死臭清掃を行っているプロが教える消臭のコツと費用の相場

死臭 清掃

身内の孤独死や事故死などで、まだ悲しい気持ちが癒えない中、諸事情によりすぐに清掃しなければならないことはとても辛いですよね。

しかしそんな心情でも現実には、その死臭をなんとか清掃しなければならなくて、一体何をどうしていいやら全く分からなくてお困りではありませんか。

そこで、今日は、業者が行なっている死臭の清掃方法と1円でも安く死臭を消臭清掃する方法などをお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。

業者が行なっている死臭の清掃方法

ここでは、自分で死臭を清掃してみたけどあまり消臭できない場合や、そもそも清掃自体、自分ではできない場合を想定して、業者が行なっている死臭の消臭方法をお伝えします。

孤独死の死臭

孤独死があった部屋の死臭清掃は、特殊清掃業者が行ないます。

特殊清掃業者とは、ハウスクリーニング業者では、決して対応できない遺体があった部屋を専門に清掃消臭する特殊な技術を持った専門業者のことです。

害虫駆除

まずは害虫駆除から作業開始

死体があったフトンなどに、ゴキブリやウジ、ハエを発生していれば、殺虫剤を使用して害虫を駆除します。

極力、取り逃がしがないように掃除機で吸うこともあります。特にウジはタタミと同系色で気づきにくいので、注意深く駆除します。

腐敗体液の付着物の撤去

悪臭がする品を搬出して片付け

フトンやタタミ、マットレスなど直接、遺体が触れていた物は、全て二重三重に梱包して搬出、回収します。

その際に腐敗体液が、例え僅かでも他箇所に付着しないように細心の注意を払って行ないます。

床や壁などの拭き取り作業

床の体液をきちんと洗浄し状況によっては解体

遺体から流れ出て腐敗体液が付いた床や壁などの撤去できない物は、入念に拭き取り作業を行ないます。

雑巾やブラシ、コテ等の道具を使用して僅かの腐敗体液も取り除きます。

注意
敷居の隙間やフローリング自体等に深くまで染みこんで、物理的に拭き取り作業ができず消臭が出来ない場合は、要望があればリフォームも行ないます。

消臭剤の散布(該当箇所)

消臭除菌剤をしっかりと噴霧

腐敗臭(死臭)専用の特殊な消臭剤を拭き取りした箇所へ散布します。拭き取り状況によっては、たんぱく質を除去する薬剤を散布することもあります。

生活用品を整理後、搬出処分

悪臭がする家財は買取不可能なので処分

遺体があった箇所だけ消臭しても絶対に部屋から死臭を消臭することは出来ません。

その理由は、部屋にある家電や家具などの生活用品にも腐敗臭が付着しているからです。この生活用品を整理し、搬出処分することを遺品整理といいます。

詳しい遺品整理の方法は「遺品整理業者63社を徹底比較|口コミと悪徳業者の見分け方」で、その詳細をお伝えしています。

簡単な清掃

簡単なハウスクリーニング程度の掃除

カーテンレールや照明の傘、長押などのホコリを落とし、ホウキや掃除機で綺麗にします。このホコリにも腐敗臭が付着しているので、部屋の隅々まで清掃します。

消臭剤の散布(部屋全体)

幅広い範囲に散布するのがポイント

腐敗臭(死臭)専用の特殊な消臭剤を床や壁はもちろん、天井まで部屋全体に散布します。

その散布量は、多くても少なくても消臭力に影響しますので豊富な経験が必要です。そして消臭剤の成分が落ち着く(約30分間)まで待機します。

消臭確認

作業員が異臭の有無を直接確認

遺体があった箇所はもちろん、他の床や壁、窓などにも実際に1cmぐらいまで鼻を近づけて、死臭の有無を確認します。

鼻が死臭の刺激に慣れてくると判断がしにくくなるので「外に出る→新鮮な空気で鼻をリフレッシュさせる→鼻を近づけて消臭確認」を何度も何度も繰り返します。

死臭消臭が確認できたら次の消毒剤の散布へ進みます。

消毒剤の散布(部屋全体)

