特殊清掃員になると必ず行く孤独死現場の写真とリアルな給料額

特殊清掃員になるには正社員ではなくバイトからがベスト

あなたは、近年 注目度が高くなっている特殊清掃員という仕事に興味があり、下記のような疑問をお持ちですよね。

  • どんな部屋で作業するのか?
  • 特殊清掃員の仕事の実態は?
  • リアルに給料はどれぐらい?

そこで、2008年から特殊清掃業界で活躍する私が、上記疑問にお答えしていますので「特殊清掃員になろうかな?」と思案中の人は、必ずこのページをご覧ください。

特殊清掃員の仕事イメージが分かる動画

まずは、当社在籍の特殊清掃員が「孤独死現場の消臭除菌」と「ゴミ屋敷の片付け」をしている実際の作業動画を掲載しますね。

あなた自身が、特殊清掃員の仕事に向いてるかどうかの判断材料の1つにしてください。

もちろん上記現場の依頼主様からは、動画撮影とホームページ掲載の許可を頂いています。

特殊清掃員の仕事現場のリアル写真

どんな部屋?特殊清掃員が仕事する現場について

特殊清掃員とは、孤独死などで亡くなった部屋の消臭除菌や片付けを仕事とする作業スタッフのことです。

仕事現場のリアルがわかるよう、特殊清掃員が仕事する可能性が高い順に、人が亡くなった間取りごとの現場写真を掲載しています。

【特殊清掃現場①】布団

ほとんど人型に腐敗した体液。最もお問い合わせが多い箇所は布団。

実際に孤独死が起きて、親族がお困りの部屋。

腐敗した体液が、亡くなってから長期間放置されていたため、布団に残っている。

【特殊清掃現場②】トイレ

常に特殊清掃のお問い合わせが多いトイレ

高齢の方がトイレで力んだ際に、急激な血圧変化があり、持病が悪化して亡くなったようです。

【特殊清掃現場③】お風呂

もちろん風呂についてのお問い合わせも多い

入浴した際に孤独死された写真です。

亡くなった人の血痕が浴槽や床についており、もちろん周辺には悪臭が充満していました。

【特殊清掃現場④】居室

状況に応じて消臭除菌以外にゴミ屋敷清掃も必要だった居室

畳の上で亡くなった遺体から漏れた体液が確認できます。ウジ虫も多数発生していました。

【孤独死現場⑤】廊下

実は廊下での孤独死についてのお問い合わせも多い

死因不明とのことでしたが、髪の長い女性が廊下で亡くなったようです。

腐敗体液の染みこみ状態によっては、フローリングの解体工事が必要になるケースもあります。

特殊清掃員がやっている仕事内容

特殊清掃員は、遺体があった孤独死現場をしっかりと消臭除菌できるよう、下記のような手順で仕事をしています。

①害虫駆除

ほとんどの特殊清掃現場ではまずはハエ、ウジ虫の駆除から作業開始

一番はじめの仕事内容は、ほとんどの現場では、害虫の駆除からです。

その理由は、害虫を駆除せずに消臭作業すると、ウジ虫などが逃げることで腐敗した体液や悪臭が広がるからです。

②汚染物の撤去

臭いがする遺品を搬出して片付け

次に行う仕事内容は、腐敗体液が付着している汚染物の撤去です。

ほとんどの孤独死現場では、腐敗した体液や血液が、布団や衣服はもちろん、畳やフローリングにも付いています。

そのため、他の箇所に腐敗した体液が広まらないよう気を付けながら、丁寧に遺品を搬出します。

③汚染箇所を洗浄して体液除去

体液の除去については必要な洗浄を丁寧にする

腐敗した体液がフローリングや壁に付着して撤去できない場合は、専用道具を使用しながら、しっかりと洗浄して除去します。

また腐敗体液の付着状態によっては、解体工事が必要になるケースもあります。

④消臭剤と除菌剤を噴霧

ほとんどの現場では消臭除菌の薬剤を噴霧する

その次の仕事内容は、汚染箇所への消臭剤と除菌剤の噴霧です。

