遺族から頂いた孤独死の後始末の依頼事例と悲惨な孤独死現場

私たちラストクリーニングには、孤独死した人の遺族から突然連絡があり、その部屋の後始末を頼まれたケースが多数あります。

その孤独死の後始末の依頼件数は、創業から数えると3000件をゆうに超えています。

その実際の経験を踏まえながら、この記事では「孤独死があった際の後始末までの対応手順」と「その後始末をしなければならない人」などについてお伝えします。

目次

私たちは特殊清掃の専門集団です

まずは、私たち特殊清掃業者ラストクリーニングについて、簡単に箇条書きで説明させて頂きますね。

  • 2006年1月創業の老舗業者
  • 電話相談件数は15000件以上
  • 特殊清掃の実績は3000件以上
  • お客様満足度は90%以上
  • 消臭剤知識と消臭技術に長けています
  • 対応地域は関東1都6県

孤独死発見から葬儀までの基本的な流れ

はじめに、孤独死発見から葬儀までの流れを時系列順にまとめてみましたのでご覧ください。

孤独死現場の後始末までのフローチャート

孤独死現場が空き家の場合はこの流れとは異なる

誰が孤独死現場の後始末を行うかの判断基準

⑨の孤独死が起きた部屋を一般の人が後始末することは、下記3つの理由でかなり難しいと言わざるを得ません。

  1. 細菌感染によって健康を害することがあるから
  2. キチンと死臭の消臭ができないだから
  3. 大家さんや不動産会社が納得しないから

上記3つの理由から、基本的に孤独死部屋の後始末は、特殊清掃業者に依頼されることをおすすめしますが、置かれている状況によっては、自分でやれる可能性がありますので、その判断ができるように比較表を作成してみました。

「自分」or「 特殊清掃業者」の判断比較表

判断項目  YES NO
お金に余裕はない? 自分でやる 特殊清掃業者
死後2日以内か? 自分でやる 特殊清掃業者
大家からの承諾は? 自分でやる 特殊清掃業者
距離は近いか? 自分でやる 特殊清掃業者
精神的にタフか? 自分でやる 特殊清掃業者

上表の判断項目で1つでもNOがある場合は、迷うことなく特殊清掃業者に孤独死部屋の後始末を依頼するようにいたしましょう。

私たちが行った孤独死後の後始末事例

次に、実際に私たちが行ったある孤独死現場の後始末事例をお伝えしますね。

孤独死後の部屋はこの様な衝撃的な状態です

遺体があった箇所が過酷にもグロテスクに黒く汚れて恐怖を感じる

遺族からの話では、警察から「孤独死して2〜3ヶ月経過している」と言われたとのことでした。

遺族のお話では、大型連休前に連絡がなかったので珍しいなとは思っていたが「まさかこんなことになるとは夢にも思っていませんでした」と言われていました。

まずは死臭の発生を抑える消臭剤を噴霧します

防護服と防護マスクで防備して遺体から出た腐敗体液がこびりつく汚物に消臭剤を噴霧

やはり死臭がキツイ状態と軽減された状態とでは作業効率も変わってきますので、キツイ場合は先に消臭剤を噴霧します。

因みにあまり死臭が発生していない場合は、濡れて手元が悪くなるので、この消臭剤噴霧は行ないません。

遺族からは「あまり遺品は少ないが、何か思い出の品になる物があれば取っておいて欲しい」と言われました。

腐敗して固まった体液を大まかに取り除きます

防護服を着用しながら遺体から染み出した腐敗体液を専用工具を使って除去

塊となった腐敗体液が付着したままで、畳を撤去すると、搬出途中で剥がれ落ちて、死臭を他の箇所にも広めることになるので、撤去前に8割程度の腐敗体液は取り除いておきます。

遺族のそばにいた私に向かって「こんなことになるのなら、いつものように連休を一緒に過ごす約束をしていれば、もしかしたらこんな事態は防げたのでは…」と後悔されていました。

