「死体があった部屋の清掃ってどんな感じなのだろうか?」または「そんな人が嫌がる死体現場の清掃なら、仕事が見つけやすいのではないか?」と、死体清掃というキーワードで検索し、情報収集をされている最中ですよね。
しかし、具体的にどんな現場での仕事になるのか?仕事先の探し方も今ひとつはっきりと把握していないのではないでしょうか?
この記事では、写真付きで死体現場の清掃事例と、死体現場専用の清掃会社の給料などについてお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。
私たちが行った死体現場の清掃事例
まずは、写真付きで孤独死で亡くなった人の死体現場の清掃事例をを詳しくお伝えいたしますね。
孤独死で死体発見まで1ヶ月以上も経過していた
ちょっと見えにくいですが、敷布団と枕には死体から滲み出た腐敗体液がベットリと付着していました。
死臭の元である腐敗体液付着物を回収する
まずは、腐敗体液が付着した掛け布団や敷布団、枕などの汚染物を回収します。運び出す際に、他の箇所に付着させない様に、厳重に袋詰めしてから行ないます。
発見が遅かったため畳まで腐敗体液が浸み出していた
発見までの日数や亡くなった人の体型、室内温度により、今回の様に厚めの敷布団2枚敷いてあっても、下の畳まで腐敗体液が達していることはよくあります。
この現場は、まだ残暑の厳しい季節だったので、ウジ虫も湧いていました。
死臭消臭のため畳を撤去した
今回は、依頼者の要望により全ての畳を撤去しましたが、腐敗体液が付着している畳だけを撤去するケースもあります。
無論、運び出しの際は、腐敗体液が他の箇所に広まらない様に、該当箇所にビニール袋や毛布などで養生をしてから、注意を払いながら行ないます。
最後に消臭剤と消毒剤を噴霧を噴霧する
この後に、畳下の木製下地部分と部屋全体に、特別調合した消臭剤と消毒剤を噴霧して、死体現場清掃の仕上げとなります。
死体現場の清掃で遺族が後悔した体験談
次に、死体があった部屋の清掃を遺品整理業者に依頼されて、遺族が後悔された体験談3つを挙げています。
【レポート①】まだ死臭が部屋中に漂っている
見積もり時に部屋を確認すると、さすがに遺品整理専門者に依頼されたとのことなので、荷物はもちろんのこと、水回り箇所も綺麗に片付けられていました。
しかし、部屋には何とも言えない臭いが残っていて、それがどうしても気になって、作業後に遺品整理業者に相談されたとのことでした。
遺品の整理には満足されていたようですが、遺品整理業者の担当者曰く、あくまでも遺品整理業者ですので、死臭の消臭はサービス外とのことで対応してもらえなかったようで、私たちに特殊清掃の依頼をされたようです。
確かに、死体があった部屋にはまだ鼻を刺すような死臭がわずかに残っていたので、死臭専用の消臭剤を用いて作業を行いました。
無論私たちは特殊清掃業者なので、今回は死臭の発生元の特定が難しく時間が掛かりましたが、部屋はほぼ無臭になりました。
遺族との関係性
亡くなった妹とはすごく仲が良かったので、まだその部屋に妹が彷徨っているようでやり切れない気持ちになられていたようです。
こんなことなら、もっと独り身の妹と頻繁に連絡をするようにしておけばよかったと後悔されていました。
死臭の消臭とともに、妹さんもあの世に旅立ったような気がして、ちょっとだけ気持ちが前向きになられたようです。
【レポート②】高額な処分料金を追加請求された
遺品整理を依頼して数日後、担当者より次のような電話連絡があったとのことでした。「この部屋では人が亡くなっていますよね。その場合は追加料金が発生しますので請求されてもらいますね。」
請求書を見ると、なんと特殊作業のオプション代として50万円も追加で請求されたとお電話で相談されました。
私たち特殊清掃の立場からすると、いかに言っても50万円は高過ぎですし、仮にそんな高額な追加請求をするぐらい死臭が多かったのなら、一般の作業者が室内で作業ができるとはとても思えません。
私も以前に遺品整理をメインにしている時期があったのですが、ゴミ屋敷みたいなケースも少なからずあるので、そんな高額請求するほどの清潔感が満載の遺品整理業者はまずいないでしょう。
きっと高級な遺品が多かったため、ダメ元で高額請求している悪質な遺品整理業者ではと思われます。
遺族との関係性
ほとんど会ったことがない親戚の孤独死だったので、とてもそのような高額な料金を払う気持ちになれずに今も遺品整理業者と交渉中のようです。
確かに縁遠い亡くなった親戚のために、50万円は払いたくない気持ちになるのは分かりますが、人が亡くなっていることを伝えなかった相談者にも多少落ち度はあると思うので、全く追加請求無しってわけにはいかないでしょう。
