まずは部屋を拝見しましょう。何号室ですか?」

そして、鍵を渡されて一緒に現場へ向かって部屋のドアを開けました。

遺族:「うっ」※かなりの悪臭だったため

土足で部屋に上がることを遺族に伝えて、部屋の奥まで行き、遺体があった箇所を確認しました。すると、私に驚いた無数のハエがブ〜ンと一斉に飛び回り始めました。

私達:「結構ハエが発生していますね。取り敢えず殺虫剤をまきますね。」

遺族:「ちょっと気持ちが悪いのでマンション玄関で待っています。」

私達:「分かりました。では見積もりが終わったら降りていきますね。約15分程度で終わります。」

その後は、遺族から正式に孤独死清掃を依頼されて、マンションオーナーの意向で解体作業まで行いました。

遺族からの後日談

近年は孤独死が増加しているとのニュースをよく目にしていたので、定期的に連絡を取り合っていたが、まさか自分の親族に孤独死が起きるとは夢にも思っていませんでした。

部屋を開けた瞬間に、黒ずんでフローリングに倒れていた叔父の姿は、衝撃的な光景で多分、一生忘れる事はないでしょう。

いわゆる死臭になると思うのですが、部屋中に何とも言えない今までに嗅いだ事がない異臭が漂っていて、まさしく地獄そのものでした。

その部屋を見たマンションオーナーから、強く全面リフォームを希望されたのでかなり揉めましたが、話し合いの結果、私たち遺族が解体費用を全額払う事で落ち着きました。

孤独死清掃を終えて私が感じたこと

料理中に突然亡くなられたようで、シンクそばに人型の血液跡がありました。まずは作業スペースを確保するために、周りの遺品を整理しました。

部屋にはペットボトルや弁当箱、給料明細書が散乱していて、一人でひっそりと暮されていたようですが、近年の不景気の影響か派遣の仕事も激減してかなり生活に困窮されていたことが見て取れました。

その後、フローリングにへばりついた血痕を特殊な薬剤で溶かしながら拭き取り部屋はきれいになりましたが、貧富の格差問題を目の当たりさせられた孤独死現場でした。

部屋の扉を開けるとフローリングが血の海だった

自殺だった可能性もある特殊清掃現場

かなり不機嫌そうな声で私達に電話があったのは夕方6時前でした。小さなマンションの大家らしく、入居者が自殺したようで、とにかく早く部屋を片付けて欲しいとのことで、翌日の朝一番に現場に向かいました。

現場に到着したので、携帯電話にその旨を伝えると10分ほどして、予想に反して人が良さそうな高齢女性がやってきました。そこからの状況をレポートしますね。

私達:「ラストクリーニングの加藤です。」

大家:「昨日電話した〇〇です。できればお安くしてくださいね。」

私達:「お部屋の状態によっては希望に添えるかもしれませんので、まずは部屋を見させてください。」

鍵を受け取って一緒に部屋に向かいましたが、その間、この自殺騒動で大変な目に遭っているなどの愚痴をこぼされていました。

そしてドアを開けた瞬間は、いわゆる死臭がほぼなく本当に自殺があったの?という部屋でした。

私達:「この部屋で自殺があったのですか?」

大家:「その扉を開けると分かるわよ」

言われるがまま扉を開けるとフローリングは血の海でした。

私達:「もしかしてリストカットで?」

大家:「そうみたい。既婚男性と色々揉めていたみたいで…」

私達:「なるほど。遺品はどうされますか?」

大家:「警察から了承を得ているので全て処分してください。」

私達:「分かりました。では30分程度で見積もりしますので、しばらくお待ちください。」

その後、大家さんに見積もり金額をお伝えすると、想像よりも安かったようで、その場で孤独死清掃を依頼して頂きました。

上記画像が孤独死清掃と遺品整理を済ませた部屋で、これから通常のハウスクリーニングに取り掛かるところです。元々死臭がほぼない珍しい現場でした。

大家からの後日談

キチンと連帯保証人まで取っていたのに、連絡が取れなくて、まさかこんな想定外の費用を払う羽目になるとは思っていませんでした。

孤独死清掃や遺品の片付けで費用は掛かるし、リフォームでさらに費用が掛かり、その上、自殺が有った部屋である事を告知しなければならないので、家賃も下げざるを得ません。

