ゴミ屋敷の住人に聞いた片付けられない心理と実際の現場写真

自分や家族の部屋がゴミ屋敷になってしまい、なぜゴミ屋敷になってしまうのだろうか、一体どうすれば解決できるだろうかとネットでいろいろと調べられていますよね。

実はゴミ屋敷になってしまう心理もそれを片付ける方法も3つしかありません。その方法を知る前に、まずはゴミ屋敷の実態について知っておきましょう。

またこの記事では、ゴミ屋敷になる心理とゴミ屋敷に対応している業者とその費用目安、ゴミ屋敷の近隣被害などの情報をお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。

目次

ゴミ屋敷の実態

まずは、私たちが実際に行なったゴミ屋敷の清掃事例3つとネットで噂されている男女別割合のゴミ屋敷情報と清掃業者である私がゴミ屋敷の実態をよく現していると感じた動画3つをお伝えしています。

画像や動画には、人によっては体調不良になる内容も含まれていますので、それを承知でご覧ください。

ゴミ屋敷の清掃事例①

この度のゴミ屋敷清掃の依頼は40代独身男性からでした。

お電話では「かなりのゴミ屋敷なので覚悟して来てください。」と言われましたが、私たちの感覚では、ゴミ屋敷度は70%程度で、覚悟するほどのゴミの量ではありませんした。

見積もり金額を提示すると「よろしくお願いします」とのことで、早速当日から作業準備に取り掛かりました。

貴重品の有無を尋ねると「取り敢えず生活はできているので、それらしい物を見つけたら取り置きしておいてください」とのことで、いつも通りにテキパキと作業を進めました。

作業完了までに2日掛かると伝えると「明日も休みなので終わったら電話ください」とのことでした。

2日後に作業が完了して部屋を確認していただました。ほっとされた様子で「これで来月から家賃の支払いが半額になる!」と喜ばれていました。

ゴミ屋敷家主の声

毎晩遅くまで残業がある会社に勤めているので、自宅に戻ると、疲れ果ててとてもゴミを分別する気力も時間も無いので、ついつい約3年間も部屋にゴミを溜めてしまってゴミ屋敷になってしまいました。

大量のゴミで、その部屋での生活ができなくなったので、別に部屋を借りていましたが、費用面を考えて、この度業者に清掃を依頼しました。

清掃作業後は、まるで別の部屋のように綺麗になって、これで退去できるので、来月から家賃が一部屋分だけで済むので助かります。

しかし既にもう1つの部屋にもゴミがもう散乱しはじめているので、今の仕事を続けている限りは、またゴミ屋敷と化してしまうのは、時間の問題だろうと思います。

ゴミ屋敷の清掃事例②

仕分けと分別に長い作業時間が掛かったゴミ屋敷片付け

60代女性からのSOS電話があり、すぐにお部屋まで駆けつけました。一人暮らしのようでしたが、上記写真のように、あらゆる生活雑貨が部屋一面に散乱していました。

1週間後に、息子家族が部屋に来るということで、急遽部屋のゴミを片付けて欲しいとのことでした。

見積もり金額をお伝えすると、ちょっと高いと言われたので、ダンボールや空き缶などの資源ゴミは、自身で処分していただくという条件で、値引きして、作業を開始しました。

エレベーターがないマンション3階だったので、かなり体力が必要な現場になりましたが、2日後には無事に清掃を済ませることができました。

ゴミ屋敷家主の声

普段から片付けられない性分で、ついつい部屋にゴミを溜めていましたが、誰も部屋に来ることはないので、放置していました。

しかし、私の身体を心配して、息子がどうしても様子を見たいと、何度も電話してくるので、断り切れずに了承してしまいました。

とても息子夫婦に見せられる部屋ではないので、費用が掛かりますが、背に腹はかえられないので、業者に相談しました。

あんなにあったゴミの山が、だった2日でこんなに片付けられるのなら、もっと早く相談すればよかったですね。

無地に息子夫婦を部屋に迎えられることができましたし、気持ちもリフレッシュできて、とても満足しています。

ゴミ屋敷の清掃事例③

居住者が一部撤去作業完了された後の部屋

作業人数2名で水場についても清掃

30代女性から明日午後に引越しをするので、部屋を片付けて欲しいとの電話がありました。それで見積もりのため、部屋を訪れると、プチゴミ屋敷状態でした。

早速見積もり金額を提示すると、すぐに作業をはじめてくださいとのことで、急遽ゴミの片付けを開始しました。

新居では、もうすでに新しい家電や家具も揃えているということで、粗大ゴミ回収も依頼されましたが、我々からすると、少ないゴミの量だったので、数時間で清掃は完了できました。