この両方には、死臭消臭用の薬剤が含まれており、その消臭除菌力は、一般的な消臭剤と比較してかなり高いです。

⑤死臭の有無を確認

特殊清掃員が腐臭の有無を確認

作業スタッフが、鼻を汚染箇所に近づけて死臭の有無を確認します。

もちろん死臭が残っている場合は「汚染箇所の洗浄」と「薬剤の噴霧」を繰り返します。

⑥遺品整理と不用品処分

悪臭がする家財はリユース・買取が出来ないので処分。ただし貴重品は除く。

ほとんどの死臭は、ここまでの仕事内容で消臭されてますが、残った臭いは、衣服や家具などの遺品に染みついています。

そのため、遺品整理を行いながら貴重品や思い出の品などは保管して、不要な遺品は搬出して処分します。

⑦部屋を簡単に清掃

実は簡単な掃除も重要

ほとんどの現場では、死臭が部屋全体にも付いているので、掃除道具できれいに清掃します。

この簡単な清掃をしておかないと、どんなにしっかりと消臭除菌と遺品整理をしてもわずかに死臭が残ります。

⑧部屋全体に薬剤を噴霧

部屋全体に噴霧するのが重要

消臭除菌の薬剤を、床やクロスはもちろんですが、現場状況によっては、窓ガラスやドア、天井にも噴霧します。

また依頼者様からご希望があれば、その後にオゾン脱臭も行います。

⑨最後に消臭の効果を確認

現場責任者が臭気を判断

作業スタッフが、特殊清掃作業の完了後、臭いの有無を確認します。

具体的な確認方法は、床や壁、窓、その他あらゆる箇所に鼻を近づけて判断します。

もちろん、腐敗した体液が付いていた汚染箇所の臭い確認も再度します。

消臭作業だけが特殊清掃員の仕事ではない

特殊清掃以外のお問い合わせにも対応可能

実は「汚染物の処分」と「汚染箇所の洗浄」の消臭作業だけでは、特殊清掃員の仕事は完了しません。

その理由は、残された遺品や他の床や壁、天井にも死臭が染みついているからです。

よって、下記の作業も特殊清掃員に求められる仕事内容になります。

どの仕事内容も体力と精神力を要するので、ハウスクリーニングのような軽作業の仕事をお探しの人には、特殊清掃員をおすすめできません。

特殊清掃員がもらえる平均給料

実際にもらえる特殊清掃員の給料について

特殊清掃員の給料や年収は、遺品整理業者やゴミ屋敷業者などと比較して、どれぐらい高いのだろうか?と気になっていますよね。

そこで、バイトと正社員に分けて、入社時の特殊清掃員の収入相場を調べてみました。

アルバイトの日給と時給

日給 15,000円〜25,000円

上記金額は、特殊清掃員が1日でもらえるバイト収入の相場です。

仕事に慣れるまでは、試用期間として、日給15,000円以下の特殊清掃会社もあるようです。

時給に換算すると1,250円〜2,083円

実際に、勤務に必要な時間を下記12時間とすると、時給では1,250円〜2,083円になります。

孤独死現場での作業 8時間
休憩 1時間
現場までの移動 3時間
勤務時間 12時間

(15,000円〜25,000円)÷12時間
=1,250円〜2,083円

日給/時給ではかなり高収入

全国のアルバイト・パートの平均時給(2022年12月度)は1,177円ですので、特殊清掃員の時給は、非常に高いといえます。

平均時給の参考元

しかし、週休2日や週5日出勤のように、安定して特殊清掃の仕事が入るわけではないので、1ヶ月のバイト収入や年収は不明です。

正社員の月給と年収

給料・月給 20万円〜35万円

上記金額が、特殊清掃員が1ヶ月でもらえる給料の相場になります。

手取り額ではなく、厚生年金や社会保険料、所得税が引かれる前の月収です。

大企業の特殊清掃会社はないので、定期的な昇給はなく、上記を大きく上回る50万円〜60万円以上の給料は難しいでしょう。