まさに踏んだり蹴ったりとはこの事だわ。これからは連帯保証人の所在確認のため、定期的な電話連絡を欠かさないようにするつもりです。

孤独死清掃を終えて私が感じたこと

まるでTVドラマで観るような不倫だったのかトラブルになり悩みに悩んでノイローゼになり手首を切って自殺されたようです。

そんな出来事がこんな身近な所で起きているなんて日本も世知辛い世の中になってしまったなと思わざるを得ません。

不倫相手の男性はこれから死ぬまで十字架を背負って行くのか、それともすぐに忘れられてしまうのでしょうか。

上半身の形をした腐敗体液は今でも脳裏に…

トラウマになる遺体痕跡が残るグロテスクな現場でかつネコ屋敷

電話越しからも分かるほどかなり動揺されている様子で、私達に孤独死清掃の相談がありました。まずは部屋を見て欲しいとのことで、急遽船橋市の現場まで伺いました。

というわけで、現場に到着してからのやり取りをレポートしますね。

私達:「ラストクリーニングの丸山です。」

遺族:「電話した〇〇です。早速ですが部屋を見て頂けますか?」

私達:「その前に確認があります。亡くなった方とのご関係は?」

遺族:「従兄弟になります。」

私達:「親族の方ですね。それでは部屋を見に行きましょう。」

遺族:「いやちょっと私はもう一度見ているので…、ここで待っています。鍵も開いています。」

私達:「分かりました。見積もりに30分ぐらい掛かると思いますので、終わったら電話いたしますね。」

そしてアパート2階にある現場に向かうと、上記画像の孤独死の痕跡が人型になったベッドが目に飛び込んできました。きっとこの状態で亡くなったってことは突然死だった

私達:「今見積もりが終わりました。先程の場所でお待ちしています。」

遺族:「分かりました。すぐに向かいます。」

私達:「床剥がし作業内容も含めて金額は〇〇万円になります。どうされますか?」

遺族:「分かりました。お願いします。その代わりにすぐに作業して頂けますか?」

私達:「はい大丈夫です。では今から作業に取り掛かります。予定では明日の夕方には終わりますので、その時に作業確認と支払いをお願い致します。」

遺族:「よろしくお願いします。明日電話を待っていればいいのですね?」

私達:「はい、そうです。あとはお任せ下さい。」

上記画像が孤独清掃と遺品整理、それに床剥がし作業が終えた直後の現場です。遺族も「これで肩に荷が降りた」とホッとされている様子でした。

遺族からの後日談

亡くなった従兄弟の会社同僚から聞いたとの事ですが、夏場だったためか、遺体にはウジ虫が湧いていたようで、かなりの惨状だったとのことでした。

私が部屋に訪れた時には、遺体は警察に引き取られていましたが、それでも部屋には鼻を刺す遺体の腐敗臭が充満していて、一般の人がとても入室できる状態ではありませんでした。

従兄弟が亡くなって悲しい気持ちはありましたが、それでも退去手続きのため、すぐに部屋の清掃や遺品整理をしなければならないので、急いでネット検索をして、それでラストクリーニングさんに依頼した次第です。

孤独死清掃を終えて私が感じたこと

健康だった人が、原因不明で突然死されることは意外に少なくはありません。私の周囲でも二人ほど突然死されています。

これは日頃からどんなに身体を気遣っていても誰にでも起こり得ることです。

そのため、この現場を清掃している最中に明日死んでも後悔しない生き方をしようと決心するのですが、日々の忙しさを理由に忘れてしまいます。

失敗しないための孤独死清掃業者の選び方

次に、この項目では、孤独死清掃業者を選ぶ際にぜひ知っておいて欲しいポイントを6つお伝えします。

すべてクリアされていれば、業者選びで失敗して悪徳業者の罠に掛かる可能性は極めて低いと思っていいでしょう。

①総額表記の料金表を載せているか?

