一般的な葬儀終了までの流れとその後に行なわれる5つのこと

はじめて喪主を務める予定または初めて葬儀に参列するときに、まずは一般的な葬儀の流れを知っておきたいですよね。

全く知らないと、とんでもない恥をかいてしまう可能性もありますからね。

そんなあなたのために、今日は一般的な葬儀終了までの流れと終了後に行なわれることを分かりやすくお伝えしています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

一般的な葬儀の流れ

日本では、80%以上の人が病室で亡くなっていますので、入院中に死亡した際の一般的な葬儀終了までの流れを時系列でお伝えします。

臨終直後

病院で臨終されましたら、葬儀を行なう前に、通常はすぐに次のような流れになります。

死の判定

死の判定は、診察していた医師が行ないます。死亡が確認されると、医師はすぐに死亡診断書の発行手続きを行ないます。

末期の水

死に立ち会った人が、死者の唇を潤して死者と別れる儀礼を行ないます。その一般的な方法は次の3つがあります。

  1. 麺棒に水を含ませて死者の唇を潤す
  2. 新しい筆に水を含ませて死者の唇を潤す
  3. 茶碗に水を入れ、樒の葉や脱脂綿を浸して死者の唇を潤す

死後の処置

病院の看護師が遺体の消毒と顔の整えを行ないます。

そして、新しい浴衣などに着替えさせます。着替えは死後硬直が進むと、困難になるので早めがいいでしょう。

遺体の搬送

一旦病室から病院の霊安室に移されます。その後の流れには主に次の2つがあります。

①葬儀会社が決まっている

その葬儀会社が葬儀会場/自宅へ遺体を搬送します。

②葬儀会社がまだ決まっていない

病院紹介の葬儀会社に遺体搬送の依頼。
※葬儀本体の依頼ではなく、遺体搬送のみの依頼も可能。

そして、医師や看護師等に挨拶して病院を後にします。

遺体の安置

自宅に遺体を搬送する場合、予め安置場所等を準備しておく必要があります。

遺体の腐食を促進させないために、冬場でも部屋の暖房は入れず、夏場であれば冷房を入れて上下の薄い布団を用意しておきます。

僧侶への依頼

本人や遺族の信仰に基づいて仏式葬儀を行なう場合には菩提寺の僧侶に依頼します。

遠隔地等の理由で菩提寺の僧侶が来れないようなら、近くの僧侶を菩提寺から紹介してもらいます。

枕経

遺体を安置したら僧侶に来ていただいて枕元で読経をしていただきます。

これを枕経(まくらぎょう)といいます。普段着で構いませんので、遺族や親族は可能な限り駆けつけます。

葬儀の準備

臨終直後の流れが終わると、次は葬儀の準備に入ります。

葬儀の打ち合わせ

遺族、故人と特に親しかった人、僧侶、葬儀会社の担当者と十分に打ち合わせをします。

打ち合わせのポイントは次の5つです。

  1. 喪主の決定
  2. 葬儀の日程と場所
  3. 葬儀の形式と規模
  4. 葬儀予算の総額
    ※葬儀会社に支払い金額とお布施以外も計算すること。例)返礼品費や心づけ、車代等
  5. 会葬者の予想人数
    ※この人数によって、葬儀規模や会場場所、予算が異なってきます。

葬儀の打ち合わせで、上記5つ以上に大切なのは、送り出す人々の意思と想いを一致することです。

なぜならば皆の気持ちが一体となって葬儀を行なわれないと、規模の大小や形式に関わらず気持ちの通わない葬儀になってしまうからです。

関係者への連絡

葬儀に関する主な連絡先は、次の5つです。

  1. 故人が希望していた人
  2. 家族や親戚などの遺族
  3. 故人の勤務先 ※故人が会社員だった場合
  4. 故人の知人、友人
  5. 家族の勤務先 ※葬儀などで仕事を休むため

