特殊清掃員が語る孤独死で腐乱状態になっている現場レポート

孤独死 腐乱

身内が孤独死の腐乱遺体で発見されてしまい、まだショックでうろたえている中、腐乱した遺体があった部屋ってどんな様子なのだろうか、または今後はどうなるのだろうかと色々想像してうろたえていませんか。

今日は、そのうろたえを少しでも取り除くことができるよう、孤独死によって遺体が腐乱した現状レポートを通じて、孤独死発見後にしなければならない事と孤独死現場の清掃について、基本的なことをお伝えします。

それを知っておくと、うろたえやショックは少しは低減されるでしょう。

ラストクリーニングは特殊清掃の専門集団です

まずは、私たちラストクリーニングについて、簡単に説明させて頂きますね。

創業は2006年1月の老舗業者

特殊清掃という言葉は2006年の4月頃からネットで検索されるようになったのですが、私たちラストクリーニングは、その以前から特殊清掃サービスを提供してきました。

2005年以前にも遺品整理サービスの一環として、遺体があった部屋の清掃サービスを行なってきましたが、これからは高齢者の孤独死が増えるのではということで、2006年1月から本格的に特殊清掃サービスに力を入れてきました。

電話相談件数は15000件以上

2006年当時は、特殊清掃を専門にしている業者はほぼゼロだったため、2021年までの15年間で、特殊清掃の相談を受けた電話は15000件を越えています。

そのうち6000件以上は、実際に現地に伺って見積もりを行なってきました。無論全ての相談者から特殊清掃を依頼されたわけではありませんが、電話相談だけでも特殊清掃や不動産対応に関する簡単なアドバイスで、お力になっていると自負しています。

特殊清掃の実績は3000件以上

2021年6月時点で、私たちラストクリーニングが創業からの特殊清掃を行なってきた現場数は3000件を越えています。

およそ2日に1回は遺体があった部屋などを消臭清掃してきた計算になりますが、各現場ごとに真摯に対応して、日々遺族や大家さんのために、汗をかきながら特殊清掃を行なってきました。

お客様満足度は90%以上

その日々の努力の結果と思われますが、特殊清掃を依頼されたお客様の多くから「匂いが消えて助かった」とか「本当にありがとう」などの言葉をいただいております。

特殊清掃を実際に行なっている仲間の3人からの報告では、90%以上のお客様には喜んで頂いて満足されているようです。

残り10%のお客様にも満足してもらえるよう、4人で情報を共有して、電話対応や見積もり時の態度、消臭効果の改善を試みています。

消臭剤知識と消臭技術には長けています

このようにして過去15年間の特殊清掃の経験から、人が亡くなった後に発生する死臭の消臭剤と現場ごとで状況が異なる消臭技術には絶対の自信があります。

特殊清掃の目的は、部屋の見た目をキレイにするハウスクリーニングではなく、死臭をいかにゼロ近くまでにする消臭力です。

特殊清掃の業者選びで失敗しなくない人は、下記リンクをタップして、ぜひ私たちラストクリーニングに無料相談をしてみて下さい!

孤独死で遺体が腐乱した形跡レポート

夏場であれば2~3日、冬場でも5~7日で孤独死した遺体は腐乱が進みます。亡くなった人の体質や部屋の環境、経過日数により腐乱程度は様々です。

具体的には、死亡により体内で細菌が繁殖して、やがて肉体が腐り、その腐敗体液が体外に流れ出て強烈な死臭を発生させます。

その死臭を嗅ぎ付けたハエやゴキブリ等がその腐乱した遺体を貪り産卵し、さらにその数は増していきます。

イラストや文字では、その惨状をお伝えするのは難しいので、実際に腐乱遺体があった箇所の写真をお見せしながらレポートいたします。

腐乱遺体があった箇所の写真①

「親族が孤独死した部屋の清掃をしたいで見積もりをして欲しい」との問い合わせ電話があり、直ちに現場に駆けつけました。到着すると、玄関前に遺族の男性を見つけることができました。

遺族の方に詳しくお話を聞くと、元々持病があった男性が就寝中に亡くなったようです、ほんの数週間前までごく普通に生活をしておられたとのことで、かなりショックを受けられていました。

遺体現場の状況は、上記写真でお分かりになるように、ベッドの中で亡くなられていて、警察からは死後1〜2週間経過していると言われたそうですが、腐敗体液が床まで達してなかったので、遺体の腐乱はあまり進んでいませんでした。

