遺品の片付けをする最適な時期|自分で行なう片付け法と業者の選び方

遺品片付け

親や親戚が亡くなった後の家や部屋にある遺品をいつかは片付けなくてもと思いながら、どこから手を付けていいのかが分からず、後延ばしにしているのではありませんか?

そんなあなたのために、今日は基本的な遺品片付けの方法と、悪徳被害に遭わないための見積り時の注意点をお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。

遺品片付けをはじめる前に確認すべき4点

故人への大きな名残惜しさがあり、中途半端な気持ちで、遺品の片付けをはじめても作業の手が進まず、時間だけが過ぎていきます。

下記の4点を確認後、遺品片付けの準備をはじめましょう。

①心情的に前向きかどうか

故人への想いを断ち切る必要はありません。どうしても遺品を片付けることが、故人を裏切ってしまうような心情になりがちですが、そんなことはありません。

想いと遺品はイコールではないからです。しかし遺品片付けには、亡くなったことを受け入れ、少しでも前向きな気持ちになっていることが必要です。

②迷ったら時間を置くことにすること

一度、前向きな心情になったからといって、必ず遺品片付けをしなければならないわけではありません。

もしも迷ったら、片付けを一旦止めて、気持ちを落ち着かせても構いません。そして時間を置いて、また遺品片付けをはじめればいいのですから。

③廃棄処分される覚悟ができているか

取り置きした貴重品や思い出の品以外の遺品は、一部リサイクル品になることもありますが、ほとんどは廃棄物として処分されます。

具体的には、廃棄物工場で他の不用品と一緒に圧縮梱包された後、埋立地の地中深くにに埋められます。その覚悟をされてから遺品片付けをはじめましょう。

④遺品片付けの時期は自分で決められるか

持ち家の場合は、遺族の気持ちが癒える限り、自由に遺品片付けの時期を決めても問題ありませんが、賃貸住まいの場合はそうはいきません。

通常は、管理会社より今月末または翌月末までに、遺品を片付けてくださいと時期を決められてしまいます。

どうしてもその時期内に遺品片付けが終えられない場合は、追加の家賃を払うなどすれば対応していただけます。

自分で遺品を片付ける方法

ここでは、一般の人が行なう基本的な遺品の片付け方法をお伝えします。まずは全体の流れ図をご覧ください。

  1. 遺族の集合
  2. 遺品の一次分別片付け作業
  3. 貴重品・思い出の品の取り置き
  4. レンタル品の返却
  5. リサイクル品の買取り・無料引渡し
  6. 個人情報の適切な処理
  7. 遺品の二次分別片付け作業
  8. その他の不用品と粗大ゴミの処分
  9. 簡単な清掃

遺族の集合

極力、故人と血縁関係にあたる人には、集合していただきましょう。その理由は相続です。勝手に遺品片付けを行なうと、後に揉め事を起こす原因になります。

遺品の一次分別片付け作業

まずは第一段目としての分別片付け作業は、下記のように分けていきます。

  • 「貴重品・思い出の品」
  • 「レンタル品」
  • 「リサイクル品」
  • 「個人情報」等

貴重品・思い出の品の取り置き

特に思い出の品は、極力小さな遺品で数も控えめにしましょう。自宅に持ち帰った際にあまり場所を取られると家族に迷惑を掛けることがあります。

レンタル品の返却

DVD・CD・パソコンのルーター・ウォーターサーバー等は、レンタル品であることが多いので返却しましょう。返却の連絡先は、それぞれのどこかに書かれていることが多いです。