連絡方法は電話はもちろんですが、FAXやメールも活用します。

連絡の際には、葬儀の日程や場所、宗派、喪主名、香典や供花の受取り有無なども伝えるようにします。

もしも密葬で行なう場合は、失礼がないように他言しない旨を明確に伝えることが重要です。

死亡届の申請と火葬許可証の交付

臨終直後に渡された死亡診断書の左側が死亡届になっています。その死亡届欄に遺族が必要事項を記入して市区町村役場に申請します。

依頼すれば葬儀会社の代理で申請も可能です。死亡届が受理されると火葬許可証が交付されます。

この火葬許可証は火葬に際して火葬場に提出し、火葬後に証印を得たものは遺骨をお墓や納骨堂に納めるときに必要になりますので、失くさないように大切に保管しておきます。

納棺と遺体処置

この項目は必ずしも行なわれる流れではありません。

しかし病院で納棺していない場合や葬儀までに長い期間を要する場合には必須になる流れをお伝えしています。

納棺

病院で納棺していない場合は、一般的には一旦自宅や葬儀会場の別室に安置し、その日の午後あるいは翌日に遺族や僧侶の立会いの下で遺体を納棺します。

通常は葬儀社の担当者が遺体を整え、納棺しドライアイスや消臭剤などを入れます。

遺体処置

葬儀までに長い期間を要する場合は、ドライアイスや保冷庫で保全しても5日~7日程度が限界です。

そのようなときに役立つのがエンバーミングという遺体処置方法です。

エンバーミングについては、https://www.sougi.info/ をご覧ください。

また北関東から東北地方に見られるように、先に遺族だけで火葬を行い、遺骨で葬儀を行なう方法もあります。

通夜

ここでは、一般的な通夜の流れをお伝えします。

通夜の受付開始

通常は夕方18時ぐらいから通夜の受付を開始します。10分程度前に会場に到着するようにしましょう。

受付が開始されたら芳名カードに住所と氏名を記帳します。会社関係ならば、会社名と会社の住所を個人ならば自宅の住所を書きます。

通夜

通夜とは、本来遺族や近親者など親しい間柄の人たちが夜通し遺体に付き添い、故人との別れを惜しみ、霊を慰めるものでした。

しかし最近では、それほど親しくない間柄でも葬儀に参列できない人が、通夜に訪れることが多くなっています。基本的な通夜の流れは次のとおりです。

  1. 僧侶入場
  2. 読経
  3. 遺族・親族・参列者の焼香
  4. 僧侶退場

通常は1時間~2時間程度で終了します。その後に通夜振る舞いへと続きます。

通夜振る舞い

焼香もしくは通夜が終わったら、参列者を別室に案内し飲食をふるまいます。

これが「通夜ぶるまい」です。故人の供養として、わずかなものでも召し上がっていただくという意味があります。

お清めとしてお酒も出すこともあります。また自宅での通夜の場合は、通夜ぶるまいが行なわれないこともあるようです。

葬儀

葬儀とは、一般的には葬儀式と告別式のことを指し、両者は同時に進行されています。

葬儀式と告別式の流れ

  1. 遺族・親族・参列者の着席
  2. 僧侶入場
  3. 開式の辞
  4. 読経・引導
  5. 遺族・親族・参列者の焼香
  6. 僧侶退場
  7. 弔電
  8. 挨拶
  9. 閉式の辞
【葬儀式と告別式の違い】

葬儀式とは、一般に宗教儀礼により行なわれますが、遺族や親族が故人の冥福を祈り、成仏を願って行われる故人のための儀式です。

一方告別式とは、遺族側ではなく弔問客である参列者が焼香して、故人と最後のお別れをする儀式です。

簡潔にいいますと、葬儀式=故人のための儀式で、告別式=参列者のための儀式です。

お別れの儀

出棺に先立って近親者が棺の中に、故人と対面して生花をいれてお別れすることを「お別れの儀」といいます。

供えられた生花を短く切り取って順に入れていきますが、これを「別れ花」といいます。

出棺

出棺に先立って喪主あるいは遺族代表が見送りの人々に挨拶します。

遺体は霊柩車または寝台車で火葬場へ向かい、遺族など火葬場へ行く人は、自家用車またはマイクロバスで火葬場へ移動します。

今では少なくなりましたが、出棺時に棺のフタにクギを打つ風習もあります。

その行為には無事に三途の川を渡れるようにとか、死霊を封ずるためといわれています。

火葬

日本では法律的には土葬も認められていますが、様々な規制があり実際には遺体の99.9%以上が火葬されています。

お別れ

火葬に先立ち、炉前で焼香など簡単にお別れの儀礼を行なうことがあります。

遺体の焼却

火葬時間は火葬場によって異なりますが、およそ1時間~2時間程度です。地域によってはその待機時間に飲食するケースもあります。

1時間程度と待機時間が短い場合は茶菓子等が多いようです。

拾骨

拾骨(しゅうこつ)は、骨上げ(こつあげ)や収骨(しゅうこつ)とも呼ばれています。

一般的な方法は、二人が一組になって箸で遺骨を下半身から順に上半身に向かって、拾って骨壷に収めます。関西などでは喉仏や歯骨だけを拾って収めるようです。

分骨を希望する場合は前もって火葬場管理者へ申し出て、骨壷を用意してもらい分骨の数だけ証明として火葬証明書を発行してもらうことを忘れずに。

地域によって葬儀の流れには違いがある

以上が一般的な葬儀の流れになりますが、地域の習慣や習わし等で流れの順序が異なっていたり追加や省略されることもあります。

その場合は、極力地域に合わせた葬儀の流れで行なうほうが混乱が避けられていいでしょう。

また亡くなった理由や遺体の状態、社会的事情等の地域特性以外の理由によって、一般的な流れ通りに葬儀を行なうことが好まれない場合もあります。

葬儀終了後に行なわれる主な5つの流れ

この項目では、葬儀終了直後から故人が先祖として合祀されるまでの流れを大きく5つに分けてお伝えしています。

①葬儀直後の儀礼

はじめに葬儀が終了した当日に行なわれることが多い4つの儀礼をお伝えします。

1.還骨法要

火葬が終わると、自宅や斎場、料理店などで遺骨を安置しての儀礼が行なわれることがあります。

仏教では「還骨法要」「回向(えこう)」「安位諷経(あんいふぎん)」などと呼ばれています。

2.初七日法要

還骨法要に続いて、初七日の法要が営まれることが一般的です。本来は死亡日を入れて7日目に営まれることが基本です。(関西ではその前夜)

