身近な人の身内が亡くなり、お墓について「永代使用料が結構高額で参ったよ」と聞かされて「永代使用料って何?」と気になっているのではありませんか。
今回は、その永代使用料について、基本的なこととその金額相場をお伝えします。
また知っておかないと損をする永代使用料が掛からない方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
永代使用料とは
一般的には、墓地取得や霊園申込みの際に、一度だけ支払うのが永代使用料と呼ばれています。
つまりこれから代々に渡って、墓地や霊園の区画を使用する権利を得るために支払うお金のことを永代使用料といいます。
決して墓地や霊園の区画を所有できない
よく永代使用料に「永」という文字があるので、永遠に無期限で使用できるから実質所有しているのと同じだと思われる人がいらっしゃいますが、所有とは大きく異なります。
その理由は永代使用料の「代」にも注目してください。
永代とは明確な定義はないそうですが、ここで言う永代とは寺院などの運営者が存続している限り、または祭祀(お墓や墓地など)を相続している人がいる限りの意味になります。
永代使用権は消滅することもある
つまり、寺院等の運営者が無くなったり、祭祀の相続人が不明になれば、その使用権は消滅します。
その期間は、数年先なのか数十年先、数百年先、数千年先なのかは誰にもわかりません。
因みに、使用権が消滅すると、お墓は撤去されてその区画は整理されて、遺骨は合同無縁墓に移されるようです。
よくある永代使用料の勘違い
ここでは、世間でよく勘違いされている永代使用料のポイントを3つお伝えしています。
永代供養料とは異なる
永代使用料とよく混同されるのが永代供養料です。
永代供養料とは、遺骨を預かり(後に合祀して)永代に渡って供養する料金です。支払い方法は、はじめに一括で支払うのが普通です。
通常は、墓地ではなく納骨堂や永代供養墓に対する支払いで、永代使用料と二重に支払うことはありません。
ただし納骨堂等では、永代使用料の名目として支払うこともありますが、実質は永代供養料も含むと捉えていいでしょう。
ポイント
- 永代使用料=墓地・霊園
- 永代供養料=納骨堂・永代供養墓
- 基本的に両者を同時に支払うことはない
年間管理料とは異なる
マンションやアパートを賃貸した場合と同様に年間管理料を支払うことになります。
これは、永代使用料や永代供養料とは別途支払いです。共有施設の維持費等に使われる費用です。
1年ごとに支払うのが普通ですが、3年~5年ごとに支払うケースもあります。
返金や転売はできない
何らかの理由で墓地や霊園を使用しなくなったので、寺院などの運営者に永代使用権を返却しても、永代使用料が返金されることはありません。
なぜならば、申込書の特約事項や申込み時に渡された使用規則等に返金できないことが書かれているからです。
また所有しているわけではありませんので、転売や別の目的で使用することもできません。
永代使用料の金額相場
ここでは、墓地や霊園の永代使用料の金額相場をお知らせしています。
ただし運営者や設備、所在地等によって大きな開きがありますので、あくまでも目安として捉えてください。
永代使用料
墓地・霊園(全国) | 60万円〜100万円 |
墓地・霊園(関東) | 20万円~200万円 |
参照元URL:https://www.sougi.info/
その他の金額相場
永代供養料 | 10万円~30万円 |
年間管理料 | 5千円~2万円 |
参照元URL:https://www.ishichou.co.jp/
参照元URL:https://ohaka-sagashi.net/
金額相場に大きな幅がある理由
この項目では、上記のように相場金額に大きな幅がある主な4つの理由をお伝えします。
【理由①】所在地の違い
宅地購入と同じで、交通の便がよいところにあるほど永代使用料は高くなります。
そのため、都市部にある墓地や霊園では、かなり高額な永代使用料になることもあります。
【理由②】占有面積の違い
当然ですが、区画面積が広ければ高くなり、狭ければ安くなります。
また宅地購入と同様に墓地や霊園内でも入り口から近いとか、日当たりが良いとかで金額が異なることもあります。
【理由③】 設備の違い
特に霊園では、駐車場の大小やトレイや休憩所、葬儀会場の有無等の設備の違いによって金額に大きな違いが出ることもあります。
【理由④】公営と民営の違い
墓地や霊園には、県や市区町村が運営者となっている公営のものもあります。
その場合は当然利益を追求しないで、住民へのサービスが目的になっているので、運営者が民間のものより永代使用料は安くなっています。
永代使用料に関する予備知識
ここでは、知っておいて損はしない永代使用料に関する予備知識2つをお伝えします。
【予備知識①】ボッタクリ金額の可能性もある
どの業界でも悪徳業者はいます。寺院だから安心とは限りませんし、県や市区町村から管理運営を任されている業者だから間違いないとは言えません。
設備やサービス管理が他より劣っているにも関わらず、高額な永代使用料を提示しているところもありますので、十分に比較検討してから申込みしましょう。
【予備知識②】永代使用料を払わないで済む方法もある
ここでは、自宅保管以外に永代使用料や永代供養料を払わないで済む唯一の方法をお伝えします。
それは下記でお伝えしている「海洋散骨」です。
海洋散骨とは
砕いた遺骨を海に撒いて供養する方法が、海洋散骨です。
当然墓地や施設を取得するわけではありませんので、永代使用料や永代供養料は掛かりませんが、無論散骨の費用は掛かります
海洋散骨を行なっている会社の一覧サイト
↓
https://www.kaiyoso.com/list/
まとめ
今回は、主に墓地の永代使用料について、基本的なこととその金額相場、永代使用料が掛からない方法等をお伝えしましたが、参考になったでしょうか。
家族や自分の墓地選びで後悔しないように、しっかりと永代使用料についても勉強しておきましょう。