特殊清掃のプロの私が見た凄惨な遺体現場と詳細レポート

遺体現場

私たちは、特殊清掃の専門家として3000回以上は遺体現場に足を運んできましたが、その中で、いくつも凄惨な孤独死の現場や悲しい自殺現場を目の当たりにしてきました。

そんな遺体現場の多くは、一般の人がまず嗅ぐことがないこの世のものとは思えない強烈な悪臭が充満しています。そして大量の腐敗体液に害虫が群がっていることも珍しくありません。

そこで、このページでは、私たちが特殊清掃を行なった遺体現場の写真とどのような対応を行ったか、一般の人が遺体現場を清掃すると後悔する理由3つをお伝えしています。

ネットで見つけた代表的な遺体現場の写真5つ

最初に室内で亡くなった際の代表的な遺体があった現場写真5つをお伝えします。遺体そのものがある現場写真は、故人を冒涜することになりますので省いています。

【遺体現場写真①】寝具の上

布団に少量の鮮血

自分の首をナイフで刺して自殺されたようでした。発見が早かったので、まだ血液は赤色を保ったままでした。

【遺体現場写真②】畳の上

お部屋の中は腐敗臭で充満していました。畳みの上で突然死されたようでした。

【遺体現場写真③】フローリングの上

お部屋の中に入ると死臭いが酷く、腐敗体液がフローリング下まで染みていました。

【遺体現場写真④】バスルームの中

入浴中に容態が悪くなり、バスタブ内でお亡くなりになったそうです。お湯はドス黒く変色しています。

【遺体現場写真⑤】トイレの中

トイレ床にはウジの死骸が大量に落ちていました。ほとんどが死骸でしたが、生きているウジがグネグネと動いていました。

遺体現場の多くは孤独死現場でもある

一般的に遺体現場と表現される場面には、主にその死因が下記3つのケースが挙げられます。

それら以外の原因で亡くなったケースで言うと、例えば病院で亡くなった場合に、その病室を遺体現場と言うことはありませんからね。

  • 孤独死
  • 殺人
  • 交通事故死

近年、殺人と交通事故死の2つは毎年減りつつありますが、反対に孤独死に関しては高齢化に伴い急激に増加しています。そのため、遺体現場の多くは孤独死現場と言って過言ではないでしょう。

孤独死とは、主に一人暮らしの人が親族など誰にも看取られずに突発的な疾病などで室内で死亡することを意味します。

その孤独死の現場は、夏場では死後2〜3日で、遺体が腐食しはじめて、部屋中に死臭が充満します。

遺体現場を清掃した体験談

次に2008年から特殊清掃業を営んでいる私が、遺体現場の清掃体験談を3つほど挙げてみました。

【体験談①】多量の睡眠薬の服用で眠るように亡くなっていた

特殊清掃現場

遺族の人の話では、睡眠薬を多量に飲んでの自殺だったようです。

死後1ヶ月以上経過してから発見されたので、遺体はかなり腐敗が進んでいて、現場には悪臭を放っていました。

【体験談②】リストカット後、廊下で死亡

日頃から人間関係に悩みがあったようで、トイレでリストカットして自殺を図ったらしい。

しかし、意識が朦朧とし始めて怖くなったからか、その場から離れて、廊下で彷徨いながら力尽きてしまったようです。

【体験談③】布団の中で孤独死して腐乱遺体に

元々持病があった男性が就寝中に亡くなったようです。遺族の話では、ほんの数週間前までごく普通に生活をしておられたとのことで、かなりショックを受けられていました。

もっと早く気付いてあげれればと悔やまれていましたが、苦しんだ様子はなく眠るように亡くなったようなので、それだけが救いとのことでした。

遺体現場のその後について

遺体現場である部屋を通常そのまま放置することはできないので、一般的には消臭や清掃をすることになります。

そこで、この項目では遺体現場の具体的な消臭清掃方法を9つのステップに分けてお伝えします。ちなみに私たちも基本的には下記の方法で死臭消臭や清掃を行っています。

①腐敗体液の付着物を搬出

悪臭がする品を搬出して片付け

遺体から染み出た腐敗体液が付着した物のうち、搬出できる物はすべて搬出します。その際に梱包できる物は、二重三重に梱包します。

その理由は、これ以上腐敗体液を広めないためです。また搬出作業時も床や壁に腐敗体液に付着しないように細心の注意を払いながら行ないます。

②害虫駆除

まずは害虫駆除から作業開始

冬場では、まれに全く害虫が発生していない場合がありますが、ほとんどの場合はゴキブリやハエ、ウジなどの害虫が発生いますので、極力逃がさないように殺虫剤や掃除機、ほうきなどで駆除します。