【レポート③】勝手に床を解体されてリフォーム代が掛かった
遺品整理が済んだがちょっと相談があるとの連絡があったので、まだ死臭が残っているのだなと思って部屋を確認しに行くと、遺体が横たわっていた床部分だけが解体されていました。
びっくりしてその事情を聞くと、不衛生で作業がしにくいので、遺品整理業者が腐敗体液が付いている床を解体して取り除いたとのことでした。
確かに死体があった部屋の清掃経験があまりない遺品整理業者からすると、今回のような一部解体をしたくてなる気持ちは分かりますが、それなら前もって依頼者と大家さんに了解を得てから行うのが、まともな業者ですよね。
こういう一部解体しても、無論まだ部屋には死臭が残っているので、特殊清掃の費用が追加で掛かってしまいます。
事後報告されて一応は納得したが、後で大家さんに高額なリフォーム代を払う羽目になり、こんなことだったらはじめから遺品整理も特殊清掃業者にお願いすべきだったと言われていました。
遺族との関係性
孤独死したのは資産家の義理父親だったので、リフォーム費用は一旦私が払って、後で遺産をお金に変えて事なきを得ましたが、実質的には、妻を含む相続人3名で費用を負担しているので、それだけ相続額が減ったことになります。
血の繋がりがない私は、全く負担を強いられることはなかったですが、妻はちょっぴり後悔しています。しかし今は供養代だったと思ってあまり気にしていないようです。
死体現場清掃には専門業者があり人員を募集している
死体そのものの清掃は、葬儀会社や医療機関、警察が行なうのが一般的ですが、死体の痕跡がある部屋などの現場を清掃することは決してありません。
また死体から放たれる死臭を嫌い、通常のハウスクリーニング業者も死体現場の清掃を請け負っているところは皆無でしょう。
特殊清掃業者の登場
そこで、近年では、そのような特殊な部屋を清掃する専門業者が登場しています。その業者は「特殊清掃業者」と呼ばれていて、部屋の中で充満している死体の腐敗臭を消臭し清掃する技術に長けています。
近年は超高齢化と核家族化の影響からか孤独死が激増しているので、特殊清掃業は脚光を浴びている業界と言っても過言ではないでしょう。
その特殊清掃業者が行なっている清掃方法については「真面目な特殊清掃業者が行っている9つの作業内容」で、詳しくお伝えしています。
特殊清掃会社への求人の探し方へ
ここ数十年間、孤独死の件数は増加傾向にあります。そういうわけで、特殊清掃会社では求人を募集しているところもあるようです。
特殊清掃はあくまでも清掃なので、まずは見習いアルバイトとして採用されて、経験やノウハウを得てから、正社員として採用されるという流れが多い様ですね。
因みに、世間体を考えてか募集職種に特殊清掃と書かれていることはほとんどありません。通常は清掃業とかハウスクリーニングと書かれているケースが多いようですね。
時給単価は高いが収入にバラツキがある
因みにアルバイト時の給料計算方法は、時給または現場ごとに決まられている場合がほとんどです。時給なら2,000円~3,500円が相場で、リーダー格の責任者で現場あたり20,000円~40,000円ぐらいが相場ではないでしょうか。
月収としては現場数によって大きく差がありますが、100,000円~500,000円といったところではないでしょうか。
アルバイト求人で、より採用されやすくなる方法を「特殊清掃のバイトに採用されるアピールについて」で、お伝えしています。本気で特殊清掃会社で仕事をしたい人には、必見情報です。
死体現場清掃を業者に依頼するときに気をつける点
今、この記事をご覧のほとんどの人は、死体現場の清掃業者に依頼をしたことはないのではないしょうか。その経験がなければ、当然不安になりますよね。
特にこういう清掃って高額になりそうだし、悪徳業者の数が多いように感じますよね。
そこで、少しでもその不安や不信感を取り除いていただくために、特殊清掃業者に依頼する際に気をつけるべき重要な3点を挙げてみました。
- 悪徳業者がやっていることを知る
- 特殊清掃料金に定価はない
- 悪徳の基準は死臭消臭効果で判断すべき
より詳しい死体現場の清掃を業者に依頼するときに気をつける点は「特殊清掃業者について」でお伝えしています。ぜひ業者選びの参考にしてください。
まとめ
今日は、実際に私たちが行なった死体現場の清掃事例と遺族が後悔された体験談、死体現場専用の清掃会社の募集情報などをお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
特殊清掃会社に就職希望の人は、生半可な気持ちでは勤まらない仕事であることは間違いありませんので、もう一度よく考えてから具体的な職探しの行動をしましょう。