霊柩車のことを調べる際に絶対外せない5つのポイント

霊柩車

そういえば、最近になって霊柩車を見かけなくなったと思われていませんか。でも実は昔よりも霊柩車の登録台数は増えているそうです。

では、なぜこのような不思議な現象が起こっているのかは、霊柩車の種類が増えて、外観が以前と比べて随分と様変わりしてきているからです。

この記事では、霊柩車の主な種類をお伝えしていますので、その疑問を解いておきましょう。

霊柩車とは

日本では、古くは棺を人間がかついで運んでいたが、次第にリヤカーのようなものに乗せて運ぶようになりました。

その後、荷台に棺を入れる宗教的装飾を施した輿のようなものを乗せて搬送するようになり、更にそれが自動車へと変化したのが霊柩車のはじまりといわれています。

霊柩車の主な種類は4つある

まずは、現代でも利用されている4種類の霊柩車をお伝えします。もちろん、どれも霊柩車として登録されています。

【種類①】宮型

高級乗用車等を改造して、金色などの宗教的装飾を施し棺室がある種類を宮型霊柩車といいます。棺室は白木と漆のものと2タイプがあります。

今でも登録台数はある程度ありますが、その外見があまりにも葬儀を連想されるため嫌う声が多くなり、最近見かけることは少なくなりました。

埼玉県などでは宮型霊柩車の乗り入れを拒否する施設もあります。

【種類②】洋型(リムジン型)

大型高級ワゴン車の荷台部分を棺室に改造した種類が洋型霊柩車といいます。

荷台部分に取り付けられている装飾は、幌で開閉でき金具でしっかりと固定できます。

その多くは、車体ボディの繋ぎ目等を隠す為、皮で覆われています。

またこの型はリムジン型とも呼ばれることもあり、車体色は黒塗りが一番多いが、近年はパールホワイトやシルバー等も用意されています。

【種類③】バン型

ミニバンやステーションワゴンを改造して作られているのが、バン型霊柩車と言われています。

その改造内容は、後部座席を半分ほど撤去して遺体を乗せる台が設置されています。

また病院などへの乗り入れを想定して飾り付けなどをほとんど施されていないので、通常のバンとほとんど見分けがつきません。

この種類の霊柩車が最も登録台数が多いと言われています。

因みに斎場や火葬場、自宅へ故人を送る際に多用されるこのバン型霊柩車は、遺体搬送車や寝台車とも呼ばれています。

【種類④】バス型

大型バスやマイクロバスを改造して作られているのがバス型霊柩車です。

フロントエンジンのバスでは、後部に棺を収められるように改造されています。

また一部地域では、中・大型の観光バスをベースにして、トランクルームに棺が入れられるように改造されており、その部分の座席は撤去されています。

外観は、通常の大型バスやマイクロバスとあまり変わりはありません。

霊柩車の許可と運転免許について

霊柩車が遺体を運ぶ車であることは一般的によく知られていますが、この項目ではあまり知られていない霊柩車の許可と免許についてお伝えします。

霊柩車には基本的に許可が必要

葬儀会社など、営業目的で霊柩車を使用することは、国土交通大臣からの一般貨物自動車運送事業(霊柩限定)としての許可を受けた事業者に限られます。

そのため、ほとんどの霊柩車は緑ナンバーになっています。法律上、遺体は物として扱われるので、遺体搬送業は貨物自動車運送事業として捉われています。

一方、個人で遺体を斎場や火葬場、自宅まで搬送するような営業目的でない場合には、国土交通大臣からの許可は必要ありません。もちろん遺体搬送する車も白ナンバーで構いません。