リサイクル品の買取り・無料引渡し

家電製品・服・書籍・家具等は、買取りまたは無料引渡しできることもあります。

しかし購入時期や壊れ、傷の有無で処分費用が掛かることもありますので、気をつけましょう。

おすすめの買取り店

家電製品 中古家電の専門店ハッピー
おすすめ理由 家電製品専門のリサイクル店です。きな家電だけでなく、電話機や照明、デジカメ、調理機、パソコンやマウス、充電器なども幅広く買取りを行なっているので、複数店舗を回る手間が省け、重宝されると思われるからです。
ツーハンズ
おすすめ理由 ノーブランドの洋服でも積極的に買取りを行なっている業者だからです。高額買取りの業者ではありませんが、1点1点キチンと査定しているので、遺品片付けにように大量に不要な衣類の買取りには最適です。さらに着払いによる郵送買取りも受付けています。
書籍 ブックオフ
おすすめ理由 多種多様な本やマンガ単行本など、ほとんどのジャンルの書籍を買取り対象だからです。遺品の中には意外にも色々な種類の書籍があります。ブックオフだと、すべて一度で買取りしてもらえるので、非常に便利だと思います。また無料で買取り出張サービスもされています。
家具 トレジャーファクトリー
おすすめ理由 多少キズがあっても買取りしてくれますし、他業者では、買取り不可の古いタンスやテーブルセットなども金額は低いですが、買取り対象だからです。一方で、有名なブランド家具などは、あまり高額査定は期待できないように思います。

個人情報の適切な処理

個人情報が含まれている遺品には、パソコン・USBメモリ・請求書・手紙ハガキ等があります。それぞれの適切な処理方法をお伝えします。

パソコン・USBメモリなどの電子機器

金槌等で破壊するか、もしくは業者やソフトでデータを消去する。詳しくは、http://www.pc3r.jp/をご覧ください。

請求書・手紙ハガキなどの紙類

ハサミやシュレッダーで裁断し資源として自治体に出すか、もしくは古紙リサイクル工場へ持ち込みする。

その後は、古紙リサイクル工場から古紙処理場へ送られ、紙類は溶解されるので、個人情報漏洩の心配はありません。

遺品の二次分別片付け作業

第二段目としての分別片付け作業は、いわゆる不用品の分別になります。

  • 「可燃物」
  • 「不燃物」
  • 「金属」
  • 「古紙・新聞紙」
  • 「ガラス」
  • 「陶器」
  • 「スプレー・ライター」
  • 「粗大ゴミ」
  • 「電池」等

上記のように分別します。分別種類の詳細は、該当の市区町村で確認しておきましょう。

その他の不用品と粗大ゴミの処分

二次分別片付け作業で分別した遺品は、不用品ゴミと考え、その市区町村に合わせた方法でゴミ出しを行ないます。

簡単な清掃

特に遺品片付けの部屋が賃貸の場合は、簡単でいいので小奇麗に掃き掃除や拭き掃除をしていると、大家さんとのトラブルも未然に防げる可能性が高まります。

自分で遺品片付けが完了できない3つの理由

遺品片付けを業者に依頼すると、余計な費用が掛かるからと、多くの人が自分でやろうと挑まれています。

しかし、一方で下記3つの理由で断念されている人もおられますので、あらかじめお伝えしておきます。

①分別すべき量が多大だから

遺品片付けに最も労力と時間を要するのが、分別片付け作業です。

会社員の人が休日に分別片付け作業を行なうと、段取りもよくわからないので、遺品の量が多大だと長い場合には1年以上掛かることもあります。

②市区町村に出す日時が決まっている

ほとんどの市区町村では、ゴミ出しの日は平日です。土日休みのお勤めの人が遺品片付けをするには、有給を使うしか方法はありません。

このご時勢、有給取得も難しいものがありますよね。

③大きな物はトラックや人手が必要

市区町村に粗大ゴミを出す場合、ゴミ置き場まで搬出するか、指定工場までの持込みになります。どちらにしても男性の人手が必要になります。

近年は人間関係が希薄になっているので、なかなか親族や知り合いに頼みづらいですよね。

また持込みの場合、普段乗車しない大きなトラックの運転も必要になり、不慣れなので事故の危険も高まります。

業者に見積り依頼する際の3つの注意点

様々な理由で、自分たちで遺品の片付けが出来ないこともあると思います。

そんな時に頼れるのが業者であります。しかし、ボッタクリ業者や作業が雑な業者に依頼したくありませんよね。

そこで、この項目では、そんな悪徳業者を未然に避けることが出来る方法を3ステップでお伝えします。

①専門業者に絞ること

不用品回収業者や便利屋に遺品片付けを依頼すると、遺品を不用品ゴミにように扱い、雑な作業をするところが多いようです。

また遺品片付けのコツやノウハウも持っていないので、貴重品や思い出の品を見つけ出す能力も当然劣っています。

専門業者の利点

一方、遺品片付け専門業者は、遺族の気持ちに寄り添い、決して遺品を手荒な作業で雑に扱いません。

また分別作業や大量の生活用品の扱い、その適切な処理方法にも長けています。

②3社に見積りさせること

見積り依頼を3社にし、その平均金額が適切な費用目安と考えていいと思います。

後は、その目安金額を基準に、作業内容や電話応対の良し悪し、見積り時の人物判断で業者を選びましょう。

4社以上の欠点

それは、1日で見積りが済まないことと、費用目安の検討が付かなくなることです。自宅から現地までの往復時間と一社あたりの見積り時間を考慮すると、1日3社が一番いいと思います。

