遺品整理と特殊清掃の違いは?両者の繋がりは孤独死で決まる

特殊清掃遺品整理

親族が孤独死して、遺族として遺品整理が必要になったとき、下記のようなことで迷われているのではありませんか。

【業者選びで迷われていること】①まずは遺品整理業者に相談?②いやいや特殊清掃業者にお問い合わせ?③それとも両者に分けて依頼した方はよい?

このページを読まれることで、あなたは、上記3つに対する正しい回答を得ることができます。

特殊清掃と遺品整理の違いとは

特殊清掃と遺品整理の違いについて

まずは、孤独死現場の消臭作業する「特殊清掃」と故人の荷物の中から貴重品、思い出の品などの分別や形見分けをする「遺品整理」の大きな違い3つについて徹底解説します。

①対応できる作業とサービス内容

遺品整理と特殊清掃

遺品整理業者

  • 遺品の分別や仕分け
  • 貴重品や思い出の品の捜索
  • 不用品回収
  • 生前整理
  • お焚き上げ/供養
  • ハウスクリーニング
  • 不動産処分の相談

特殊清掃業者

  • 残された死臭の消臭作業
  • 部屋全体の脱臭作業
  • 完全消臭できるオゾン脱臭
  • ゴミ屋敷清掃/汚部屋片付け

さらに、遺品整理業者が行っている下記5つの作業やサービス内容も、特殊清掃業者はしっかりと対応できます。

  • 遺品の分別や仕分け
  • 貴重品や思い出の品の捜索
  • 不用品回収
  • ハウスクリーニング
  • 不動産処分の相談

特殊清掃業者は、遺品整理業者ができる作業やサービス内容にプラスして、人が亡くなった死臭もしくはゴミ屋敷などの臭いの消臭作業にも対応しているわけです。

②依頼が可能な部屋

遺品整理現場と特殊清掃現場

遺品整理業者

  • マンション
  • アパート
  • 一軒家
  • 福祉施設

ただし、普通に生活や使用していた部屋の状態に限る。

特殊清掃業者

  • 孤独死現場
  • ゴミ屋敷
  • 自殺現場
  • 事故現場
  • 火災現場

もちろん、特殊清掃業者はマンションやアパート、一軒家のどんなに酷い悪臭がする部屋や大量にゴキブリ、ウジ虫がいる場合でも決してお断りしません。

③料金相場

料金相場

下記の理由により、特殊清掃の料金相場は、遺品整理より高くなります。

理由❶ 死臭が漂う過酷な現場で作業するスタッフの「人件費」
理由❷ 消臭除菌剤・特殊な清掃道具・オゾン脱臭の「購入費用」
理由❸ 腐敗体液や死臭がついた通常より高い「遺品の処理費用」

上記3つは、特殊清掃には必須ですが、遺品整理には不要です。

因みに、気になる特殊清掃と遺品整理の料金相場については、あとで詳細をお伝えしています。

亡くなった場所に応じて業者選びすべき

特殊清掃も遺品整理も人が亡くなった際に必要と思われますが、下記のように、亡くなった場所によって、選ぶべき専門業者を判断すべきでしょう。

  • 部屋で孤独死した → 特殊清掃の専門業者
  • 病院で亡くなった → 遺品整理の専門業者

もちろんその理由は、しっかりと効果がある消臭作業が、サービス内容にあるか否かです。

遺品整理と特殊清掃の繋がりについて

遺品整理と特殊清掃の繋がりとは?

次に、遺品整理と特殊清掃が、孤独死を通して繋がっていく過程をわかりやすくお伝えしますね。

遺品整理=人が亡くなった

整理するのが遺品ってことは、お荷物や生活用品の所有者だった人が、お亡くなりになっているわけですよね。

因みに、生きている人の物を整理することは「生前整理」で、生きている人の不用品を処分することは「不用品回収」になります。

孤独死の多くはお部屋の中

毎年約3万人が孤独死していると言われていますが、令和元年の全国死亡数は1,381,098人でしたので、およそ2.2%が誰にも看取られずに亡くなったことになります。

