親族が集まる法事の席で「うちは跡継ぎがいないから将来お墓はどうしよう?一層のこと墓じまいにするか」と話題になったのではありませんか。
そして「もしも実際に墓じまいすることになったらどうすればいいのだろう?」と思われていますよね。
そんなあなたのために、このページでは、墓じまいをする3大理由とその実際の様子、それに基本的な墓じまいの手続きとその必要書類についてお伝えしていますので、ぜひ知っておいてください。
墓じまいとは
墓が無縁墓になる前に墓を解体・撤去し、墓地は更地に戻すことを「墓じまい」といいます。
納骨堂や共同墓、散骨などには、墓や墓地がないので「墓じまい」はありません。
「墓じまい」の多くは、寺院墓地などにある墳墓で行なわれています。
墓じまいの改葬件数は年々増加している
厚生労働省の衛生行政報告例という統計によりますと、ここ数年は毎年7万件から8万件ほどの改葬がおこなわれており、年々微増傾向にあります。
平成25年度にいたっては前年比で10%以上も増加しています。改葬とは、墓石や遺骨の引越しのことです。墓石の引越し後や遺骨のない墓地は、当然墓じまいになります。
墓じまいに至る3大理由
この項目では、墓じまいをせざる得ない主な3つの理由をお伝えしています。
【理由①】墓参りが困難になってきたから
近年の高齢化に伴い、墓参りする人も高齢になり墓までの移動が体力的に辛く、また墓参りの準備等が困難になり墓じまいに至るケースがあります。
【理由②】跡継ぎや墓守がいないから
少子化の影響によって、親族に女性の子どもしかおられない場合、将来誰も墓を継ぐ人や墓守をする人がいなくなる可能性が高くなるので、今のうちに墓じまいをされる人もいます。
【理由③】金銭的負担が大きいから
墓参りの費用や墓清掃などの維持管理費等は、年間で計算すると結構な金額が掛かります。
以前は当たり前のように負担されていましたが、近年では祖先を敬うために費用負担をすることにためらう人が増えているようです。
ほとんどの場合は、1つの理由からというよりも上記3つの複合的な理由により、墓じまいをされるケースが多いでしょう。
実際の墓じまいの様子
ここでは他サイトですが、実際に墓じまいを行なっているわかりやすい写真と動画がありましたので、ご紹介いたします。
墓じまいの写真
墓じまいの動画
墓じまいの手続きの流れと必要書類
墓じまいの基本的な考え方
墓じまいをする際、墓石などは最終的には廃棄になりますが、遺骨そのものは絶対に廃棄することはできません。そのことは墓地埋葬法で決められています。
つまり墓じまいをするためには、遺骨を必ずどこかに移動しなければなりません。そしてその受入先も決めなければなりません。遺骨の移動のことを法律用語で「改葬」といいます。
では、一般的な手続きの流れと必要な書類は以下のとおりです。ただし海に散骨を行なう海洋散骨による墓じまいは除きます。
①受入先の決定
まずは、遺骨の移動先つまり受入先を決める必要があります。
一般的には親族の他の墓や永代供養墓などがあります。受入先は決まったら受入することを証明する書類を取得しておきます。
必要書類 | 入手先 |
受入証明書 | 遺骨の受入先の管理者より発行してもらいます |
②現在遺骨が埋葬されていること証明する
遺骨を改葬(移動)させるわけですから、遺骨が埋蔵されていることを書類で示す必要があります。
必要書類 | 入手先 |
埋葬証明書 | 現在埋葬している墓地管理者から発行してもらいます |
③今遺骨がある地域の役所へ改葬許可申請書をもらいに行く
自治体によって必要書類が異なりますので必要書類の確認をおこなってください。
改葬許可申請書に必要事項を記入して改葬許可証の申請へと進みます。
必要書類 | 入手先 |
改葬許可申請書 | 役所の窓口に伝えれば用意していただけます |
④改葬許可証の取得
改葬許可申請書、受入証明書、埋葬証明書などの必要書類を役所に提出して改葬許可証を申請し、取得します。
必要書類 | 入手先 |
改葬許可証 | 書類に不備がなければ役所の窓口で発行していただけます |
⑤受入先に改葬許可証を提出する
受入先に埋葬する際に役所から発行された改葬許可証を提出して、埋葬の手続きをおこないます。
必要書類 | 入手先 |
上記の改葬許可証 | 遺骨の受入先 |
注意
この改葬許可証を取得、提出してから墓石の撤去、閉眼供養などをはじめましょう。