害虫駆除を行なわずに清掃作業をすると、ゴキブリやウジが逃げ回り、部屋中の至る所に腐敗体液を広めることになります。

③床や壁などの付着箇所を洗浄

床の体液をきちんと洗浄し状況によっては解体

腐敗体液が付いた床や壁などは撤去搬出できないので、丁寧にブラシや雑巾などで腐敗体液を取り除きます。

この取り除き作業をしっかりと丁寧に行なわないと、腐敗体液から発せられる死臭をキチンと消臭することは決してできません。

※畳やビニール床、クロス等は撤去します。

④腐敗体液の付着箇所の消毒消臭処理

消臭除菌剤をしっかりと噴霧

いくら丁寧に腐敗体液を取り除いても、直接 腐敗体液が触れていた箇所からは強烈な死臭が発生しています。

そのため遺体現場専用の消毒剤を使用して消毒処理を行ないます。その後、遺体現場専用の消臭剤を30分ごとに最低でも3回は噴霧します。

⑤腐敗体液の付着箇所の消臭確認

作業員が異臭の有無を直接確認

最近では、機械で消臭確認できるものもありますが、やはり人間の臭覚に勝るものはないと、私たちは考えています。

なので、鼻を付着していた箇所まで数センチまで近づけてキチンと消臭されたかどうかを確認します。

⑥遺品整理とその搬出

悪臭がする家財は買取不可能なので処分

一般の人でも遺体が直接触れていた箇所から死臭がすることは想像できると思います。

しかし実は、遺体発見までの日数や室温や湿度などによっては、全く腐敗体液が触れていない遺品からも死臭が発生することがあります。

あまりにも強烈な死臭が長期間部屋を充満していると、数メートル離れている遺品にも死臭が染み付いています。そのため遺体現場の清掃には、遺品整理とその搬出も必須です。

⑦部屋各所のホコリ取り

簡単なハウスクリーニング程度の掃除

遺体から離れた遺品に死臭が付いていることは、当然部屋にあるホコリにも死臭が付いていると思われます。

よって、照明の笠やカーテンレール、長押、押入れ、棚などのホコリをハタキや掃除機、雑巾などで取り除きます。

⑧部屋各所の消臭処理

幅広い範囲に散布するのがポイント

遺品搬出とホコリ取りの後は、部屋各所に消臭処理を行ないます。

その方法は遺体現場専用の消毒剤を噴霧し、その効果が発揮された後、次に遺体現場専用の消臭剤を噴霧します。

⑨部屋全体の消臭確認

作業員が臭気を判断

できる範囲になりますが、床や壁、押入れ、棚、窓枠、ドアなどの部屋各所に直接数センチまで鼻を近づけて消臭確認を行ないます。

もしも死臭が残っていたら、再度消毒消臭処理を行なって再び消臭確認を行ないます。万が一、それでも死臭が残っていたら、徹底的にその原因を探して消臭処理を行ないます。

【ポイント】遺体現場清掃は見た目ではなく消臭効果が決め手

遺体現場の清掃で一番重要なことは、キチンと死臭が消臭されているかどうかです。

なぜならば、死臭がキチンと消臭されていないと、ハウスクリーニング業者やリフォーム業者に依頼しても受付けてもらえず、いつまでも遺体現場はそのまま放置されることになるからです。

そうなると、賃貸住まいの場合は、大家から損害賠償を請求され…、持ち家の場合は、いつまでもその家を使用することができなくなります。

キチンと死臭消臭がされていれば、そのような問題もなくなります。

遺体現場清掃を一般の人がすると後悔する3つの理由

遺体現場も発見までの日数が短いとあまり遺体の腐食がなく、一般の人でも清掃ができるのではと思われることもあるようですが、一般の人が清掃されると、次の3つの理由で後悔することになるでしょう。

①消臭がキチンとできない

死臭消臭には、独特ノウハウと多くの作業経験がなければ、決してキチンとできるものではありません。

僅かの死臭でもその作業順序を1つでも間違えれば、清掃だけではキチンと消臭できなくなる可能性があり、リフォームが必要になってしまい、結果的にその費用が高く付くことになりがちです。

②大家(不動産会社)が了承しない

自分を大家の立場に置き換えると何となく理解できると思うのですが、一般の人が遺体現場となった部屋を清掃しても、なんだか死臭がまだ残っているように感じてしまいますよね。

そのため、多くの場合は、自分で遺体現場を清掃しても大家から了承されず、専門業者に依頼することになり、余分な手間と費用が掛かる可能性があります。

③精神的負担で体調不良になる事がある

一般の人とは、ほとんどの場合、亡くなった人の身内になると思います。そんな身近だった人の遺体があった部屋に入室することさえ躊躇するのが普通です。

ましてその部屋で長時間清掃することは、かなりの精神的負担になり、不眠や食欲不振などの体調不良を起こす原因にもなるでしょう。

遺体現場の清掃は専門業者に任せたほうがいい

そんな一般の人が行うと、デメリットが多い遺体現場の清掃は、その専門である特殊清掃業者に任せることをお勧めします。

ハウスクリーニング業者や遺品整理業者、ましては不用品回収業者では、後悔する可能性が高いといわざるを得ません。なぜならば、その死臭消臭の結果が格段に異なるからです。

遺体現場の清掃を専門にしている特殊清掃業者については、「特殊清掃の基本的な情報」で詳しくお伝えしていますので、気になる人は覗いてみてください。

まとめ

この記事では、遺体現場の具体的な清掃方法と一般の人が遺体現場を清掃すると後悔する理由、後悔しないためにすべきことをお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。

このページが、少しでもあなたのお力になれたのでしたら幸いです。

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