畳を撤去して下地の腐敗体液も取り除く

遺体から漏れ出た腐敗体液が床や畳下まで達している

上記写真の様に、畳上で孤独死された場合は必ずと言っていいほど、畳下の下地まで腐敗体液は達しています。

当然この場合は、下地の撤去かもしくは工具や洗剤を使って丁寧に腐敗体液を洗い除く必要があります。

この頃になると、遺族の方もだいぶん落ち着かれたようで、黙々と作業をする私たちをじっと見つめられていました。

フルリフォーム予定のため洗浄除去のみ

リフォーム業者の現場作業員への病原体感染の予防とコロナ対策のためにも丁寧に除去します。

大家さんからの申し出で、特殊清掃完了後に、部屋内の壁や床、天井も含めてフルリフォームされるとのことだったので、リフォーム業者が作業できる程度の消臭でよいとのことでした。

そのため、今回は下地の撤去を行わず、腐敗体液の洗浄除去だけを行ないました。

ここまで部屋が様変わりすると、一区切りできたようで、遺族の方から「本当に大変なお仕事ですね。本来は私がしなければならないのに」と、私たちを気遣われていました。

当社独自配合の消臭薬剤を噴霧

除去できない遺体からの腐敗体液に消臭剤を噴霧。腐臭が消えない場合はオゾン脱臭する事も。

その後は、孤独死清掃専用の消臭消毒剤に当社独自の配合を施した薬剤を噴霧しました。

まだ下地の中に腐敗体液が残っているので、100%消臭とまではきませんが、リフォームの解体作業は十分にできる状態にはなりました。

搬出した遺品の中からアルバムや貴重品などを遺族に手渡すと、生前の姿を思い出されたようで「もっと頻繁に連絡を取っていれば、こんなことには…」と、再び涙ぐまれていました。

孤独死現場の後始末作業は完了

まだ遺体の痕跡は残っているが、この現場はここで片付ける作業を完了。

上記写真が孤独死の後始末を終えた状態です。薬剤が乾燥すると共に、死臭はもっと消臭されて見栄えもよくなります。

この状態を見られた遺族の方は、ほっとされたようで、「本当にありがとうございました」と感謝の言葉をいただきました。

孤独死~後始末の基本的な対応手順

ここでは、賃貸住宅で孤独死があったことを想定して後始末完了までの基本的な対応手順をお伝えします。

【手順①】孤独死発見者が警察へ連絡

孤独死後始末:ドアから死臭が漏れ、警察に電話

通常は、隣の住民から死臭等で苦情があり、不動産会社・大家が遺体を発見して警察に連絡します。

【手順②】警察や不動産会社からあなたへ連絡

孤独死後始末:警察官から電話

警察は、莫大な個人情報を所持していますので、それを元にあなたへ連絡します。

または入居時に記入した緊急連絡先または連帯保証人の連絡先を元に不動産会社からあなたへ連絡が入ります。

【手順③】葬儀の手配とその終了

孤独死後始末:葬儀の様子

お付き合いのある葬儀社があれば、そこに連絡して手配をお願いします。

どの葬儀社ともお付き合いがなければ、インターネットで「葬儀社 地域名」と検索すれば多くの葬儀社を見つけることができます。

【手順④】孤独死があった部屋の清掃

遺体から漏れ出た腐敗体液が床や畳下まで達している

賃貸住宅であれば、早いうちに部屋の消臭や生活用品の片付けなどをしなければなりません。家賃の支払い状況にもよりますが、通常はその月の末日までに部屋の清掃を完了させます。

