遺品整理の費用に違いがある5つの理由と悪徳業者の見分け方

遺品整理とは、亡くなった人が住んでいた部屋の生活用品を思い出の品と不要な物に分別して、不要な物は処分や売却することをいいます。

その遺品整理に掛かる費用は、安いケースで数千円で、高いケースだと数百万円と、かなりの開きがあるのが現状です。

ここまで費用に大きな差が出る理由は、下記のように、遺品整理は十人十色で様々な状況の違いがあるからです。

  1. 遺族でやる or 業者に依頼
  2. 部屋の間取り
  3. 遺品の量と種類
  4. 搬出労力の負担(エレベータ有無など)
  5. 遺品整理完了までの日数

そこで、このページでは、少しでも安く済ませるために、総額でこの金額を準備しておけばよいと思われる遺品整理の費用相場と買取金額を少しでもアップさせる方法、悪徳業者に騙されないポイントをお伝えしています。

目次

遺品整理の費用相場

特殊清掃士の給料相場

まずは、遺品整理を「セルフでした場合」と「業者に依頼した場合」のメリットとデメリットを比較した表をご覧ください。

その後に、「自分で遺品整理される際の費用相場」と「業者による遺品整理の費用相場」をお伝えしています。やはり自分で遺品整理された方が、断然その費用を安く抑えることができます。

セルフと業者のメリットデメリット比較表

  セルフ 業者
日数期間 長い 非常に短かい
費用金額 安い 高い
貴重品発見度 遺族の根気による 高い
体力必要度 非常に高い 全く不要
作業の正確度 遺族の根気による 非常に正確

セルフで行う遺品整理の費用相場

ワンルーム 8,000円~20,000円
1DK 10,000円~30,000円
1LDK/2DK 15,000円~40,000円
2LDK/3DK 30,000円~50,000円
3LDK/4DK 35,000円~70,000円
4LDK/5DK 45,000円~90,000円
  • レンタカー代やガソリン代、高速費用、手間代は含まれていません。
  • 基本的に遺品の処分費用の金額です。
  • 遺品の量により、どうしても大きな金額幅があることはご了承ください。

業者による遺品整理の費用相場

ワンルーム 33,000円〜165,000円
1DK 33,000円〜198,000円
1LDK/2DK 55,000円〜412,000円
2LDK/3DK 99,000円〜693,000円
3LDK/4DK 131,000円〜1,122,000円
4LDK/5DK 165,000円〜1,320,000円
  • 遺品処分費や運搬費、作業費などを含む実際にお支払いされる総額を提示しています。
  • 金額に大きな幅がある理由は「遺品の量」「分別作業の程度」「階数・エレベーター有無」「トラック車両までの距離」などの違いがあるからです。
  • 部屋や遺品の状況によっては、上記金額を大きく超えることもあります。(例)ゴミ屋敷や孤独死など

費用を意識しすぎる=悪徳業者の思う壺

インターネットで“遺品整理”と検索すると、たくさんの業者ホームページが出てきます。

その費用金額ページを見ると、素人目にみても安いな!と思われるホームページもありますよね!

また特別価格という言葉の頻繁に登場しています。実は、それには巧妙なカラクリがあります。代表的な3つのカラクリを説明しましょう。

カラクリ①「~」や「より」

「1K 33,000円」や「1K 29,000円より」と、安い金額の数字を記載することで「この業者は安い」と錯覚させて、とにかく見積り依頼に誘導している業者です。

しかし、じっくりと考えてください。どこにも「遺品整理費用は1K 29,000円です」とは記載されていません。

実際に見積りを依頼すると、1Kで29,000円になることはまずないでしょう。

カラクリ②「基本金額」

1K基本金額29,000円と記載されている場合も悪徳業者の可能性があります。あなたが知りたいのは、遺品整理費用の総額ですよね。

それなのにわざわざ基本金額と記載していることは、見積り時に他名目で費用を追加できるように伏線を張っているのです。

当然、総額の見積金額が1K 29,000円になることはないでしょう。

カラクリ③「特別価格」

お客様の声などで「特価33,000円でした。」などと記載されている業者もありますが、その場合も要注意です。

特価とは、特別価格のことで文字通り特別な価格なのですから。その特別の内容は、期間限定だったり、地域限定だったり、顔写真掲載のモニター価格だったり等があります。

実際に見積り依頼したら「今回は通常価格になりますので○○万円です」ってことになるのは火を見るより明らかです。

悪徳業者とは一切の接触を持たないこと

このようなカラクリを駆使する業者は、見積り時に部屋に入ると、あなたが遺品整理を依頼するまで居座ることもあるようです。

普通の人なら、怖くなり、早く帰って欲しいから書類にサインをしてしまいます。しかし、それが正式な契約となり、依頼せざるを得なくなるか、キャンセルするにしても高額なキャンセル料の支払いをしなければならなくなります。

また電話相談時に「総額ですね」と念を押しても無駄です。見積り時には、「そんなことは言っていないし、ホームページにも総額とは記載していない。」といわれ、絶対に言ったというなら証拠を出せと言われてお仕舞いです。