私たちが行なった孤独死清掃の内容は下記5つです。

  • ベッドの回収処分
  • 布団の回収処分
  • 貴重品や思い出の品の捜索
  • 遺品全ての回収処分
  • 部屋全体の消臭消毒

この孤独死現場は、そんなに死臭が発生していなかったので、管理会社と相談してうえで、壁のクロスや床材の張り替えなどのリフォームは行いませんでした。

孤独死清掃が終わった後に、片付けられた部屋を見ながら、遺族の方はもっと早く気付いてあげれればと悔やまれていましたが、苦しんだ様子はなく眠るように亡くなったようなので、それだけが救いとのことでした。

腐乱遺体があった箇所の写真②

ある日、すごく不機嫌な口調で「入居者が孤独死してしまったので見積もり金額が出してくれ」との問い合わせ電話があり、とにかくすぐに来て欲しいとのことで、指定されたアパートまで急いで行きました。

到着すると、電話時の雰囲気が違って、とても物腰が柔らかい口調で「ラストクリーニングさんですか?」と私たちに近付いて来られました。やはりここのアパートの大家さんでした。

大家さんの話では、家賃の支払いがなく連絡もつかないので、アパートの管理人が確認のため入室したところ、トイレで亡くなっていたのを発見されたようです。

上記写真でお分かりになるように、トイレで孤独死されて発見までに長い日数が経っていたので、かなり腐乱が進んでいて得体の知れない害虫も多く発生していました。

見積もり金額を提示するとお願いしたいとのことでしたので、すぐに下記の孤独死清掃を行いました。

  • 腐乱体液の除去
  • トイレ内の汚物回収
  • 害虫駆除
  • 便器の壁と床、天井、ドア周りの徹底清掃
  • 排水溝の清掃と消臭
  • トイレ全体の消臭消毒

因みにユニットトイレの場合は、余程特殊なケースでない限り、リフォームまでする必要になることはほぼありません。99%以上は徹底的に腐乱体液を取り除いて消臭すれば元通りに原状回復できます。

会計を済ませた後に、大家さんは「孤独死した人には身寄りのないため清掃費用や告知義務はどうすればいいのか?」と頭を抱えられていました。

腐乱遺体があった箇所の写真③

よく聞き取れないほどの小さな声で「姉が孤独死してしまったので風呂場を清掃して欲しい」との依頼電話があり、所在地を聞いて、翌日の朝一番に現場に向かいました。

到着したことを携帯電話で知らせると、今向かっているとのことで待っていると、それらしき女性が現れたので声を掛けると依頼者でした。

依頼者からの話によると、約1ヶ月前に入浴時の寒暖差によるヒートショックが原因で亡くなられたようです。発見した時は、顔はもちろん身体全体が異様に膨れていてすぐに本人とは分からなかったとのことでした。

上記写真でお分かりになるように、ふくよかな体型の女性だったらしく死後1ヶ月ぐらい経過しているためか、バスタブに大量の腐敗体液が流れ出て、水はドス黒く変色していて強烈な死臭が浴室内に充満していました。

私たちが行なって孤独死清掃の内容は下記5つです。

  • 腐乱水の排出
  • ユニットバス内の品物の回収処分
  • バスタブの徹底清掃
  • 排水溝と排水管の清掃と消臭
  • ユニットバス全体の清掃と消臭消毒

ユニットバスもトイレと同様に、余程特殊なケースでない限り、リフォームまでは必要なく完全に腐乱体液を除去して、排水周りを徹底的に清掃消臭すれば、元通りに原状回復できます。