腐敗臭を消臭できても遺体特有の細菌が残っている場合もあります。そのため、部屋全体に専用の消毒剤を散布します。

再度、消臭確認

作業員が異臭の有無を直接確認

最後にキチンと消臭できているかどうかの最終確認をします。その方法は、上記と同じく何度も何度も部屋中の至る箇所に鼻を近づけて確認します。

消臭できていなければ、その原因を突き止めて再度消臭消毒作業を行ないます。

ペットの死臭

ペットの死臭は、死後の経過日数にもよりますが、通常はハウスクリーニング業者が行ないます。その一般的な清掃方法は次の通りです。

死臭清掃:ハウスクリーニング業者

エアコンからの死臭

エアコン内部でネズミが死んで、そこから死臭が発生することがあります。そのようなエアコンの死臭清掃は、もちろんエアコンクリーニング業者が行ないます。

死臭清掃:エアコンクリーニング業者

注意事項

いくら、その道の業者が丹念に清掃しても死臭が消えないこともあります。まるで亡くなった人や動物の霊が存在をアピールしているかのように。

文字通り、原因不明の死臭で、この業界では、暗黙の了解になりつつあります。その場合は、どうしても部屋のリフォームやエアコンの新品交換が必要になることもあります。

私が体験した孤独死の死臭清掃の事例3つ

ここでは、特殊清掃業者として、私が体験した孤独死された箇所別に死臭清掃の事例3つを挙げてみました。

体験談① 布団中で起きた孤独死の死臭清掃

亡くなった人の息子さんからの死臭清掃の依頼でした。上記写真でお分かりになるように就寝中に何らかの原因で突然死されたようです。

遺体の腐敗体液が人型に残っているので、あまり苦しまれることなく、亡くなったようですね。

この方の場合は、スリムな体系だったため腐敗体液が少なく布団を回収すると、ベッド下の床までは浸透していませんでした。

そのため、後は遺品整理をして部屋全体に消臭剤を散布するころで死臭はほぼ消えました。

因みに、ふくよかな体型の人が孤独死された場合は、床は勿論のこと床下や、最悪の場合は下階部屋の天井まで腐敗体液が流れていることはあります。

体験談② トイレで起きた孤独死の死臭清掃

アパートの大家さんからの死臭清掃の依頼でした。故人には全く身寄りがいなくて、大家さんご自身で原状回復をされるとのことでした。

警察からは死後1ヶ月程度経過していると言われたようですが、私たちの経験ではもう少し長い期間経過しているように感じました。

まずは、固まった腐敗体液を薬で溶かし取り除いていきます。特に排水溝の隙間や角になっている箇所に付着している腐敗体液を徹底的に洗浄します。

その後、該当箇所近くまで鼻を近づけて死臭の元である腐敗体液の有無を確認し専用の消臭剤を散布します。まだ死臭が残っている場合はこの作業を消えるまで繰り返します。

体験談③ 風呂場で起きた孤独死の死臭清掃

入浴中に持病の発作を起こし、亡くなられたようです。バスタブの水はドス黒く変色していましたが、まだゼラチン化されていなかったので、そのまま排水することができました。

もしもゼラチン化されていれば、排水栓を抜いても詰まるだけですので、バケツなどを使って手作業で取り除くことになります。

この現場では、バスタブ以外の箇所にほとんど腐敗体液の付着が無かったため、バスタブと排水管を徹底的に清掃することで、9割以上の死臭を消臭することができました。

後は、浴室内全体に死臭専用の消臭剤を散布して、ほぼ100%消臭することができました。

死臭の消臭に使える消臭剤の紹介と市販の消臭剤について

この項目では、あなたもネット購入できる死臭消臭できる消臭剤とホームセンターなどで市販されている消臭剤の効果について述べています。

死臭を消臭できる消臭剤はこの4つ

現在では、インターネット上でも死臭の消臭にも対応している消臭剤が販売されています。

私たち業者はもっと強力な消臭剤を使用していますが、死臭の発生量によっては有効な場合もありますので一度試してみるのもいいかもしれませんね。

①アンチダメージビーズ消臭剤

死臭消臭:アンチダメージビーズ消臭剤1

高濃度な残留臭対策に利用できるビーズタイプの中和消臭剤です。

パッケージを開封すると消臭剤の香りが広がりますが、香りで悪臭をごまかすタイプの消臭剤とは違い、設置後消臭剤と悪臭が反応すると香りが分解されます。

・価格:2,980円(消費税込み・2kg)
・購入先:http://www.e-ecos.com/
紹介した理由
サイトでは、死臭消臭もできると記載されている割には少量で少額から注文できるので、一般の人にも扱いやすかったため。