悪徳と思しき業者には、電話も含めて一切接触しないことが賢明です。

買取り金額はあまり期待しないほうがいい

一般の人は、TVや冷蔵庫、洗濯機などの家電製品は結構な金額で買取りしてもらえると思われがちです。

しかし、遺品の整理に伴う家電製品等はほとんど金額が付かないと思っていたほうがいいです。なぜ金額が付かないかは、主に3つの理由があります。

【理由①】年式が古いから

今は、新製品の発売サイクルが短いので数年で旧型になってしまいます。

そのため、製造日から4~5年も経過すれば、ほとんどの家電製品は微々たる買い取り金額になってしまうのが現状です。

【理由②】新品価格が下がっているから

特にTV価格に顕著に表われていますが、32型の液晶テレビは数年前までは、買取り金額はおよそ数万円していましたが、今では年式によっては買取りしてもらえないこともあります。

なぜならば新品価格も数万円なのですから、中古品を同じ数万円で買取りできるはずはありませんよね。

【理由③】店舗に持ち込みでないから

遺品整理業者に買取りを依頼すると、リサイクル店舗への持ち込みに時間や人件費、車両代などが掛かります。

そのため、たとえ買取り価格に値段が付いてもそれらの費用と相殺することになり、結果的に無料での引き取りになってしまうことがほとんどです。

少しでも買取り金額をアップさせる方法

それは、自分で「買取り店舗へ持ち込む」ことです。年式が6年未満で故障していなければ、数千円~1万円程度の値段が付くこともあります。

家電製品のおすすめ買取り業者

サイト名 トレジャーファクトリー
おすすめ理由 使用感のある家電製品も積極的に買取りをしており、また他業者では敬遠されるかなり大きな家具も買取りを行なっているから。多少のキズやヘコミなら金額は下がりますが、買取り対象のようです。

※タイミングがなかなか合わないかもしれませんが、無料の出張買取りサービスもあります。

その他のおすすめ買取り業者

ブランド品 コメ兵
おすすめ理由 強力な販売店舗を自社で所有しているので、中間マージンなどが発生しないので買取り率が非常に高いからです。特にクリスマスなどのイベントシーズン前は、さらに買取り率がアップされるようです。
書籍 ブックオフ
おすすめ理由 一般書籍はもちろん、専門書籍や家庭に多いファッション誌などの雑誌も買取り、また無料引取りを行なっているから。本と呼べるものは、すべて対象ですので、複数の買取り業者に持ち込み手間が省けます。
金券類/切手/葉書 アクセスチケット
おすすめ理由 繁華街や駅前に多くの店舗があり、仕事帰りなどに買取りできるので便利だから。またお客さんが多く、金券の回転率が高いので、買取り率も他業者と比べても若干高いようです。
アンティーク骨董品 本郷美術骨董館
おすすめ理由 本来ジャンルごとに分かれている数店舗が一箇所に集まっているのが、この業者です。あらゆるジャンルのアンティーク品や骨董品を買取りしているので、業者を探す手間が省けて便利だからです。買取り対象の幅も広く「こんな物まで!」というものも買取りしてくれることもあります。
楽器類 ハードオフ
おすすめ理由 楽器が好きな人はマニアックな人が多いですよね。普通の楽器は当然ですが、この業者ではマニアしか、分からない楽器の部品なども買取りを行なっているからです。意外なものに高値が付くことが結構あるようです。

適正費用で優良な遺品整理業者を探し出す9つのステップ

費用を抑えることに意識しすぎると悪徳被害の可能性が高まります。一方、いくら優良な業者でも費用が高すぎたら、満足できませんよね。

ここでは、適正費用の遺品整理業者を探す出す具体的な方法を分かりやすく9つのステップでお伝えします。

① 不用品回収業者は候補から外す

ホームページのサービス欄に不用品回収項目があったら、その業者は候補から外しましょう。

なぜならば、その業者は不用品回収業者であり、遺品整理業者ではないからです。不用品回収業者は、遺品を雑に扱いがちで、あなたを不快な思いにさせます。

② 総額記載の有無

ホームページに費用目安や相場でも構わないので、必ず総額が記載されている業者を数社候補に挙げましょう。その理由はもうお分かりですよね。

③ 近距離の業者は選ばない

実際に遺品整理を行なう所在地から近からず、遠からずの業者を選ぶましょう。普通に考えると近距離の業者を選べばいいと思われがちですが、それはあまりおススメしません。

なぜならば、近すぎると作業者の中に知り合いの知り合いがいたりして、あらぬ噂が立ってしまうことがあるからです。また近距離だと、いつもと段取りも異なってきますので作業が散漫になる傾向があるようです。

一方 遠すぎる業者は、移動時間や高速代などでどうしても割高になることがありますので避けましょう。その見極め距離は半径40キロ程度ではないでしょうか。それ以上遠方の業者は候補より外しましょう。

