遺品整理と特殊清掃の違いは?どちらに依頼すべきかの判断基準

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遺品整理と特殊清掃の違いは?どちらに依頼すべきかの判断基準
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一人暮らしの親族が孤独死してしまい、故人の遺品整理に迫られたとき「果たして遺品整理業者に問合せをすべきか?特殊清掃業者に問合せをすべきか?」の正常な判断ができませんよね。

そんなあなたに、孤独死があった部屋の死後の遺品整理は、特殊清掃業者に依頼すべき理由をお伝えします。

間違った業者に問い合わせや依頼をして、さらに辛い思いをしないように是非知っておいてください。

特殊清掃と遺品整理の違い

特殊清掃と遺品整理の違い

はじめに、独居者が死亡した際に発生する臭いの消臭脱臭や消毒除菌する「特殊清掃」と、故人が遺す家財の中から分別処分や形見分けをする「遺品整理」の違いについて、主なポイント3つを挙げてみました。

【ポイント①】料金設定の基準が異なる

特殊清掃の料金表
腐敗体液
汚物撤去
25,000円~200,000円
害虫駆除15,000円~50,000円
消臭脱臭/消毒15,000円~250,000円
合計55,000円~500,000円

特殊清掃は、主に故人が横たわっていた箇所や死臭度合い、腐敗した血液の広がり具合、ゴキブリなどの害虫駆除や除去すべき汚染物の有無によって料金が決まります。

遺品整理の料金表
ワンルーム30,000円~150,000円
1DK30,000円~180,000円
1LDK・2DK50,000円~375,000円
2LDK・3DK90,000円~630,000円
3LDK・4DK120,000円~1,020,000円
4LDK・5DK150,000円~1,200,000円

一方、遺品整理は、基本的には故人の荷物や家財、つまり遺品や残置物の量(間取り)とその種類によって料金が決まります。

【ポイント②】サービス内容が明確に違う

サービス内容特殊清掃遺品整理
消臭脱臭/消毒有り無し
汚物撤去有り無し
害虫駆除有り無し
荷物整理無し有り
家財回収無し有り

上記表から分かるように、特殊清掃は悪臭脱臭や消毒除菌、汚物撤去による消臭サービスをメインにしており、一方 遺品整理は形見分けや個人が遺す家具/荷物の仕分けと回収サービスをメインにしています。

【ポイント③】需要の違いによって選ぶべき

特殊清掃も遺品整理も人様が死亡した際に必要と思われていますが、下記のように、死亡した場所によってロケーションの需要違いで判断すべきでしょう。

  • 部屋で孤独死した場合 → 特殊清掃
  • 病院で死亡した場合 → 遺品整理

特殊清掃が必要な部屋の遺品整理を遺族でできない理由

次に、遺族が特殊清掃が必要な部屋にある遺品の分別や整理をできない理由3つと、遺族だけで遺品整理されている割合をご紹介致します。

①遺族なら突然の死で正常な精神状態でない

一般の人であれば「家族が孤独死した」と警察から連絡を受けた時点でひどく動揺してしまいます。

長らく連絡を取っていなかった事を後悔して自責の念に悩まされ、精神的に追い込まれます。

とても通常の精神状態ではありませんので、故人が最期に生活していた部屋で遺品整理するなんて到底できるはずがありません。

②遺体からの腐敗臭が酷く入室さえも困難

遺体からの臭いというものは、日常生活における腐った異臭や刺激臭とは全く別物で、この世のものとは思えないほどの悪臭/異臭です。

人間も動物ですので、同種族の肉体が腐敗した異臭を嗅いだら本能的に身の危険を感じ、死体の臭いから遠ざかる衝動になるのではないでしょうか。

まして親族の場合でしたら、なおさらでしょう。

③プロの消臭脱臭でないと大家が了承しない

孤独死があった部屋が賃貸だった場合は、大家の了承がないと退去は完了しません。

大家の立場からすると、素人の遺族がいくら丁寧に消臭脱臭をしたとしても、次の入居者を考えると不安になってしまいます。

そのため、部屋で孤独死があった場合、多くの大家は、防護服を着用した特殊清掃士によるオゾン脱臭や除菌薬剤散布でなければ、元通りに原状回復したと判断されず、退去完了を了承しません。

【5%以下】遺族だけで遺品整理している割合

正確なデータを取っているわけではありませんが、遺族からの電話相談の内容から察するに、私の感覚では100人に5人も自身で遺品整理をされていないと思われます。

お金が本当になくて、どの業者に見積もりしても金額が合わず、そして大家からは執拗に消臭や除菌するよう責められて窮地に追い込まれて、自身でされている人が稀におられますが、本当は100人に1人か2人ぐらいではないでしょうか。