その業者サイトの料金表項目に「基本料金」や「特別価格」「作業費用」などと書かれていませんか。

もしも、そうであれば悪徳業者の可能性があります。なぜならば別項目でいくらでも追加請求できるからです。

【悪い例】
基本料金は100,000円と書いてあったので見積りをしたら、実際は下記の金額になって依頼するまで担当者が帰らない。

基本料金:100,000円
+
清掃作業料金:50,000円
+
出張料金:20,000円
+
処分費:15,000円

総額185,000円

およそ倍の金額になりましたが、まだマシなほうです。3倍~10倍近くの金額になることはザラにあります。

確認ポイント①

必ず料金表に「総額」が書かれている業者から選ぶこと。

②消臭保証はついているか?

多くの場合、孤独死の清掃を依頼される目的は死臭消臭ですよね。そうであれば死臭の消臭保証がついている業者を選ぶべきです。

優良な孤独死清掃業者であれば、再消臭作業の施工や返金保証がついているはずです。※ただし保証条件を必ず参照してください。

確認ポイント②

必ず「消臭保証」が明記されている業者から選ぶこと。

③遺品整理も行なっているか?

実は、孤独死があった箇所だけ消臭清掃してもキチンと死臭を消臭することはできません。

該当箇所だけ消臭した場合は約80%は消臭されますが、残りの約20%の死臭はそのまま残ってしまいます。そのワケは部屋にある遺品にも死臭がついているからです。

その遺品も整理して処分しなければ、決してキチンと死臭が消臭されることはありません。そのため孤独死清掃には遺品整理が不可欠といえます。

確認ポイント③

必ず「遺品整理」も行なっている業者から選ぶこと

④電話応対は大丈夫か?

5回以上、電話コールを鳴らしても誰も電話口に出ない業者は、お客様の方を向いていない自己中心的な業者と考えていいと思います。

そのような業者は孤独死清掃作業も独りよがりになってしまう傾向が強いでしょう。当然、雑な消臭作業をされてまともに孤独死清掃はできないと思っていいでしょう。

確認ポイント④

必ず「5コール以内」に電話口に出る業者から選ぶこと。ただし作業者の携帯電話への連絡は除く。

⑤無条件で見積りは無料か?

ネット上では、どの業者も無料見積りを実施しているように見えますが、よく注視しましょう。中には条件付きで無料見積りを実施している業者もいます。

【条件付きの例】

  • 孤独死清掃を依頼されれば無料見積り
  • 地域限定での無料見積り
  • 期間限定での無料見積り

確認ポイント⑤

必ず「無条件」で無料見積りの業者から選ぶこと。

⑥激安業者を選んで後悔しない可能性≒ゼロ

多くの人は安くて後悔しない孤独死清掃業者をお探しとか思いますが、残念ながらそのような業者は皆無といっていいでしょう。

その理由は、皆さんがお望みのキチンとした死臭消臭には多くの手間や時間と多額の人件費、高価な消臭剤費用が掛かっているからです。

激安業者が行なっていることは…

激安業者がどのようにして激安で提供できるはずがない孤独死清掃を激安で提供しているかは「特殊清掃業者について」で、その理由を詳しくお伝えしています。

その理由を知ってそれでも良いという人は、激安の孤独死清掃業者に依頼してみるのもいいでしょう。

確認ポイント⑥

絶対に激安業者の中から選ばないこと。

では、一体どれぐらいの金額を想定しておけばいいのだろうかと思われますよね。そこで次項目では、孤独死清掃の料金相場をお伝えしています。

孤独死清掃の料金相場表

ほとんどの業者では作業開始前の料金は相談無料

ここでは、一般的な孤独死部屋の清掃料金の相場を表にしてみました。詳しい料金金額は必ず個々の業者見積りのうえご確認ください。

特殊清掃 最低金額: 60,500円
↕︎
最高金額:550,000円
  • 孤独死発見までの日数や亡くなった箇所、遺体の腐乱状態等によってどうしても金額に大きな幅があることはご了承ください
  • <原状回復リフォーム費用は含まれていません
  • 家具の処分などの遺品整理料金は含まれていません