ゴミ屋敷家主の声

優柔不断な性格のため、汚い部屋を他人に見せる勇気が中々持てずに、引越し前日にも関わらず、業者への電話を躊躇していました。

しかし、このままでは、部屋を退去できなくなるので、信頼できそうな複数の業者に電話相談しました。その中でも一番親身になってくれたのが、ラストクリーニングでした。

かなり恥ずかしかったのですが、作業の人も印象が良く、テキパキと作業をしていただいたので、とても安心できてよかったです。

ゴミ屋敷は男性よりも女性のほうが多い

男性のほうが整理整頓が苦手で、面倒くさがりの人が多いので、当然女性よりも男性のほうが部屋をゴミ屋敷にしている人が多いと思われているのではないでしょうか。

しかし実態は次のように正反対に女性のほうが多いようです。実際に特殊清掃業者としての私の意見もそのように思います。

【ゴミ屋敷の割合】女性62%:男性38%

女性のほうが多い主な理由

  • 女性のほうが物への執着心が強い
  • 女性のほうが買い物依存症の人が多い
  • 女性のほうがバタバタしてい人が多い

数々のゴミ屋敷を清掃してみて私が感じたこと

たまたま事例では男性からの依頼でしたが、確かに私たちに掛かってくる電話相談も含めると、女性の方が2倍弱多い様に感じます。特に30代後半以上の独身女性に、その傾向は顕著になっていると感じますね。

それで、私なりに今までにゴミ屋敷の片付けを依頼された女性たちを思い出すと、看護師や介護士、飲食店勤務などの時間帯や曜日が不規則な職業に就いている人が多かった様に感じます。

確かにゴミ出しは平日の朝がほとんどですからね。たまのお休みぐらいは、気がすむまで寝ていたいという気持ちは十分に理解できます。

【ゴミ屋敷】女子の汚部屋を掃除してきた

いわゆるゴミ屋敷・汚部屋集めました

ゴミ屋敷とプロの集団

ゴミ屋敷の原因になる3つの心理

次に、一般的に考えられている自宅をゴミ屋敷にしてしまう3つの心理をお伝えしています。

【心理①】 孤独感からくる収集癖

数多くのゴミ屋敷を片付けた経験からですが、住まいをゴミ屋敷にしてしまう人の多くは、日常生活で強い孤独感や疎外感を抱かれているように感じます。

目に見える範囲を多くの物で埋め尽くすことで、自分は独りではないと、その不安感をかき消しているのではないでしょうか。

ゴミ屋敷住人の「生の声」

【私】 結構なゴミの量ですね?

【依頼者】 部屋の空間が広いと、なぜか寂しく感じるのですよね。それで部屋が物でいっぱいになると、一人ではないと感じて落ち着く。自分でも不思議に思います。

【心理②】度を過ぎた「もったいない」という良心

年配の人に多いのですが、以下のようなことを思って、どんな物でも捨てるなんて「もったいない」と感じる人がいます。

  • もしかしたら今後使うかもしれない。
  • いざという時に必要になるかもしれない。
  • 残しておいたら何かと便利かもしれない。

その結果、押入れや引き出しの中が物でパンパンになり、やがて床にも散乱しはじめてゴミ屋敷となっていきます。

ゴミ屋敷住人の「生の声」

【私】 この服を最後に着たのはいつですか?

【依頼者】 多分5年以上前。時代遅れだからもう着れないと分かっているけど、またいつか着るかも…と思うと、自分では捨てられないんですよね。

【心理③】買い物依存症

何が原因かは人によって様々ですが、フラストレーションが溜まり、それを解消するために過度に買い物をする人もいます。

必要な物を買い物するのではなく、買い物という行為が胸をスッとさせてフラストレーション解消になるので、気がつくと自宅は買った物で溢れかえることになります。

ゴミ屋敷住人の「生の声」

【私】 すごく百均で売られている物が多いですね。

【依頼者】 そうなのよ、百均なら安いからついつい色んな物を買ってしまって…。そして部屋に戻ったら大体同じ物がある感じで。でも買い物でスカッとするからやめられないのよ。

ゴミ屋敷が問題になる主な被害

多量のゴミだけなら、ゴミ屋敷もさほど問題にはなりません。(かなり景観は損なわれますが…)

しかし実はゴミ屋敷は景観被害のほかにも、周辺住民に次の3つの被害リスクも高めています。

【被害①】悪臭発生のリスク

夏場には、ゴミ屋敷の中にある生ゴミが腐敗し、辺りに強烈な悪臭を放ちます。それはツンと鼻を刺す腐敗臭で、長時間吸うと通院が必要になるほどの悪臭です。

【被害②】火災発生のリスク

ゴミの中にあるライターや家庭用カセットガスが引火して火事になる可能性が高くなります。また可燃ゴミが散乱していると、放火犯罪を誘発する原因にもなるといわれています。