②コロンパウダー・コロンタブレット

死臭消臭:コロンタブレット

○警察の検死後の遺体撤去後の部屋や現場近所に漂う死臭の脱臭対策の除菌消臭剤として使用します。

<注意> 警察の検死後、遺体撤去後にご使用ください。遺体がある部屋及び遺体そのものには効果が期待できません。また、異臭が強く発生しますので使用できません。

○遺品整理やリフォームをやりやすくするため、作業前の除菌消臭剤として使用します。

○遺品整理後やリフォームやその途中での仕上げの遺体臭の除菌消臭剤として使用します。

・価格:5,200円(消費税込み・30g×4個または100g)
・購入先:http://ansei-support.com/
紹介した理由
サイトにお客様の消臭事例があり、粉末と固形、液体の3タイプがあって使い方までサポートしてもらえるからです。

③ストロングミスト消臭剤

こんな時にどうぞ!!特殊清掃業・遺品回収業者様・建築業等原状回復に伴う、死臭、腐敗臭、動物死臭、火事臭、線香のニオイ、ゴミ屋敷清掃、水害後物件など清掃、りフォーム、消臭剤噴霧がおすすめです。

死臭除去消臭剤ストロングミスト消臭剤は安全で簡単に使えます。遺品回収業者様、特殊清掃業者様など、作業中など人が生活している場所に置いて頂いても問題ありません。(微細粒子噴霧で大量に撒く場合はマスクなどしてください)

又、作業後、の作業着などに付着した残留臭にも効果的で業者の方に喜ばれております。

【消臭施工サービスに対応!!】10倍以上濃縮タイプだから現場で、たっぷりと使用出来ます!!

・価格:3,100円(消費税込み・500ml)
・購入先:http://store.shopping.yahoo.co.jp/
紹介した理由
値段はそこそこ高めですが、ヤフーショッピングに掲載されておりレビューも良いものが多かったので、その消臭効果が高そうだったため。

④強力バイオ消臭剤

おもてなしの消臭剤、悪臭=主な臭いの成分は4つ、アンモニア・トリメチルアミン・メカルブタン・硫化水素。市販の多くの消臭剤がマスキングタイプで臭いが混ざり悪臭になることが、バイオスタートは悪臭の原因の有機物をバクテリアにより水と二酸化炭素に分解。

バクテリアは対象物が乾燥するまで活発に働き続くため、市販の消臭剤と違い、消臭効果が長く続きします。

バイオスタートに配合されているバクテリアは安全性が極めて高く、国内の専門機関で安全性が認められています。大手電鉄や動物園でも採用されています。

バイオスタートには、界面活性剤とバクテリアが配合されており、まず臭いに対し界面活性剤が素早く作用、その後バクテリアが持続性を発揮し臭いの元の有機物を環境に無害な水と二酸化炭素に分解します。

主成分のバクテリアは、納豆菌の仲間を中心とした安全性の極めて高い善玉バクテリア。バクテリアは有機物を食べることにより15分~20分に一度細胞分裂を繰り返し増殖します。

バクテリアはバイオフィルムという微生物膜を形成し、持続性を発揮します。

・価格:1,296円(消費税込み・500ml)
・購入先:http://store.shopping.yahoo.co.jp/
紹介した理由
死臭消臭専門ではありませんが、安全性が極めて高く国内の専門機関で安全性が認められており、既に大手企業でも利用実績があるからです。

市販されている家庭用/業務用の消臭剤は駄目

ホームセンターやドラッグストアで売られている消臭剤は、別の香りで誤魔化すかまたは空気中に漂っている匂いを吸収することで消臭効果が得られる仕組みになっています。

つまり遺体の腐敗体液が床材やクロスの中まで染み込んで強烈な臭いを放つ死臭には、その消臭効果を十分に得られる仕組みになっていません。

何故ならば死臭の発生元である腐敗体液に何らかの処理をするわけではないからです。市販されている家庭用の消臭剤は、あくまでも空気中を漂っている臭いに一時的な消臭効果があるに過ぎません。