孤独死清掃料金の内訳

腐敗体液
汚物撤去
27,500円~220,000円
害虫駆除 16,500円~55,000円
消臭消毒 16,500円~275,000円

遺品整理の料金表

まれに孤独死清掃だけで死臭がほぼ消臭できることがありますが、ほとんどの場合、遺品も整理して処分しないとキチンとした孤独死清掃はできませんので、遺品整理の料金相場表もお伝えしておきます。

上記金額にプラスされる料金金額です。

ワンルーム 33,000円〜165,000円
1DK 33,000円〜198,000円
1LDK/2DK 55,000円〜412,000円
2LDK/3DK 99,000円〜693,000円
3LDK/4DK 131,000円〜1,122,000円
4LDK/5DK 165,000円〜1,320,000円
  • 遺品処分費や運搬費、作業費などを含む実際にお支払いされる総額を提示しています。(消費税別)
  • 金額に大きな幅がある理由は「遺品の量」「分別作業の程度」「階数・エレベーター有無」「トラック車両までの距離」などの違いがあるからです
  • 部屋や遺品の状況によっては、上記金額を大きく超えることもあります。(例)ゴミ屋敷や孤独死部屋など

真面目な孤独死清掃業者が行っている清掃方法の解説

ここでは、激安業者ではなく、しっかりと死臭消臭ができる孤独死清掃業者が行なっている基本的な作業内容をお伝えしています。

孤独死部屋の状況によっては、一部工程が省略されたり追加されることがあります。

害虫の除去

まずは害虫駆除から作業開始

はじめに、ハエやその幼虫、ゴキブリなどの害虫を除去します。害虫除去をはじめに行なう理由は、害虫がいるまま作業をすると、害虫によって腐敗した体液が広まってしまうからです。