特に孤独死の消臭は、通常のハウスクリーニング業者ではできませんので、気をつけましょう。

【手順⑤】様々の届出や手続きの実行

銀行口座や健康保険、年金、公共料金などの届出や手続きが必要になります。

そのままにしておくと、あなたにも思わぬ不利益を被ることもありますので、必ず届出や手続きを行っておきましょう。

孤独死の後始末をしなければならない人について

そして、賃貸部屋での孤独死の後始末をしなければならない人に順位を付けてお伝えします。

【1番目】連帯保証人

連帯保証人には、入居者の生活を監視、管理する義務があります。

そのため入居時に連帯保証人になった人は、孤独死という結果を招いた一次的な責任があるということで、孤独死部屋の後始末をしなければなりません。

【2番目】相続人

連帯保証人の所在不明だったり、支払い能力がない場合は、二次的な責任がある相続人が孤独死部屋の後始末をしなければなりません。

分かりやすく言いますと、孤独死部屋の後始末費用も借金にように亡くなった人のマイナス遺産の1つで、それを相続した人には、その責任があるということです。

相続人が複数いることもある

相続人が一人だけということもありますが、よく調べると、他にも相続人がいることが結構あります。

その場合は、孤独死部屋の後始末費用なども複数人で支払うことになるので、一人あたりの負担が少なくて済みます。

相続人の範囲は、配偶者・子(孫とひ孫)父母(祖父母)・兄弟姉妹(甥と姪)などにあります。より詳しい相続人の範囲は、 http://isannsouzokuninn.com/ をご覧ください。

【3番目】部屋の所有者

部屋の所有者の場合は、孤独死部屋の後始末をしなければならないというより、せざるを得ないと表現したほうがいいでしょう。

自己所有の部屋なので、連帯保証人や相続人がいない場合や対応してもらえない場合は、自分でその部屋の後始末をせざるを得ません。

多くの人の悩みとは

ほとんどの人が、最も悩み、不安になる点は「孤独死があった部屋の後始末」ではないでしょうか。孤独死があった部屋では、必ず独特の臭いがする死臭が発生しています。

この死臭は通常の掃除では決して消臭されることはありません。そのため、次項目でお伝えする専門業者に依頼するほうがいいでしょう。

孤独死現場の消臭や後始末を専門にする業者がいます

孤独死があった部屋の消臭や後始末をする業種を「特殊清掃」といわれています。約10年前からこの特殊清掃を専門にしている業者も登場し始めています。

通常の清掃業者は、見た目を綺麗にすることに主眼をおいて清掃作業を行なっています。

特殊清掃業者とは

一方 特殊清掃業者は、孤独死部屋に漂う死臭を消臭することに主眼をおいて後始末や清掃作業を行なっています。

孤独死部屋の清掃などの後始末に迫られている人は「優良な特殊清掃業者が行なっている9つの作業内容」で、特殊清掃業者が行なっている作業内容等を確認してみてください。その違いは歴然です。

業者に連絡する前にすべきこと

必ず、警察に部屋を清掃してもいいことの承諾を得てください。

もしも、この承諾を得ず業者に依頼すると、事件性が疑われる死亡の場合、あなたもその業者も捜査妨害等で、取調べを受けることにもなり兼ねません。

最悪の場合には、殺人犯扱いになることもありますので、必ず警察の承諾を得てから、業者に連絡をするようにしましょう。

孤独死現場の後始末費用

孤独死の後始末費用 60,500円~550,000円

※総額

後始末費用の内訳

腐敗体液除去
汚染物撤去
27,500円~220,000円
害虫駆除 16,500円~55,000円
消臭消毒 16,500円~275,000円
  • 遺体発見までの日数や亡くなった箇所、腐乱状態等によってどうしても金額に大きな幅があることはご了承ください。
  • リフォーム費用は含まれていません。
  • 1部屋分の費用目安です。
  • 遺品回収の費用は含まれていません。

より詳しく料金目安の内訳などを知りたい人は「特殊清掃の料金について」で、その内容をお伝えしています。

ボッタクリ業者と優良業者の見分け方

孤独死後始末:業者の選び方:悪魔と天使

孤独死部屋の後始末を業者に依頼するなんて、一生のうち、何度もあるわけではありませんよね。一体、どのような業者に依頼すればいいのか、全く検討も付いてないのではないでしょうか。

そんなあなたのために「特殊清掃業者について」で具体的なボッタクリ業者と優良業者の見分け方をお伝えしていますので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

孤独死部屋の後始末に迫られた際に、知っておくと役立つことをお伝えしましたが、お力になれたでしょうか。

もしもあなたが該当者ならば、まずは特殊清掃業者に相談されることをおススメします。

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