【被害③】害虫発生のリスク

生ゴミはゴキブリやハエのエサになり、空き缶や洗面器などの不用品に溜まった雨水は、ボウフラを発生させる原因になります。

大量に害虫が発生し、それらは近隣住民にまで襲い掛かります。

ゴミ屋敷には2つのタイプがある

この項目では、主な2つのゴミ屋敷タイプをお伝えしています。あなたの周りにも普段気付かないゴミ屋敷があるかもしれませんね。

【タイプ①】マンション/アパート

外観や共用部分からは、ほとんどわからないのがマンション・アパートタイプのゴミ屋敷です。別名で隠れゴミ屋敷と呼ばれています。

しかし、よく見ると窓際にも多くの日用品が置かれていて、その片鱗を垣間見ることができます。

その数は、後でお伝えする戸建てタイプの数十倍あると言われています。私たちに片付けを依頼されたゴミ屋敷も、ほとんどがこのマンション・アパートタイプになります。

【タイプ②】戸建て

時々ニュース番組などで報道されているのでご存じかもしれませんが、室内だけでなく庭などの敷地内にもゴミで溢れているのが、戸建てタイプのゴミ屋敷です。

このタイプは、前記のマンション・アパートタイプよりも周辺住民に気付かれやすく、また迷惑も周囲に撒き散らしていることが多々あります。

ゴミ屋敷を片付ける方法は3つしかない

ずばり申し上げます。ゴミ屋敷を片付けるには下記の3つの方法しかありません。どうしてもゴミ屋敷を片付けたいのであれば、この3つからどれを選ぶのかに専念しましょう。

あれこれ他の方法も検討しても結局は時間の無駄使いに終わり、ますますあなたを追い込めることになります。

【方法①】自分や家族でコツコツと片付け

各自治体のゴミ出しルールに従って、ゴミを分別して、所定のゴミ置き場にゴミ出しします。

いくら量があるからといっても、一度に大量にゴミ出しすると、近所迷惑になるので、適度な量にしましょう。45リットルのゴミ袋で3袋~5袋が限度でしょうね。

この方法は事実上不可能です

しかしこの片付け方法は、ほぼ実現不可能と思われます。

なぜならば自分たちでどんな形であれ、ゴミを片付けることができるのであれば、そもそもゴミ屋敷になってしまうことがないからです。

片付けられないからゴミ屋敷になるのだから、自分たちでゴミ屋敷を片付けようとしても矛盾してしまい、途中で断念するのが関の山です。

【方法②】行政代執行で強制撤去される

行政代執行とは、国や自治体などの行政機関の命令に従わない人に対し、その本人に代わって行政機関側が強制的に撤去や排除をすること。

行政代執行法では、他の手段では実現困難で、それを放置することが「著しく公益に反する」と認められる場合に代執行できると定められている。

代執行する場合、あらかじめ期限を定め、文書で戒告しなければならない。

ゴミ屋敷撤去の行政代執行動画があったので、参考までに掲載しておきました。

【方法③】業者に依頼して片付ける

便利屋や不用品回収業者などでは、ゴミ屋敷の片付け業務も行なっているところもあります。自分で片付けられない場合は、業者にお願いする方法もあります。

ゴミでいっぱいの自宅を業者に見せるのは気が引けると思いますが、相手は仕事ですので臆することもありませんし、業者が不快に感じることもありませんので安心してください。

次項目では、一番現実的な片付け方法であるゴミ屋敷対応の業者についてお伝えします。

ゴミ屋敷の片付けに対応している業者一覧表

ここでは、東京都と大阪府に所在地があるゴミ屋敷対応の業者を3社ずつお伝えしています。

ネットで確認する限り良心的な業者のようですが、ご自身でもしっかりと確認してから依頼しましょう。

東京都のゴミ屋敷対応業者

サイト名 ラクタス
お問い合わせ 0120-777-607
所在地 東京都港区芝3-31-6 サンライズ芝2階
サイト名 お部屋片付け日本一
お問い合わせ 0120-865-354
所在地 東京都文京区春日2-13-1 1F
サイト名 片付け太助
お問い合わせ 0120-535-318
所在地 東京都足立区小台2-47-4

大阪府のゴミ屋敷対応業者

サイト名 ゴミ屋敷専門パートナーズ
お問い合わせ 0120-626-683
所在地 大阪府大阪市中央区博労町1-4-6
サイト名 Crysta(クリスタ)
お問い合わせ 0120-117-767
所在地 大阪府大阪市浪速区湊町2-2-22
サイト名 クリーナーズ
お問い合わせ 0120-366-677
所在地 大阪府大阪市此花区西九条3-5-10