また害虫が逃げ出すことによる近隣への迷惑を防止するためでもあります。

腐敗体液付着物を搬出し撤去

悪臭がする品を搬出して片付け

その次に、タタミや布団など直接、腐敗体液が付着している物を搬出し撤去します。搬出の際は、室内に腐敗体液が付着しないようにビニール袋などで梱包することもあります。

腐敗体液を洗浄して除去

床の体液をきちんと洗浄し状況によっては解体

腐敗体液が付着した物が搬出や撤去できない場合は、ぞうきんやブラシなどで洗浄して除去します。この作業は死臭消臭に極めて重要な工程ですので隅々まで丁寧に洗浄します。

孤独死清掃専用の薬剤をスプレー

消臭除菌剤をしっかりと噴霧

孤独死清掃専用に開発された消毒剤と消臭剤をスプレーします。死臭を発生させているのは細菌ですので、消毒した後に消臭剤をスプレーします。

もちろん、その消臭効果は一般の消臭剤とは比べ物にならないぐらい強力です。

死臭の消臭確認

作業員が異臭の有無を直接確認

腐敗体液が付着していた箇所の数センチまで鼻を近づけて、死臭の有無を確認します。

少しでも死臭が残っているようなら、再度 消毒剤と消臭剤をスプレーします。それでも消臭されない場合は、もう一度洗浄からやり直します。

遺品を整理し室外に搬出

悪臭がする家財は買取不可能なので処分

孤独死があった部屋の状況によっては、家電製品や家具などの遺品にも死臭が着いていることもあります。その場合は、遺品を仕分けしながら整理して処分のために搬出します。

簡単なホコリ清掃

簡単なハウスクリーニング程度の掃除

当然ですが、部屋に溜まっているホコリにも死臭が付いていますので、ハタキや掃除機でホコリを取り除きます。

【注意】この清掃はハウスクリーニングのような丁寧な清掃ではありません。

部屋全体に孤独死専用消臭剤を使用

幅広い範囲に散布するのがポイント

微量ですが、腐敗体液があった箇所以外にも死臭が付いていますので、床や壁の全体、窓ガラス、ドアなどにも孤独死専用の消臭剤をスプレーします。

最後に部屋全体の消臭確認

作業員が臭気を判断

鼻が近づけられる範囲は、実際にすべての床や壁などに数センチまで鼻を近づけて死臭の消臭確認をします。

万が一、死臭が残っている場合は、原因箇所を突き止めて消臭剤をスプレーして消臭します。

【注意事項】
ここから先の記事は、孤独死清掃会社の求人情報や孤独死現場の画像を探されている人向けの内容です。興味をお持ちの人はそのまま読み進めてください。

孤独死清掃会社の求人情報を探す前の心得3つ

何かのきっかけで孤独死清掃のことを知り、この仕事に興味を持ち、求人情報を探される前に知っておくべき心得を3つお伝えします。

後で「こんなはずではなかった」と後悔したくない人は必見です。

実際の孤独死部屋をじっくりと想像する

孤独死があった部屋は、遺体が長期間放置されていたため腐敗しています。遺体そのものは、警察が引き取っていくので部屋にはありませんが、その遺体は下記のような痕跡を部屋に残していきます。

  • 遺体から流れ出た腐敗体液
  • 頭から抜け落ちた髪の毛
  • 指から剥がれてしまった爪
  • 垂れ流しにされて糞尿など

孤独死清掃とは、このような状態の部屋を清掃することをいいます。

ネットで孤独死画像を探されてみて、その部屋で清掃作業をしている自分を何度も想像してみてください。少しでも嫌気が指すようなら求人情報を探されても無駄になるかもしれません。

給料は他職種と比較しても大幅に高いわけではない

孤独死清掃の仕事に興味を持たれた理由の1つは、給料がすごく高いのではとお考えだからではないでしょうか。しかし現実は多少異なります。

2008年ぐらいまでは確かに給料が50万円~60万円と高かったのですが、それ以降は孤独死清掃という仕事がある程度、世間的に知られるようになったので、現在では求人応募者が増えつつあり、それに反比例して給料は減少傾向にあります。

もしも高い給料だけで孤独死清掃に興味を持たれたのであれば、求人に応募されないほうがいいでしょう。

仕事先を周囲に言いづらくなる

意外な見落としがちな心得があります。それは周囲に仕事内容は言いつらくなることです。

「なんだ、そんなことは気にならないよ」と思われるのかもしれませんが、私はこのことが一番つらかったですね。

仕事先を言えない事はストレスになります

友人や知人たちとの会話では、結構仕事に関連していることが話題になるものです。

そんなときにお互いの仕事内容が分かっていないと、話が弾まなくなることもありますし、仕事内容を尋ねられてあやふやに答えていると、何だか気まずい雰囲気になることもあります。

一部の人には仕事内容を明かした方がいい

これが結構ストレスになります。そのため少しでも心の負担をなくすためにも、無二の親友や家族には正直に孤独死清掃の仕事をしていると伝えたほうがいいでしょう。

孤独死清掃会社の求人の探し方

この項目では、採用率が高い順に主な3つの求人情報の探し方をお伝えしていますので、仕事探しの目安にしてください。

実際に採用されるかどうかは、もちろんあなたの資質が決め手になることはいうまでもありません。

求人募集の折込チラシから応募(採用率:大)

費用を掛けている求人は採用されやすい?

折込チラシに求人を載せるには、それなりの費用を孤独死清掃会社が支払っています。

費用を掛けてまで求人募集する理由は、本当に人員が足りなくて困っているからに他なりません。

まさしくあなたと孤独死清掃会社の思惑が一致しているのです。今は孤独死清掃の仕事は人気がありますので、折込チラシで求人を見つけたらすぐに応募しましょう。

ハローワークで探す(採用率:中)

実はハローワークに求人を出している特殊清掃業者もある

ハローワークに求人情報が登録されると、対象地域のハローワークの端末ですぐに検索できるため、人気職種であれば即日数十人程度の面接希望者が殺到します。

そのため競争相手が非常に多いので、採用率は中といったところです。

サイトから問合せする(採用率:小)