つまり約95%以上の遺族は、孤独死で汚染された部屋の遺品整理を業者に依頼しているのが現状です。

しかし業者によっては、孤独死があった部屋の臭いが染み付いた遺品の整理は受付けないところもあります。詳しくは次項目をご覧ください。

遺品整理業者は特殊清掃ができない

遺品整理業者は特殊清掃ができない。特殊清掃業者は汚水漏れの水害被害にも対応。

まずは、遺体が警察に引き取られた後~遺品整理完了までの作業の流れを掴んでください。

部屋の消臭脱臭=特殊清掃
遺品整理作業 ※遺品に遺体からの臭いが染み付く
簡単な部屋の掃除 ※床や壁に遺体からの臭いが付着
作業を確認して完了

通常の遺品整理とは、上表②~④の作業を指します。

遺品整理業者は孤独死部屋を想定していない

しかし一般的な遺品整理業者は、孤独死で汚染された部屋の遺品整理と聞くと、感染を恐れて退散するか、見積り時に臭いに耐えられず「ごめんなさい」と去っていくのが、関の山です。

つまり、一般的な遺品整理業者は、病室など別の場所で死亡した人の遺品を整理する事を想定しています。

そのため、特殊清掃後でも遺品整理業者は、悪臭やウイルスが付いた遺品を整理しないのが一般的です。

特殊清掃業者は遺品整理作業にも精通している

一方、特殊清掃業者は消臭除菌の技術や薬剤知識、経験をもちろん豊富に持っていますが、意外にも遺品整理作業も経験を多く積んでいます。

なぜならば、部屋からキチンと臭いを消すには、臭いや菌が付いた遺品の整理、回収、処分も必須だからです。

そのため、特殊清掃員は、遺品整理作業にも高い経験値を持っています。遺品整理の作業内容についても、遺品整理業者と何ら差はありません。

遺品整理業者と特殊清掃業者は別業種

多くの人様が、特殊清掃業者をハウスクリーニング業者の延長と捉えられているようですが、現実は全く別業界の業種と思ってください。

特殊清掃業者の主な作業は、見た目を綺麗にする清掃作業ではなく、特殊な洗剤で腐敗体液を除去や死臭消臭/オゾン脱臭して、部屋を原状回復する事です。

孤独死部屋の遺品整理なら特殊清掃業者に依頼すべき

弊社ラストクリーニングは真摯にご遺族様へ寄り添う気持ちを心掛けています。火災現場の片付けにも対応。

このように特殊清掃が必要な部屋で遺品整理する場合、部屋中に悪臭が充満しているため、遺品整理作業の前に特殊清掃作業が必須になりますよね。

であれば、始めから特殊清掃業者に問合せするほうが、自然な流れですよね。

時々、特殊清掃は特殊清掃業者に、その後の遺品整理は遺品整理業者にと、複数の業者に依頼される人がいらっしゃいます。

しかし、すべてを特殊清掃業者に依頼することをおすすめします。そのワケは、以下のメリット3つがあるからです。

【メリット①】責任所在ははっきりとする

万が一、死臭がキチンと消臭されていない場合、2つの業者に依頼していると、それぞれの業者は、牽制し合い責任の擦り付け合いになります。

例:死臭が残っている

  • 遺品整理業者の言い分=「特殊清掃業者がキチンと消臭していないから」
  • 特殊清掃業者の言い分=「遺品に付いていた死臭が他箇所にも付いたから」

このようなことになって一番損をするのは、依頼者であるあなたです。そうならないためにも必ず孤独死部屋の遺品整理は1業者に絞って依頼しましょう。

【メリット②】会計に無駄がなくなる

通常、料金の中には基本料金と表示されていなくても基本料金的な要素も当然ですが含まれています。

2つの業者に依頼するという事は、その基本料金に当たる金額を2重に負担するということになります。

それに運搬費や人件費も2重に支払わなければならなくなる事も考えられます。

例:費用がダブっている

  • 2業者の場合:1業者が死臭の発生源であるフトンなどを廃棄物工場へ運搬後、もう一方の業者が不要な遺品や廃品などをまた廃棄物工場へ運搬する。
  • 1業者の場合:死臭がするフトンも遺品も一緒に廃棄物工場へ運搬できる。

このように1つの業者に依頼することで、基本料金部分の圧縮や2重の費用支払いを防止できるので、必ず1つの業者に依頼しましょう。

【メリット③】死臭の消臭率が高くなる

部屋の中に遺品があると、しっかりと死臭の消臭確認ができません。その理由は遺品にも死臭が染み付いているからです。

例:遺品があると消臭確認できない

  • 2業者の場合:特殊清掃業者が消臭作業を終えても死臭付きの遺品があるため、しっかりと消臭確認ができない。
  • 1業者の場合:遺品整理後も特殊清掃業者が現場にいるので、キチンと消臭確認作業ができる。