再び関係者がすぐに集まるのは大変ということで、初七日法要を葬儀日に繰り上げて行なうことが一般化しています。

3.会食

会食は四十九日明けに行なったものですが、今では繰り上げて葬儀当日に行なわれることもあります。

この会食は「精進落とし」「仕上げ」「お斎」などと呼ばれています。

現在の会食の意味は、これに加えて、死者への飲食を通じた最後のお別れの席や葬儀を手伝ってくださった方へのお礼の席などが合体したものといえます。

4.後飾り

葬儀終了後には、祭壇を片付け、自宅に四十九日用の簡単な後飾りをするのが一般的です。

小机に白布をかけ、遺骨、位牌、遺影写真、香炉、花立て、鈴などを用意します。

また東北地方の一部では、初七日までは自宅に祭壇を設置する地域もあるようです。

②死後の諸手続き

葬儀当日を無事に終えると、次は儀礼的なことではなく社会的な手続きを行なう流れになります。

主な手続きを記載していますので参考にしてください。

主な手続き内容

  • 世帯主の変更届
  • 電気・ガス・水道・その他の名義変更
  • 健康保険の埋葬料、国民健康保険の葬祭費の請求
  • 生命保険の死亡保険金の請求
  • 年金の手続き
  • 所得税の確定申告
  • 遺産相続の手続き
  • 相続税の申告と納付
  • 預貯金、不動産の名義変更

③喪の期間

一般的には配偶者や親、子の場合には1年間を、そして兄弟姉妹や孫の場合は半年を目安に喪の期間になります。

「喪中(もちゅう)」ともいいます。喪中に行なわれる法要には次の2つが重要とされています。

四十九日

仏教では、亡くなってから七日ごとに閻魔大王による裁きが行なわれ、極楽浄土に行けるかどうかの判定が下されるのが四十九日目にあたり、この日が忌明けとされます 。

そのため、四十九日の法要は、特に重要とされ、必ずといっていいほど行なわれます。

百ヶ日(ひゃっかにち)

故人の忌明け後の初めての法要で、四十九日に次に重要視されているのが10日後に行なわれる百ヶ日です。

この百ヶ日を過ぎれば結婚式などの慶事に遺族が出席しても良いと考えられています。

近年では、遺族だけでひっそりと行なわれたり、四十九日と一緒に行なわたり、省略されたりすることが多くなりました。

一周忌

亡くなってから一年後の命日が一周忌で、遺族や親族、故人と親しかった友人や知人を招いて行なわれます。

一周忌は命日の当日に行うのが理想ですが、実際には参列者の都合もあり最近は週末に行うことが多いです。その際は命日より早めに行うことが良いとされています。

一周忌までに迎えた正月は、年賀状、年始挨拶、正月飾り、初詣などの正月行事は控えます。一周忌までが喪中でこの日をもって喪が明けることになります。

④納骨

遺骨をしばらくの間は仏壇や祭壇などに安置し、その後、お墓や納骨堂などに納めることを納骨と言います。

納骨の時期

納骨の時期は、通常 葬儀当日、四十九日、一周忌、三回忌のいずれかですが、一般的には忌明けとされる四十九日が圧倒的に多いようです。

しかし、法律的には納骨に期限はありませんので、納骨の時期は遺族が自由に決めても構いません。

納骨の場所

また納骨場所も法律で定めはありません。一般的にはお墓に納骨されますが、諸事情によりずっと自宅で保管することも可能です。

またお墓がなく自宅保管も難しい場合は、納骨堂で一時預かりをしてくれます。

⑤年回法要(追悼儀礼)

最後に喪中明けに行なわれることが多い年回法要(追悼儀礼)の流れを挙げています。

主な年回法要(追悼儀礼)

  1. 三回忌(命日より2年目)
  2. 七回忌(命日より6年目)
  3. 十三回忌(命日より12年目)
  4. 三十三回忌(命日より32年目)
  5. 五十回忌(命日より49年目)

通常は、三十三回忌または五十回忌をもって弔いあげとして、先祖として合祀されます。

その他の追悼儀礼

  • 命日
  • 月命日
  • お盆
  • 彼岸

まとめ

この記事では、一般的な葬儀終了までの流れと葬儀終了後に行なわれることを分かりやすくお伝えしましたが、分かりやすかったでしょうか。

もっと詳しい葬儀の流れを知りたい人は、依頼予定の葬儀会社に問合せてみましょう。

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