年収は240万円〜420万円

(20万円〜35万円)×12ヶ月
=240万円〜420万円

特殊清掃業界は、経営が不安定な中小零細企業が大半ですので、ボーナスなしの基本給で計算しています。

特殊清掃の需要が、大幅に増えて業績が向上した場合は、賞与や歩合給が支給されることがあります。

給料/年収では若干低い

全国の平均給与(2021年度)は443万円ですので、特殊清掃員の給料/年収は少し低い傾向になります。

平均給与の参考元

正社員の給料が安い理由は、孤独死現場での作業がない日でも日給収入があるからです。

また近年になって、死臭を十分に消臭できない格安業者が多数登場してきて、適正価格の優良な特殊清掃業者が、価格競争で負けていることも要因でしょう。

昇給に役立つ資格や免許はない

特に事件現場特殊清掃士、遺品整理士、脱臭マイスターのの資格は求人に有利

スマホで「特殊清掃員 給料」と検索すると、資格があれば手当がプラスされて、給料が増える情報を見かけますが、その実態を紹介します。

特殊清掃員に有利な民間資格は3つ

特殊清掃で有利になると言われている民間資格に下記3つがあります。

資格名 団体名
事件現場特殊清掃士 事件現場特殊清掃センター
遺品整理士 遺品整理士認定協会
脱臭マイスター 日本除菌脱臭サービス協会

因みに学歴は不問ですが、特殊清掃員には普通自動車の運転免許が必須です。

求人に有利だが手当の大幅増加はない

上記3つの資格取得で、月に数千円程度の手当がもらえるケースはありますが、数万円以上の手当は難しいでしょう。

特に、すでにその資格を取得済みの人が在籍している会社では、1円も手当が出ない可能性さえあります。

しかし、履歴書に上記資格の1つでも書かれていれば、仕事への真剣度が伝わるので、採用率はかなり高くなります。

【手当が少ない理由】アピールが目的

これら民間資格は、ごく普通の人間なら、特殊な技術や知識がなくても、費用さえ支払えば誰でも取得できます。

また孤独死現場でのリアルな仕事では、民間資格なんて全く役に立ちません。

それでも特殊清掃業者の多くが、ホームページに資格証明書の画像を掲載しているのは、他社との差別化や安心感をアピールしているからです。

資格者がいるおかげで「売上増加」や片付け作業の効率が上がって「費用削減」になることはないので、給料は上がりません。

その他、詳しい特殊清掃員の待遇面や私の過去年収は「特殊清掃員の給料について」で、紹介しています。

特殊清掃員に向いている人と不向きなタイプ

特殊清掃員に「向いている人」と「不向きなタイプ」に分けて、その特徴をまとめてみましたので、ご覧ください。

特殊清掃員に向いている人

2008年から特殊清掃業を営んできた私の経験から分かったこの業界で活躍できる人のメンタル3つを挙げています。

【メンタル①】儲けることに興味が強い人

一般の方々よりも収入に興味がある人が向いているでしょう。しかし勘違いされないでください。

お金を使うことではなく、特殊清掃サービスを通じて、お客様から「ありがとう」と感謝された結果、儲かることに興味がある人が向いていると思います。

その理由は、究極にきつい・汚い・危険の仕事だが、多くの現場で仕事すれば、実は高収入も十分に可能だからです。

【メンタル②】仕事内容がきつい・汚い・危険でも耐える人

消臭や遺品整理だけでなく形見の捜索も重要な仕事

極度にきれい好きな人は、孤独死で汚染された部屋での作業には耐えられないでしょう。

だからといって、どんな汚れや臭いも気にならない人も向いていません。

汚れを見たら「きれいに片付けてやるぞ!」と、やる気になる人が向いていると思います。

【メンタル③】お困りごと解決への使命感が強い人

特に正社員には必須な心構え