死亡者数の参照元

無論言うまでもなく、孤独死が起きた場所の多くは、故人宅のお部屋になります。

ポイント!
この孤独死かどうかによって、遺品整理と特殊清掃に繋がりがあるか否かが決まります。以降は、上記2.2%の孤独死に言及して話を進めています。

お部屋には必ず遺品がある

生活の場である部屋には、下記のような生活用品が必ずありますよね。

  • 寝具
  • 家電
  • 家具
  • 食料品
  • 衣服
  • 雑貨

そして、これらの持ち主が孤独死することで、生活用品は遺品へと変わります。

遺品には死臭がついている

遺体が長期間放置されていた住まいに、これら遺品があったわけですから、必ずと言っていいほど、死臭が染みついています。

ただし、2階建て一軒家での孤独死で、1階で遺体が発見されたようなケースでは、2階にある遺品にまでは、死臭がついていないこともあります。

死臭消臭=特殊清掃が必要

遺品に死臭が染みついているということは、当然部屋の壁や床、ドアなどあらゆる箇所にも染みていて、そこから死臭が漂ってきます。

そのため、遺品を整理して運び出しただけでは、部屋から悪臭が消えることはないので、特殊清掃が必要になるわけです。

このような流れで、人が孤独死された場合には、遺品整理と特殊清掃の間に繋がりができるわけですね。

遺品整理業者に死臭消臭はできない

基本的に、遺体が警察によって運び出された後から遺品整理の作業完了までの流れを下表のようになります。

部屋の消臭脱臭 = 特殊清掃
遺品整理作業 ※遺品に死臭が染み付いてる
部屋の簡易掃除 ※床や壁に悪臭が付着
作業完了後に確認

通常の遺品整理とは、上記表②~④の作業や清掃を指します。

遺品整理業者は孤独死現場を未想定

遺品整理業者は消臭作業の経験が少ないけど特殊清掃業者は死臭消臭の作業実績が数多い

遺品整理の専門業者に「孤独死が起きた部屋の…」とお問い合わせしても、感染の危険や相見積もり時の臭いでお断りされるでしょう。

一般的な遺品整理業者は、病院など別の場所で人が亡くなり、故人宅での遺品整理や不用品処分を想定しています。

そのため、特殊清掃作業の完了後でも、遺品整理業者は、悪臭や病原菌で汚染された遺品を整理や処理しないのが、一般的です。

特殊清掃業者は遺品整理にも精通

消臭作業 遺品整理

一方 特殊清掃業者は、もちろん消臭作業は経験豊富で、除菌剤などの専門知識を持っていますが、意外にも遺品整理の作業実績も多数あります。

その理由は、部屋の臭いをしっかりと消すには、悪臭や細菌がついた遺品の整理、回収、処分も必須だからです。

そのため、特殊清掃の作業員は、遺品整理作業にも経験豊富で、その作業実績についても遺品整理の専門業者と同等です。

特殊清掃業者と遺品整理業者は別

初めての人は、特殊清掃業者を遺品整理業者と混同されているようですが、実際には別業者と思ってください。

特殊清掃業者の作業内容は、特殊な薬剤による腐敗体液の除去と除菌剤やオゾン脱臭でなるべく死臭を消臭して、部屋を原状回復することです。

遺品整理業者の作業内容は、大量にある遺品や荷物をしっかりと分別して、貴重品や思い出の品に仕分けした後、残された不用品を回収処分することです。

そして、遺品整理業者ができることすべては、特殊清掃業者でも対応可能です。

孤独死現場の遺品整理は特殊清掃業者に依頼すべき

弊社に遺品整理士は在籍していませんが真摯にご遺族様と向き合う気持ちを常に心がけています

孤独死があった部屋の遺品整理をする場合、部屋中に悪臭が充満しているため、遺品整理の前に、特殊清掃作業が必須になりますよね。

であれば、なるべく特殊清掃業者からお問い合わせして、すべてお任せするのが、普通の流れですよね。

稀に、特殊清掃は特殊清掃業者に…、消臭作業完了後の遺品整理は遺品整理業者に…と、複数業者に依頼される人がいらっしゃいます。

しかし、遺品整理も特殊清掃業者に依頼されることをおすすめします。その理由は、以下のメリット3つがあるからです。

【メリット①】責任所在が明確になる

死臭がきちんと消臭されていない場合、複数業者への依頼だと、下記例のように、それぞれの業者による責任の擦り付け合いになります。

死臭が残っている実例

遺品整理業者の立場
特殊清掃業者がきちんと消臭していないから
特殊清掃業者の立場
遺品についていた腐敗体液が他の箇所にも付着したから

上記のような状況になって、一番お困りになるのは、依頼者であるあなたです。

こんな状況にさせないためにも、孤独死が起きた部屋の遺品整理は、1社だけに依頼しましょう。

【メリット②】支払いに無駄がなくなる

通常、料金体系の中には、基本料金の表示がなくても基本料金的な意味も当然ですが、含まれています。

そのため、複数業者への依頼は、その基本料金に当たる金額が余計な負担になります。

さらに、運搬費や出張費、作業費用などで余分な支払いになるケースも十分に考えられます。

余分に費用がかかる実例

複数業者のケース
A業者が腐敗体液が付着した布団などを廃棄物処理場へ運搬後、B業者が不要な遺品や生活用品などをまた廃棄物処理場へ運搬する
業者1社のケース
A業者だけで死臭がする布団も遺品も一緒に廃棄物処理場へ運搬できる