霊柩車の運転には普通自動車免許で大丈夫

一般貨物自動車運送事業(霊柩限定)としての許可を受けた事業者が選任した第一種運転免許(いわゆる普通自動車免許)を所持する人は霊柩車を運転することができます。

つまり、葬儀会社の人であれば、普通自動車免許で霊柩車を運転しても差し支えありません。

しかし、その霊柩車に遺族を同乗させる場合は、第二種運転免許が必要になります。

なぜならば遺族を同乗されることは、タクシーのように一般旅客自動車運送事業としての扱いになるからです。

第二種運転免許とは

日本の道路交通法上の免許区分のひとつ。バスやタクシーなどの旅客自動車を旅客運送のため運転しようとする(営業ナンバーの乗用自動車で、旅客を乗せて商業的な活動をする)場合や、運転代行の業務として顧客の自動車を運転する場合すなわち旅客運送契約遂行として自動車を運転する場合に必要な運転免許である。1956年8月1日から施行された。

霊柩車の利用料金

霊柩車の利用料金は、ほとんどの場合、葬儀費用の中に含まれていますが、霊柩車を遠距離利用されると相当な金額になることもありますので、距離別に利用料金の目安をお伝えしておきますね。

百km未満の遺体搬送

遺体搬送距離 費用金額
~10km 13,000円~13,500円
~20km 16,000円~17,500円
~30km 19,000円~21,000円
~40km 22,000円~24,500円
~50km 25,000円~28,000円
~60km 28,000円~29,000円
~70km 31,000円~32,000円
~80km 34,000円~35,000円
~90km 34,000円~35,000円
~100km 40,000円~41,000円

百km以上の遺体搬送

遺体搬送距離 費用金額
100km前後 60,000~80,000円
200km前後 70.000~150,000円
300km前後 120,000~190,000円
400km前後 160,000~240,000円
500km前後 210,000~320,000円
600km前後 240,000~320,000円
700km前後 280,000~330,000円
800km前後 320,000~380,000円
900km前後 380,000~420,000円
1,000km前後 500,000~640,000円


金額の参照元URL:http://www.office-sion.jp/hansou/

霊柩車についてよくある質問

よくある質問 特殊清掃

ここでは、霊柩車に関して一般の人が疑問に感じていることをQ&A式でお答えしていますので、参考にしてください。

なぜ最近宮型霊柩車をあまり見ないの?

【答え】1つは宮型霊柩車はその外観から「宮型霊柩車=葬儀」というイメージが浸透し、不吉に思われてしまったからといわれています。

そのような住民の感情を配慮して、埼玉県では県条例で火葬場への入場が禁止されています。

もう1つはこの不況が関係していると考えられます。宮型霊柩車の価格は2,000万円ほどで最も高額な霊柩車の種類です。

そのため、比較的価格が低めのバン型霊柩車が選ばれるようになったから、宮型霊柩車を見かけなくなったのでしょう。

なぜ出棺時に霊柩車のクラクションを鳴らすの?

【答え】一般的には、火葬場まで見送りできない人に対する最後のお別れの合図として鳴らすといわれています。

また故人から会葬者に対して「ありがとう、そしてさようなら」の意味合いもあるようです。

クラクションを長く鳴らすことに宗教的な意味合いはないと言われています。葬儀会社が考え出した弔い方の1つではないでしょうか。

なぜ霊柩車を見たら親指を隠すの?

【答え】それは「親指を隠さないと親をあの世に連れて行かれるから」「親の死に目に会えない」などの迷信によるものです。

これは、日本で古来よりある「けがれ精神」から迷信になったようです。

親に対する死霊などのけがれ影響を避けようとするため、親指を隠すのではないでしょうか。

一般的な葬儀の流れについて

この記事でお伝えしたこと以外に一般的な葬儀の流れについても知っておくとより理解が深まります。

詳しくは「一般的な葬儀終了までの流れとその後に行なわれる5つのこと」でお伝えしていますので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

今日は、霊柩車の種類や利用料金、よくある質問などをお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。

なぜ霊柩車の台数が増えているのに見かけなくなったかは、単に普通の車に見えるので気付かないだけだったのですね。

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