遺体があった部屋をそのまま長期間放置すると、リフォーム業者に依頼できず、ずっと空室になり、依頼者様がお困りになる上に、環境面でもよくありません。

そんな部屋の片付けは、故人への供養のためにも、誰かがしなければならないのです。

「だったら私がやろう」と強い使命感を持てる人が、特殊清掃員に向いているでしょう。

特殊清掃は、故人への尊厳とご遺族様へ寄り添う気持ち、社会貢献などの使命感なしでは、決して長続きできる仕事ではありません。

特殊清掃員に不向きな人

次に、特殊清掃の仕事に就かない方がよい人のタイプ4つを挙げてみました。

1つでも当てはまる人は、特殊清掃員になられても長続きしないので、他の職種を探されることをおすすめします。

【タイプ①】現場写真だけで身構える

このページの孤独死現場写真で、精神的に強いストレスを感じた人は、特殊清掃員には向いていないでしょう。

その理由は、実際の現場では、腐敗体液やウジ虫などよりも、ショッキングな死臭が部屋全体に充満しているからです。

死臭を知らない人への説明は難しいのですが、その臭いショック度は、孤独死現場写真の十倍以上でしょう。

遺体の痕跡写真ぐらいで強いストレスを感じるようでは、とても特殊清掃の仕事で社会貢献はできません。

【タイプ②】腐臭・悪臭に敏感でない

特殊清掃を依頼される最大の目的は、遺体が腐敗して部屋全体に漂う死臭の消臭除菌にほかなりません。

そのため、臭いの中でも、特に腐敗臭に敏感でない人は、特殊清掃員に向いていません。

なぜならば臭いが残った際に、その発生元がわからないため、追加の消臭除菌や洗浄作業などに対応できないからです。

【タイプ③】掃除・整理・片付けが苦手

実は、体液洗浄や消臭脱臭、ウジ虫駆除などの特殊清掃だけでは、しっかりと部屋を消臭除菌できないケースもあります。

その理由は、部屋全体に死臭が染みつき、遺品や壁、床、ドア、窓などにも臭いが残っているからです。

そのため、掃除や整理、片付けが苦手な人は、死臭をしっかりと消臭できない可能性が高くなるので、特殊清掃員に不向きといえます。

【タイプ④】体力に自信がない

特殊清掃は、腐敗体液の汚染箇所や染みこみ程度によっては、腰を曲げた辛い姿勢で長い時間、作業することもあります。

さらに2階以上の特殊清掃現場では、重たい遺品を持って何度も階段を下りるきつい片付け作業もあり、かなりの体力が必要になります。

そのため、体力に自信がない人も特殊清掃員には向いていないでしょう。

特殊清掃員になるには?

特殊清掃員になれる応募方法についてのまとめ

ここまでページを見られたうえで、特殊清掃員になりたいと思われた人に向けて、求人情報や就職に関する情報をまとめてみました

  • 就職活動の開始前に知っておくべきこと
  • 特殊清掃員を募集している求人窓口
  • 面接の問合せをする前に確認すべきこと
  • 最も採用されやすいお問い合わせ方法
  • 特殊清掃会社に就職した後の注意点

さらに特殊清掃員の応募方法などのお役立ち情報を詳しく知りたい人は「特殊清掃の求人について」で、ご確認いただけます。

今怖気づいている人は特殊清掃員にはNG

まずは正社員ではなくバイトがおすすめ

特殊清掃員の仕事場となる現場写真や死臭消臭の作業手順、平均給料、特殊清掃員に最も大切なメンタルなどを紹介しましたが、どう感じられたでしょうか。

このページを読まれた後でも、特殊清掃の仕事に興味がある人は、特殊清掃会社やハローワークにお問い合わせや応募をしてみましょう。

因みに、当社ラストクリーニングでは、今現在では特殊清掃員の求人募集は行っていません。

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