④ 見積り無料とキャンセル料の確認

悪徳業者の中には、遺品整理を依頼した場合のみ、見積りを無料とする業者もいます。遺品整理を依頼しなければ、法外な見積り料を請求されます。

またキャンセルのタイミングによっては、キャンセル料が発生する業者もいますので、そのタイミングを確認しましょう。

(例)遺品整理作業日の前日までは無料だが、当日はキャンセル料が掛かるなど。

⑤ 見積り依頼先を3社に絞る

それぞれに電話連絡して三社に絞り、無料現地見積りを申込みしましょう。その絞り方は、あなたの直感で構いません。

例えは「電話応対が良かったから」「ホームページが分かりやすかった」などでOKです。

3社に絞る理由は、一日で見積り出来る件数が約三回であることと、それ以上多くの見積りをしても、結果が大きく変わりないからです。

⑥ 安く抑える方法として一箇所にまとめておく

実は、遺品は部屋全体に散らばっていると、どうしてもその量が多く見えてしまうのはご存知でしたでしょうか。

よって、少しでも費用を安く抑えたい場合は、業者が見積もりに来る前に、ザッとで構いませんので、各部屋ごとに、遺品を一箇所に集めておきましょう。

たっだそのだけの手間で、私の経験では、1〜2割ぐらいほど安くなることがあっても不思議ではありません。

⑦ 遺品整理の具体的な方法を尋ねる

実際の見積り時に、必ず遺品整理の方法を何気なく尋ねてみましょう。すぐに具体的な方法を説明できない業者は、候補から外すことをおススメします。

なぜならば、そんな業者に任せると、遺族の思いに寄り添った遺品整理ができないからです。

近年では、不用品回収業者やまだ遺品整理の経験が少ない業者が、遺品整理専用の立派なホームページを持っていますので、ネット上ではその区別は非常に難しくなっています。

そのため担当者に会う見積り時に、遺品整理方法を尋ねることでしか、その業者の真の姿は確認できません。

⑧ 一番安い業者には依頼しない

決して一番安い業者には遺品整理を依頼してはいけません。なぜならば、不法投棄の恐れや遺品をゴミとして扱う「隠れ不用品回収業者」の可能性が非常に高いからです。

最近では、元不用品回収業者が遺品整理業者へ鞍替えしているケースが多く見られます。一般の人がそれを見分けるのは難しいと思われますが、見積り金額である程度分かります。

一番安い業者は「隠れ不用品回収業者」と思っていいでしょう。

⑨ 費用相場より高い業者は依頼しない

前項目の費用相場より高い見積り金額を提示した業者は、ほぼ100%あなたの足元を見て、吹っかけているボッタクリ業者です。

いくら遺品整理方法が説明でき、担当者の印象が良く、いろいろな要望に対応できても、それらは全て演技だと思っていいでしょう。本当に悪質な業者は、そんなこともやってのけます

上記8つのステップをキチンと踏めば、遺品整理を業者に頼んで、後悔したなんてことにはならないはずです。

不用品回収業者は安いが遺品整理業者とは全く異なる

遺品整理業者は大量の品物を回収するだけで、不用品回収業者と同業と思われている人が多くいらっしゃいますが、決定的に異なる点があります。

不用品回収業者は遺品中身を確認しない

それは品物の中身を1つ1つ確認する点です。不用品回収業者は、中身をざっと確認後そのままトラックに載せて回収します。

遺品整理業者はすべて中身を確認する

一方、遺品整理業者は段ボールの中身はもちろん、小物入れや小さなビニール袋などの中身も確認しています。

このように遺品整理専門業者は、基本的に遺品をゴミや不用品として扱うことはありません。

思い出の品や貴重品が見つかる可能性が高まる

この1つ1つの確認作業を怠ったために、遺品の中から思い出の品や貴重品を見つけることが出来ず、依頼者が後悔の念をずっと引きずることもあります。

遺品整理と不用品回収は、作業風景は似ているかもしれませんが、細やかな整理作業があるとないとで、全く異なる方法で行なっていることは知っておきましょう。

専門業者が行っている遺品整理の方法

最後に、参考までに当社が行なっている基本的な遺品整理の方法を紹介します。因みに、お客様の要望によって、カギ返却代行、貴重品や思い出の品などの送付、ハウスクリーニング等も行なうこともあります。

 遺品の一次整理作業

貴重品・思い出の品・レンタル品を探し出し、取り置きします。

リサイクル品の買取りまたは無料引取り

トラック車両に載せて、リサイクル店舗へ搬送します。

個人情報の適切な処理

特に、紙類は専門の処理工場へ搬入します。

遺品の二次整理作業

残りの遺品を不要品と資源品と粗大品等に分けて、トラック車両に載せてそれぞれの処分工場へ搬送します。

簡単な清掃

遺品整理作業の際に発生したホコリやゴミなどを掃除機やほうきで清掃します。

より詳しい遺品整理方法を知りたい人は「遺品整理業者63社を徹底比較|口コミと悪徳業者の見分け方」でその詳細をお伝えしています。

まとめ

遺品整理の費用相場表を見られて、いかがでしたでしょうか?インターネットで見つけた金額とは、幾分高いと思われたのではないでしょうか。

しかし間違いなく一番実金額に近い費用相場だと自負しております。いくら費用表の金額が安くても、実際の見積り金額がかけ離れているようなら、全く意味がありませんよね。

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