業者1社にまとめて、特殊清掃と遺品整理を依頼することで、余計な基本料金や諸費用の支払いを防止できます。

【メリット③】死臭消臭の確率が高くなる

部屋の中に遺品があると、しっかりと死臭の消臭確認ができません。その理由は遺品や壁紙にも死臭が染みついているからです。

遺品があると消臭確認できない実例

複数業者のケース
特殊清掃業者が消臭作業を終えても死臭付きの遺品があるため、しっかりと消臭確認ができない
業者1社のケース
遺品整理後も特殊清掃の作業員が現場にいるので、きちんと消臭確認ができる

特殊清掃業者と遺品整理業者の共同作業となると、先に特殊清掃作業を終えて、それから遺品整理をすることになります。

このケースだと、きちんと消臭されたか否かの確認が、特殊清掃業者では確認できないため、消臭確率は低くなります。

遺品整理も特殊清掃業者に依頼すると…

遺品整理後もきちんと消臭確認ができるうえに、臭い残りがある場合は、再度消臭作業が可能なので、消臭確率は高くなります。

そのため、孤独死が起きた部屋の遺品整理も特殊清掃業者に依頼すべきといえます。

特殊清掃って一体どうやるの?
特殊清掃って、ハウスクリーニングとは異なると思うが、実際にはどのような方法でしているの?と気になりますよね。
私たちが行っている具体的な特殊清掃の内容や手順を「特殊清掃について」で、詳しく徹底解説しています。

後悔しない特殊清掃業者の選び方

資格の有無で業者選びすると失敗する可能性大

特殊清掃業者への依頼を決めた後は、次に業者選びが重要になります。

多くの人は、特殊清掃業者へのお問い合わせや依頼は、一生に1度あるか否かなので、業者選びで、不安になるのは当然です。

例えば、下記のようなことが気になり、不安になって電話相談もしづらいですよね。

  • 高額な追加請求
  • 死臭の臭い戻り
  • 近隣住民への配慮不足

その不安を取り除いていただくために「特殊清掃について」で、悪徳被害を避けられる特殊清掃業者の選び方を解説しております。

遺品整理業者で良いケースもある

遺体があった部屋の遺品整理でも、絶対に特殊清掃業者を選ぶ必要はなく、下記の理由から遺品整理業者に依頼されて良いケースもあります。

  • ほとんど死臭発生がない
  • 汚染物全ての撤去が簡単
  • 家や建物を解体する予定

遺品整理業者についてや正しい業者の選び方などの詳細は「遺品整理について」で、説明しています。

特殊清掃と遺品整理の料金相場

実際の料金目安を知るには相見積もりがおすすめ

遺体があった部屋を原状復帰させるために、特殊清掃と同時に遺品整理も特殊清掃業者に依頼した際の料金相場を詳しく徹底解説しますね。

原状回復にかかる総額の料金相場

特殊清掃+遺品整理 9.35万円~187万円

上記金額は、特殊清掃料金と遺品整理料金の合計額なのですが、あまりにも大きな幅があるので、それぞれの詳細内容を解説します。

特殊清掃の料金相場

60,500円〜550,000円

特殊清掃費用の詳細

腐敗体液
汚染除去
27,500円〜220,000円
害虫駆除 16,500円〜55,000円
消臭消毒 16,500円〜275,000円
  • 解体工事とリフォームの費用は含まず
  • 遺体発見までの数日や亡くなった箇所、腐乱状態等で金額に大きな差がある
  • 見積もり後の追加料金は一切なし

遺品整理の料金相場

33,000円〜1,320,000円

遺品整理費用の詳細(間取り別)

ワンルーム 33,000円〜165,000円
1DK 33,000円〜198,000円
1LDK/2DK 55,000円〜412,000円
2LDK/3DK 99,000円〜693,000円
3LDK/4DK 131,000円〜1,122,000円
4LDK/5DK 165,000円〜1,320,000円
  • 部屋の広さや思い出の品の捜索、一日完了のご要望などによって範囲を超えることもある
  • ゴミ屋敷清掃などの特別に遺品やゴミが多い場合は、金額範囲を超えることがある
  • リサイクルや買取が可能な遺品があれば、上記金額よりも安くなるケースもある
  • 見積もり後の追加料金は一切なし

その他、実際にかかった特殊清掃料金や金額が不透明になる理由、ぼったくり被害に遭わない方法などについては「特殊清掃料金について」で、詳しく解説しています。

まとめ!孤独死現場の遺品整理なら特殊清掃業者

孤独死部屋の片付け清掃なら特殊清掃業者に依頼すべき

孤独死があって消臭作業が必要な特殊清掃現場の遺品整理について徹底解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

遺体から発生する臭い程度によりますが、なるべく孤独死が起きた部屋の遺品整理は、特殊清掃業者に依頼されることをおすすめします。

なぜならば、どんなに遺品整理がきちんとできても悪臭や異臭が残るようなら、後に問題になり、追加料金や余計な時間がかかるケースが、ほとんどだからです。

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