孤独死清掃会社のサイトに求人募集中などと、はっきりと記載されていない限り、サイトから求人に関して問い合わせをしても難しいでしょう。

なぜならば問い合わせフォームは、売上に繋がる可能性があるお客様に向けたものだからです。

また例え求人募集と書かれていても、結構ページ更新忘れの場合が多く、実際には求人募集していない場合も多くあります。

求人に応募前に確認すべき6つの事

ここでは、実際に孤独死清掃の求人に応募する前に確認しておいたほうがいい6つのことを挙げています。

求人活動を無駄にしないためにも、もう一度下記のことを確認しておきましょう。

【確認①】志望動機を給料だけにしない

間違っても給料が志望動機だと言ってはいけないことはご理解していただけると思いますが、厳密に言えばそれを変に悟られてもダメです。

給料のために仕事をすることは当たり前なことなので、それをあえて志望動機だと示す必要もありませんし、意識して隠す必要もありません。

【確認②】給料以外の志望動議を必ず準備する

給料以外に、なぜ志望したのかを用意しておく必要があります。よくわからないという人は、はじめに孤独死清掃を知ったときから今日までのことを振り返ってみましょう。

必ず給料以外の志望動機が見つかるはずです。

【確認③】家族の承諾

家族と同居している人はもちろんですが、そうでない人も家族には、今 孤独死清掃の仕事を探していることを必ず伝えて承諾を得るようにしましょう。

その理由は、家族だから当然ということもありますが、実は求人面接した後に会社から家族宛に連絡をする場合があるからです。

その際に家族が孤独死清掃の職に就くことに賛成しなければ、当然不採用になるからです。

【確認④】自動車免許の有無

孤独死があった部屋へ出向いて清掃をする仕事のわけですから、当然 掃除道具や消臭剤などの備品を車両に積んで運転することは日常業務の1つです。

そのため運転免許の所持は必須で、免許がなければまず採用されることはないでしょう。

【確認⑤】嗅覚の敏感さ

お客様が一番求める孤独死清掃のメリットは、死臭が消臭されることです。

前項目でもお伝えしていますが、何度も何度も鼻で死臭の有無を確認しながら清掃作業を行わなければなりません。

そのため嗅覚が鈍感な人はこの仕事には不向きでしょう。

【確認⑥】覚悟の再確認

孤独死があった部屋は、ネット画像のものより比べ物にならないほど、強烈でインパクトがあります。人によっては、食欲がなくなり夢でうなされてやつれてしまうこともあります。

なぜそんなにネット画像と違うのか、それはネット画像から死臭が漂ってこないからです。人間の記憶は、視覚よりも嗅覚のほうが断然脳に焼き付きます。

死臭が充満している孤独死部屋の惨状を想像することは難しいと思いますが、死臭の中で清掃する自分を何度も想像してみて、今一度覚悟の再確認をしましょう。

孤独死清掃業を営んでいる私からの3つのアドバイス

ここでは、私が孤独死清掃業を起業した後、実際に日常生活で感じた困った事3つをお伝えすることで、アドバイスさせていただきます。

今からお伝えする事を覚悟できない人は、孤独死清掃の仕事に就くことは止めたほうがいいと思われます。

①服や靴を自分で購入しなければならない

会社によっては定期的に作業服や作業靴を新しく支給するところもありますが、現場の状況によっては一度の孤独死清掃だけでも洗濯をしても死臭が無くならない場合があります。

さすがにそのような短期間では、新しいものは支給されないので自分で買い換えなければならないでしょう。

また帰宅時、私服に着替える際、死臭が付着することもありますが、当然その場合は自費での購入になります。

アドバイス①

孤独死清掃に関することでも自費出費があることは覚悟しておきましょう。

②髪の毛や爪の隙間等から死臭が消えない

ゴシゴシと入念に風呂場で身体を洗ったとしても、髪の毛や爪などにわずかに残った死臭が取りきれないことがあります。

食事や寝る時にふと手が鼻に近づくと、死臭で孤独死部屋の光景が蘇ります。しかしほとんどの場合は、数日後には死臭はすっかり無くなっています。

アドバイス②

身体に残った死臭は数日後には消えているので気にしないようにしましょう。

③幻臭や悪夢に襲われる

私は、ほとんど夢をみても覚えていない性格なのですが、まれに悪夢で苦しむことがあります。なぜならば死臭によって脳の嗅覚にあの惨状が直接刻まれるからです。

また街中を歩いていて突然死臭が漂っている気がして、近くで亡くなった人がいるのでは…と思うことも度々あります。実際にそのようなことがあったかどうかは不明ですが・・・