業務用の消臭剤もあまり効果はない

それならばアマゾンや楽天などで売られている業務用消臭剤なら大丈夫かと言えば、家庭用消臭剤よりかは消臭効果はありますが、どうしても死臭は残ってしまいます。

そのわけは死臭を発生させている細菌を分解する薬剤があまり含まれていないことと、一般の人では死臭の発生元である腐敗体液を完全に取り除く技術がないからです。

死臭清掃の料金目安

ここでは、私たちラストクリーニングの死臭清掃つまり特殊清掃の料金目安をお伝えしますね。

孤独死の死臭=特殊清掃業者

料金目安 60,500円~550,000円(総額)

※死臭の程度によって大きな差があります。

ペットの死臭=ハウスクリーニング業者

料金目安 3,000円~64,000円/40㎡以内

※死臭の程度によって大きな差があります。

エアコンからの死臭=エアコンクリーニング業者

料金目安 6,800円~12,000円/台

1円でも安く死臭を消臭清掃する方法

もちろん業者よりも自分で死臭を消臭清掃すれば、1番安く死臭を消臭できます。

しかし生理的にどうしても自分でできない人もおられると思いますので、自分でする方法と業者に依頼する場合に分けて、1円でも安く死臭を消臭清掃する方法をお伝えします。

自分でやるペットの死臭清掃の方法

ペットの死臭は、臭いの程度によりますが、死骸を回収して、アルコール消毒と家庭用消臭剤を散布すれば、死臭が消えることもあります。つまり通常の清掃でも十分な場合もあります。

注意点は、その際 絶対に芳香剤を散布しないことです。いくら香りで誤魔化しても、死臭の元を断たないと、時間の経過とともに再び死臭が目立つようになるからです。

またペット死亡からある程度日数が経過して、死臭が酷い場合は、はやり個人(自分)では、手に負えないので特殊清掃業者等に依頼することをおススメします。

ペットの死臭以外は自分で清掃をしないほうがいい

孤独死とエアコンの死臭清掃は、極力自分でされないほうがいいでしょう。もちろんそれには、ちゃんとした理由があります。それは以下の2つです。

自分でエアコン清掃=壊れる可能性が大

エアコンは電子製品です。そのため、水には大変弱いです。エアコンクリーニングの知識とある程度の経験がないと、絶対に水を掛けてはならない箇所に掛けてしまい、エアコンを壊してしまうのが関の山です。

また壊さないまでもエアコン内部を隅々まで清掃できないので、どうしても死臭が残ってしまうでしょう。

自分で孤独死清掃=高確率で死臭が残る

孤独死があった部屋を自分で清掃しようとされる人は稀ですが、たとえ自分で死臭を消臭清掃しようとされても、はやり自分でされないほうがいいでしょう。

その理由は、死臭が残ってしまうからです。人間は、草食とも肉食とも違う雑食動物のため、その遺体はこの世のものとは思えないほどの強烈な悪臭を放ちます。

その清掃や消臭には、特殊な消臭剤と豊富な経験で得た清掃技術が必須です。そのため、孤独死部屋は、個人(自分)で清掃、消臭されても決して死臭が消えることはありません。

業者に依頼する場合

金額が低い業者に依頼すれば、いいわけではありません。なぜならば、キチンと死臭が消臭清掃されていなければ、いくら金額が低額でも安くはないですからね。

そこで気をつけなければならないのが、消臭技術を持ってない悪徳業者の存在です。業者依頼で1円でも安く死臭を消臭清掃するには、悪徳業者を回避することが必要不可欠です。

その具体的な回避方法は「特殊清掃業者について」で詳しくお伝えしています。

まとめ

この記事では、死臭の清掃方法と、それを1円でも安くできる方法等をお伝えしましたが、いかがでしたか。

もしも、この記事をお読みになって少しでもあなたの力になれたのでしたら、うれしいですね。

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