葬儀のことを調べていたら「死水を取る」や「末期の水を口に含ませる」という言葉を見つけて、一体どういう意味だろう?と思われていますよね。
そこで、このページでは「死水を取る」「末期の水を口に含ませる」の様子やその意味、手順などをご説明いたします。
これらの基本的なことを知っておくと、葬儀の際のいざという時に戸惑うことがなくなります。
目次
死水を取るとは?末期の水を口に含ませるとは?
死者の口に水を含ませることを「死水を取る」・「末期の水を口に含ませる」といいます。元来は蘇生を願う儀式であるが、一人一人が故人に別れを告げるための大切な儀式でもあります。
因みに、死水は(しにみず)と読みます。または「死に水を取る」と書かれることもあります。「末期の水を口に含ませる」の末期は(まつご)と読みます。両者とも同じ意味です。
死者の口に水を含ませる理由
仏教では、あの世では飲食ができなくなると考えられているので「 死者が渇きに苦しまないように 」と死者の口に水を含ませるようです。
つまり死者を安らかにあの世で過ごして欲しいという願いから「死水を取る」・「末期の水を口に含ませる」儀式が生まれたといわれています。
死者の口に水を含ませる由縁
お釈迦様が最期を悟った際に水を求めて弟子に「口が渇いたので水を持ってきて欲しい」頼んだそうです。
しかし飲めるような綺麗な水がなくて、弟子が困っていたときに優しい鬼神が来て八種の浄水をお釈迦様に差し出したそうです。それでお釈迦様は安らかに亡くなったとされています。
このことから、死者を安らかにあの世へ送り出すために「死水を取る」・「末期の水を口に含ませる」儀式がされるようになったといわれています。
死水を取る手順のポイント
ここでは、死水を取る手順を3つのポイントに分けてお伝えします。
①死亡直後に行なう
医師による死亡確認が済むと、病室または自宅で「死水を取る」・「末期の水を口に含ませる」儀式が行なわれます。
通常は、臨終に立ち会った人全員が行ないます。以前は死に際(存命中)に行なわれていましたが、近年では死亡直後に行なわれています。
②死水を取る人には順番がある
その順番は、最初は喪主で、次に配偶者、その後は血縁の近い順番とされています。一般的には次の順番になります。
- 喪主
- 配偶者
- 子
- 両親
- 兄弟姉妹
- 子の配偶者
- 孫
- 友人
③死水を取る方法は主に4つある
具体的な死水を取る方法はいくつかありますが、主には下記の4つがあります。
①綿棒に水を含ませて唇を潤す
②割り箸に脱脂綿/ガーゼを巻きつけ、それに水を含ませて唇を潤す
③新しい筆先に含ませて唇を潤す
④茶碗に水を入れて樒の葉や鳥の羽、脱脂綿を浮かばせ、それで唇を潤す
一般的な葬儀の流れについて
この記事でお伝えしたこと以外に一般的な葬儀の流れについても知っておくとより理解が深まります。
詳しくは「一般的な葬儀終了までの流れとその後に行なわれる5つのこと」でお伝えしていますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
今日は「死水を取る」「末期の水を口に含ませる」様子やその意味、手順などをご説明いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
万が一の際は、戸惑うことなく、穏やかな気持ちで死者をあの世へ送り出したいものですよね。