アドバイス③

繰り返し幻臭や悪夢に襲われるとそのうち慣れてくるので安心してください。

実際のイメージに近い孤独死現場の画像集

この項目では、孤独死清掃を数多く経験している私が、ネット上で「この画像は実際の現場イメージに近い」と思った画像を3つ挙げています。

①マンションでの孤独死画像

病死だった可能性もある特殊清掃現場

苦しかったためか、布団からはみ出て亡くなられていました。髪の毛が大量に残っていたのが、リアルにそこに遺体があったことを印象付けます。

②川崎市であった孤独死画像

ここまで腐食が進むとより特殊な薬剤が必要

恵まれた生活環境ではなかったようで、生活保護を受けられている男性でした。テレビや冷蔵庫などもなく、かなり質素な生活をされていたようです。

③賃貸マンションにて死後1か月で発見された孤独死現場

眠るように亡くなられたようで、ベッドの上には、就寝中の体勢がそのまま跡となって残っていました。不幸中の幸いと言っていいのか、腐敗体液は床のフローリングまで流れておりませんでした。

【注目記事】 特殊清掃って一体どうやるの?
特殊清掃って、ハウスクリーニングのやり方とは異なると思うが、実際にはどのような方法でしているの?と気になりますよね。
そこで、私たちが行なっている具体的な特殊清掃の内容や手順を「特殊清掃業者がしている作業内容」で、詳しく解説しています。

孤独死について考察してみた

最後に、数々の孤独死清掃の現場とその遺族を見てきた私が、常々感じて考えさせられたことをお伝えしておきますね。

孤独死は現代日本の社会問題の表れである

孤独死が多くなった原因の1つに高齢化があると思いまが、日本は地球上において、類をみない超超高齢化社会の真っ只中にいます。

2019年には、65歳以上の人数が総人口の28.4%になり、高齢化第2位のイタリア(23.0%)を大きく上回っています。

無論、高齢化自体が問題な訳ではなく、その高齢者の27.1%(2016年)が単独世帯のため、体調不良や病気悪化などの際に、そばに誰もいないので、結果的に孤独死されるのです。

煩わしさと自由とのバランスが難しい

ほんの数十年前までは、国民の多くはあまり豊かでなかったため、親や祖父母との同居が当たり前でした。

しかし、現代では、大学入学や就職と同時に、生まれ育った街を出て、家族と別居する生活スタイルが普通になりつつありますよね。

確かに一人暮らしだと、煩わしい人付き合いから解放されて、一人っきりの自由を満喫できますが、助けが必要になった時のことを想像すると、色々と考えさせられますよね。

また高齢者の側も家族の負担になりたくないとの理由で、自ら進んで一人暮らしを選択される傾向も近年強くなっているようですね。

孤独死を防ぐには「絆」を深めるしかない

一見すると、「高齢者の一人暮らし」と「孤独死」は、切っても切れない関係と思われていますが、私はそうは思いません。

何故ならば、下記のような方法で、いくらでも孤独死は防げるからです。

  • スマホによるテレビ電話
  • 見守りサービス(自治体、企業)
  • 介護施設の利用

孤独死防止の要は、普段から家族のことを気に掛け、コミュニケーションを取ることで、絆を深めているかどうかではないでしょうか?

えっ?そんな時間もお金も無いって?であれば、そんな非人間的な生活を送っていることを先に問題解決する必要があるかもしれませんね。

まとめ

この記事では、孤独死清掃でお困りの人には失敗しない孤独死清掃業者の選び方とその料金目安、具体的な孤独死清掃の作業工程をお伝えしました。

そして、仕事として孤独死清掃に興味をお持ちの人には求人情報や給料についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。この記事があなたのお役に立てたのでしたらうれしく感じます。

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