悪臭があるゴミ屋敷は特殊清掃業者に依頼すべき

生ゴミなどの腐敗臭が酷い場合は、上記業者よりも特殊清掃業者に片付けを依頼したほうがいいでしょう。

そのワケは、他業者に比べて特殊清掃業者は、比較にならないほど高い消臭技術を持っているからです。

なぜ、そのような高い消臭技術を持っているかは、強烈な腐敗臭を伴う遺体現場を専門に消臭、清掃を行なっているからです。

特殊清掃業者については「特殊清掃の基本的な情報」で詳しくお伝えしています。

業者によるゴミ屋敷の片付け費用の目安

この項目では、通常のゴミ屋敷片付けと消臭作業を必要とする場合との2つに分けてその費用目安をお伝えします。

ゴミの梱包/搬出/回収

ワンルーム 33,000円~330,000円
1DK 33,000円~396,000円
1LDK/2DK 55,000円~824,000円
2LDK/3DK 99,000円~1,386,000円
3LDK/4DK 131,000円~2,244,000円
4LDK/5DK 165,000円~2,640,000円
  • 上記金額はあくまでも目安です。お部屋の状態やゴミの量や一日完了のご要望などによって、上記範囲を大きく超えることもあります。
  • ペット死亡からの日数や死亡箇所、食物の腐乱状態やその範囲等によってどうしても金額に大きな幅があることはご了承ください。
  • リフォーム費用は含まれていません。

消臭作業

汚染物の除去 27,500円〜220,000円
害虫駆除 16,500円〜55,000円
消臭除菌 16,500円〜275,000円
合計額 60,500円〜550,000円

悪徳業者に騙されないために気を付ける点

前述したゴミ屋敷の片付けを行なっている業者は、主に不用品回収や便利屋、清掃業などの業界になるため、皆さんが心配されているように悪徳業者の数が多い業界になります。

そんな心配をされているあなたに「特殊清掃業者について」では、悪徳業者に騙されないために気を付ける点をいくつか挙げていますので、ぜひ参考にしてみてください。

親族がゴミ屋敷住人になった時のベストな解決法

最後に15年以上の片付け経験から、万が一 親族の部屋がゴミ屋敷になってしまった際のベストな解決方法をお伝えしておきますね。

絶対に説得や指摘はしてはいけない

ゴミだらけになった部屋を見ると、どうしても「片付けなさい!」とか「なんでゴミが捨てられないの?」と迫ると思いますが、それは厳禁です。

何故ならば、そんなことは、本人が百も承知しているからです。問題だと承知していることを言われると、たとえ家族だとしてもいや家族だからこそ、反発してしまうものですからね。

このような説得や指摘を繰り返していると、最悪の場合は、完全に心を病んでしまって取り返しの付かない事態になることもあるので、細心の気配りが必要です。

一緒に寄り添う気持ちが大切

ゴミ屋敷になったことは「あなたの責任ではなく〇〇のせいだよね」と、まずは寄り添う気持ちになる努力をしましょう。

つまり難しいかもしれませんが、家族であるあなたにもゴミ屋敷にさせてしまった責任の一端があることを実感するのです。

そして、相手の気持ちを尊重しながら「一緒に解決していこう」という気持ちで、焦らずに少しずつ声掛けをしましょう。

改心には長い期間が掛かると思っておく事

家族としては、一刻も早くゴミ屋敷を解決されたいお気持ちはよくわかりますが、焦りは100%禁物です。

その理由は、急かされることにより、攻撃されているように感じ、家族を敵と勘違いして、心を閉じてしまうからです。

短くても2〜3ヶ月、長ければ数年以上は掛かることを承知しておいてください。

そうすることで、気持ちに焦りがなくなり、本当の意味で相手に寄り添えて、結果的には最短期間でゴミ屋敷を解決できるでしょう。

実際の解決法としてはほぼ業者に頼むしかない

仮に家族の力でゴミ屋敷解決へと動き始めたとしても、溜まりに溜まったゴミを家族の力だけで片付けるのは至難の業です。

ましては高齢の家族であればゴミの量にもよりますが、時間が掛かり過ぎてほぼ100%部屋を片付けることは不可能でしょう。

そんな時こそ家族で片付けるよりも費用は掛かってしまいますが、我々のような専門業者に依頼されることをおすすめします。

片付けに時間が掛かってモタモタしていると、本人の気が変わってまた元のゴミ屋敷に戻ってしまいますからね。

まとめ

この記事では、ゴミ屋敷の実態とゴミ屋敷になってしまう心理3つとそれを片付ける3つの方法、ゴミ屋敷に対応している業者、その費用目安などの情報をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。

ほんのちょっとでもあなたのゴミ屋敷問題の解決ヒントになったのであれば幸いです。

ページ先頭へ