腐乱遺体があった部屋の清掃方法

次に、次項目でお伝えする孤独死部屋専用の清掃業者が行なっている基本的な清掃方法をお伝えします。

ハエやゴキブリの駆除

ハエやゴキブリなどの害虫は、清掃作業中に動き回って作業に支障が出ますし、さらに近隣に逃げてしまう恐れがあるので、最初に駆除します。

腐乱遺体が触れていた物の撤去

悪臭がする品を搬出して片付け

腐乱遺体が触れて、腐乱体液が付着しているフトンや畳などを撤去して、大まかに死臭の元を断ちます。この撤去作業で死臭の50%は消臭できます。

腐乱体液の除去

床の体液をきちんと洗浄し状況によっては解体

付着物を撤去しても取れない床などに付着した腐乱体液をブラシ等で除去します。とにかく死臭消臭には、ほぼ100%臭いの元を断つことが大原則です。

遺品の整理

悪臭がする家財は買取不可能なので処分

一般の人は、あまりご存じではありませんが、腐乱体液だけを除去しても100%死臭を消臭できません。

なぜならば、約20%の死臭は、腐乱体液は付着していない遺品や壁、天井にも移っているからです。そのため、遺品を整理し処分することは不可欠です。

孤独死専用の消臭剤の使用

幅広い範囲に散布するのがポイント

該当箇所や部屋全体に孤独死専用の消臭剤を使用します。必ずすべての箇所に消臭剤を噴霧することが重要です。

僅かでも噴霧していないと、そこから死臭が部屋全体に漂ってきます。それほど死臭の臭いは強烈です。

消毒剤の散布

死臭がキチンと消臭されても、まだ腐乱遺体から発生した細菌が残っていることも考えられます。そのため、必ず消毒剤の散布も行なっています。

孤独死発見後にしなければならない3つの事

この項目では、孤独死を発見した後に、誰かがしなければならない主な3つのことをお伝えします。

①警察への連絡

警察へ連絡すると、すぐに警察の検死課が来て、孤独死した状況の調査と記録(現場検証)になります。

そして事件性の有無を確認するため家宅捜索も行なわれます。その際、腐乱した遺体は、警察に一旦引き取られ、死因を突き止めるため検死が行なわれます。

さらに、詳しい警察の動向に興味がある人は http://menzine.jp/  をご覧ください。

②連帯保証人や相続人への連絡

ここでは、賃貸住宅と持ち家とに分けてお伝えします。

賃貸住宅の場合

賃貸住宅での孤独死は、不動産管理会社や大家が連帯保証人に連絡して、部屋を確認してもらいます。

その後、主に腐乱遺体で汚染された部屋の復旧費用や遺品の処遇について話し合いが持たれます。

詳細な連帯保証人の責任範囲などを知りたい人は http://ihinseiri-dai8.jp/hanreisyuu/ で、お伝えしています。

持ち家の場合

持ち家での孤独死の場合は、警察が戸籍等の情報を辿って相続人に親族が死亡したことを連絡します。

そしてその相続人は孤独死現場を確認し、安置所にて本人確認を行なうことになります。

③孤独死した部屋の清掃や遺品整理

賃貸住宅の場合、部屋の清掃や遺品整理は、次の入居者募集のために必須です。また未払い家賃等があれば、連帯保証人または相続人がその支払いもしなければなりません。

一方、持ち家の場合は必須ではありませんが、多くの場合は同様に部屋の清掃や遺品を整理しなければなりません。その理由は、近所への体裁と腐乱臭の消臭のためです。

孤独死で腐乱した形跡をそののままにしておくと、周りであらぬ噂が立ったり、死臭が漂っているなどと近所から苦情が出て、相続人にとっても資産価値が下がることがあり、決して好ましい状況にはなりません。

孤独死現場専用の清掃業者がいる

孤独死 特殊清掃

前出の孤独死部屋を専用に清掃を行なう業者のことは「特殊清掃業者」と呼ばれています。

この特殊清掃業者は、死臭消臭に関するノウハウや経験を豊富に持っているので、通常のハウスクリーニング業者とは全く別業者と考えたほうがいいでしょう。

この特殊清掃業者と通常のハウスクリーニング業者との違いについては「特殊清掃について」でお伝えしています。

 

特殊清掃の費用目安

ほとんどの業者では作業開始前の料金は相談無料

ここでは、平均的な特殊清掃費用の目安をお伝えします。詳しい費用金額は、必ず個々の業者見積りのうえ、ご確認ください。

特殊清掃 60,500円〜550,000円
  • 遺体発見までの日数や亡くなった箇所、腐乱状態等によってどうしても金額に大きな幅があることはご了承ください
  • 原状回復リフォーム費用は含まれていません
  • 家具の処分などの遺品整理料金は含まれていません

特殊清掃費用の内訳

腐敗体液
汚物除去
27,500円〜220,000円
害虫駆除 16,500円〜55,000円
消臭除菌 16,500円〜275,000円

後悔しない特殊清掃業者の選び方

前項目でお分かりになるように、特殊清掃の費用は高額になりがちです。その理由は簡単です。

一般の人はこの仕事に就きたがらないので人件費が高騰していることと、汚染された物の処分費が高額だからです。

高額な特殊清掃を依頼する際に気になるのが、ボッタクリ業者やしっかりと死臭消臭できない悪質業者の存在ですよね。

そこで、具体的な後悔しない特殊清掃業者の選び方を「特殊清掃業者について」でその詳細をお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。

まとめ

今日は、孤独死の現状について基本的なことをお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。少しでもあなたの不安感が取り除けたのであれば幸いです。

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