なぜならば、万が一 改葬許可証を取得できなかった場合、その墓じまいが違法行為になる可能性があるからです。
墓じまいに関する主なトラブル
未然にトラブルを防ぐためにも、墓じまいに関する主なトラブルを3つ挙げていますので、ぜひ知っておいてください。
①親族とのトラブル
親族の中には「墓じまい=先祖を軽視する」と感じられる人もいます。
決して先祖を軽視しているのではなく金銭的な負担や体力的な問題であること、そして墓じまいした後の遺骨の供養先などを説明して、時間を掛けてしっかりと話し合いをしましょう。
墓じまいは、親族も納得してからはじめるのが基本中の基本です。ましては勝手に墓じまいをして事後報告するようなことは絶対に避けましょう。
②書類のトラブル
よくある書類トラブルに改葬許可証を発行してもらえないケースがあります。
その発行しない理由は、受入先が自宅などで埋葬施設が整っていないことが多いようです。
また特に寺院墓地の場合、墓じまいされると檀家を減るので意図的に埋葬証明書を出さないこともあるようです。
③ 金銭のトラブル
金銭トラブルには、主に次の2つがあるようです。
墓石墓地の解体費が高額
墓石墓地の解体は、通常石材店が行なっていますが、墓じまいは石材店の立場からでは、その人からの最後の依頼になります。
つまり墓石の解体後は、その人とのお付き合いはほとんどなくなるわけです。
そうした理由から高額な解体費を見積りする傾向が強くなっているといわざるを得ません。
必ず複数社から見積りを取りましょうと言いたいのですが、寺院墓地や霊園などであらかじめ決められた石材店しか依頼できないようですので、僧侶や管理者に確認してみましょう。
離檀料の存在
悪徳僧侶の中には、離檀料として100万円以上も請求することもあるようですが、法律的には離檀料というものは存在しません。存在しないのですから当然支払う義務もありません。
参考元:http://改葬.jp/離壇料の法的根拠.html
しかし、墓じまいの際に閉眼供養などを行なわれている場合は、お布施としていくらかは支払うべきでしょう。その金額目安などは次項目をご覧ください。
墓じまいの費用目安
ここでは、一般的な墓じまいに掛かる費用の目安をお伝えします。
基本費用(墓石撤去処分費用/更地費用)
1㎡の墓地 | 80,000円(税込み) |
2㎡の墓地 | 160,000円(税込み) |
3㎡の墓地 | 240,000円(税込み) |
4㎡の墓地 | 320,000円(税込み) |
特殊撤去の費用目安
撤去作業の難易度によって、追加で掛かる費用目安です。
やや難 | 15,000円×墓地面積 |
難 | 23,000円×墓地面積 |
供養のための墓石運搬設置の費用目安
片道20kmまで | 31,500円(税込み) |
片道20km~50km | 52,500円(税込み) |
片道51km~99km | 84,000円(税込み) |
片道100km以上 | 50kmごとに15,750円(税込み)を追加 |
同じ園内・墓地内 | 21,000円(税込み) |
遺骨のお届け費用目安
片道20kmまで | 無料 |
片道20km~50km | 15,750円(税込み) |
片道51km~99km | 26,250円(税込み) |
片道100km以上 | 50kmごとに5,250円(税込み)を追加 |
各種手続き代行の費用目安
お寺様・墓地管理者との交渉 | 30,000円~ |
受入証明書の取得 | 20,000円~ |
埋葬証明書の取得 | 20,000円~ |
改葬許可申請手続き | 30,000円~ |
廃墓・返還手続き | 20,000円~ |
閉眼供養立会代行・お寺様への謝礼 | 50,000円~ |
参照元URL:http://www.bluemileu.com/
閉眼供養のお布施目安
お布施金額の目安 | 10,000~50,000円+お車代 |
※ただし、別途離檀料を請求される場合があります。
※墓じまいする際に行なわれる供養は、閉眼供養といいます。
参照元URL:http://en-park.net/
まとめ
この記事では、墓じまいに至る理由とその実際の様子、基本的な墓じまいの手続きと必要書類、それに墓じまいに掛かる費用目安などについてお伝えしましたが、参考になったでしょうか。
このページが少しでもお役に立てたのでしたら幸いです。