特殊清掃業者と遺品整理業者の共同作業となると、先に特殊清掃作業を終えて、それから遺品整理をすることになります。

この場合だと、キチンと消臭されたかどうかの確認が特殊清掃業者では確認できないので、消臭率は下がってしまいがちになります。

遺品整理も特殊清掃業者に依頼すると…

遺品整理後もキチンと消臭確認作業ができるので、万が一の場合は再度消臭作業を行う事ができるので消臭率は高くなります。

よって、孤独死部屋の遺品整理も特殊清掃業者に依頼すべきといえます。

【注目記事】 特殊清掃って一体どうやるの?
特殊清掃って、ハウスクリーニングのやり方とは異なると思うが、実際にはどのような方法でしているの?と気になりますよね。
そこで、私たちが行なっている具体的な特殊清掃の内容や手順を「特殊清掃業者がしている作業内容」で、詳しく解説しています。

特殊清掃が必要な遺品整理の料金目安

総額85,000円~1,700,000円(税別)

つまり、特殊清掃料金と遺品整理料金の合計になるのですが、あまりにも金額範囲の幅が大きく分かりづらいと思うので、それぞれの内訳をお伝えします。

特殊清掃料金(総額・税別)

特殊清掃料金55,000円~500,000円

特殊清掃料金の内訳

腐敗体液
汚物撤去
25,000円~200,000円
害虫駆除15,000円~50,000円
消臭消毒15,000円~250,000円
  • 解体リフォームの料金は含まれていません。
  • 遺体発見までの日数や亡くなった箇所、腐乱状態等によって金額に幅があります。

遺品整理料金(総額・税別)

遺品整理料金30,000円~1,200,000円

遺品整理料金の内訳

ワンルーム30,000円~150,000円
1DK30,000円~180,000円
1LDK・2DK50,000円~375,000円
2LDK・3DK90,000円~630,000円
3LDK・4DK120,000円~1,020,000円
4LDK・5DK150,000円~1,200,000円
  • 上記、金額はあくまでも目安です。思い出の品の捜索や一日完了のご要望などによって範囲を超える事もあります
  • ゴミ屋敷などの特別に遺品やゴミが多い場合は、金額範囲を超える事があります
  • リサイクルや買取が可能な遺品があれば、上表金額よりも安くなる事もあります

その他、実際に掛かった特殊清掃の料金や金額が不透明になる理由、ボッタクリ被害に遭わない秘訣などについては「特殊清掃が必要なケースと実際に掛かった料金」で、詳しく解説しています。

後悔しないための特殊清掃業者の選び方

特殊清掃業者への依頼を決めた後は、その業者選びが重要です。多くの人様は、一生のうち特殊清掃業者に依頼することは1度あるかないかですから、不安になるのも当然です。

例えば下記のようなことが気になり、不安になって業者への電話相談もしづらいですよね。

  • 高額請求/ボッタクリ
  • 死臭の消臭不足
  • 周囲への配慮不足

そこで、少しでもその不安を取り除いていただければと思い「特殊清掃業界に潜む悪徳業者の手口」の記事をご用意しております。

記事内では、特に高齢者に気を付けて欲しい悪徳業者の手口や優良業者の条件などを詳細にお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。

遺品整理業者を選んでも良い場合もある

遺体があった部屋の遺品整理は、何が何でもでも特殊清掃業者を選ぶ必要はなく、下記の理由から遺品整理業者に依頼されて良い場合があります。

  • ほとんど死臭が発生していないから
  • 腐敗体液付着物すべての撤去が簡単だから
  • ついでに部屋や家を取り壊す予定だから

遺品整理業者についてや正しい業者の選び方などの詳細は、「遺品整理業者63社を徹底比較|口コミと悪徳業者の見分け方」でお伝えしています。

【まとめ】孤独死部屋の遺品整理なら特殊清掃業者

特殊清掃が必要な部屋の遺品整理についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。

遺体から発生する臭いの程度にもよりますが、極力 孤独死があった部屋の遺品整理は、特殊清掃業者に依頼する事をおすすめします。

なぜならば、いくら遺品整理がキチンとできても悪臭や異臭が残すようなら、後に問題になり、追加で費用や手間が掛かってしまう事が多々あるからです。

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越尾酉太

2008年から今日まで、特殊清掃と遺品整理でお困りの方から1つでも多くの「助かった!」を集める為に、ネットを通してリアルな情報の発信と日々の現場作業に取り組んでいます。

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