より多くの業者から見積りを取って比較検討したいという気持ちは分かりますが、あまり多くの業者に会うということは、悪徳業者に遭う確率も高くなることを意味します。

そのボッタクリ業者の見積もり金額は異様に高く、手抜き業者の金額は異様に低いので、費用目安の基準も分からなくなります。

本当の費用目安を知るには、そのちょうどいい数が3社あたりではないかと思われます。

③一番安い業者は避けること

ついつい費用だけを意識してしまい、1番安い業者に依頼されがちですが、後悔することになります。

特に異様に低い見積り金額を出した業者は要注意です。なぜならば必ずといっていいほど、遺品の片付け作業後に、追加費用を請求してくるからです。

その追加金額を合計すると、見積り時に1番高かった業者より高くなることも十分に考えられます。

二番目に安い業者に依頼する利点

追加費用を請求されるリスクもボッタクリ料金で依頼するリスクも両方とも1番低減できるのが2番目に安い業者に依頼する利点です。

確率論的に、この2番目に安い業者に依頼することが、1番リスクが少ないのは明白です。

遺品片付け業者の料金目安

ワンルーム 33,000円〜165,000円
1DK 33,000円〜198,000円
1LDK/2DK 55,000円〜412,000円
2LDK/3DK 99,000円〜693,000円
3LDK/4DK 131,000円〜1,122,000円
4LDK/5DK 165,000円〜1,320,000円
  • 上記金額はあくまでも目安です。お部屋の状態や遺品の量、思い出の品の捜索や一日完了のご要望などによって範囲を超えることもあります。
  • 金額は総額ですが、消費税は別途です。

1円でも安く優良業者に依頼する方法

後悔しないように優良業者を選ぶと、どうしても適正な費用が掛かってしまいます。人によっては、それが大きな負担になることもあります。

そこで、この項目では、優良業者でも安くなる方法を3つお伝えします。ぜひ見積りの際に試してみてください。

①分別作業の一部を遺族で行なう

特に、一次分別片付け作業の一部を遺族の人で行なうと料金は安く出来ます。その理由は、単純に作業が省けることと、貴重品と思い出の品の所在責任です。

貴重品と思い出の品の分別作業まで依頼されると、意識を貴重品等にもしないといけないため、作業効率も悪くなり、見つからなかった場合の責任もあることがありますので、料金も高くなります。

そのため、貴重品と思い出の品の捜索だけでも遺族の人がされることをおススメします。

②日程に余裕を持たせる

1日で遺品片付けを完了させようとしたら、どうしても多くの人員と多くのトラック車両が必要になります。その費用も負担していただくために料金も高めになりがちです。

反対に、片付け日程が数日間あると、人員やトラック車両の手配がスムーズに出来るので、安くなる傾向にあります。

多くの人は、日数が多くなると料金も多くなると思われているようですが、むしろ反対であることは覚えておきましょう。

③少しでも遺品の量を減らせておく

これは当たり前といえば当たり前ですよね。遺品の量が減れば、当然片付け料金も安くなります。

具体的な量の減らし方ですが、比較的大きな物で、自宅で使用できるものは、持ち帰りましょう。また養護施設などに寄贈するという方法もあります。

ポイントは大きな物を減らすことです。小さな物をいくら減らしても料金にあまり差はありません。

買取りは買取り業者に直接依頼すべき

遺品の中には買取り対象の物があるときは、遺品片付け業者に買取りを依頼してはいけません。その理由は次の2つです。

【理由①】手数料が掛かるから

買取り品の搬出作業や買取り店舗までの運搬費、人件費は、どうしても掛かってしまうので、予想買取り金額からその手数料を差し引かざるを得ません。

結果的にほとんどの場合、無料引取りになってしまいます。

【理由②】買取り価格自体も下がるから

遺品片付け業者は、すでに買取り業者と馴染みになっています。だから遺品だということを把握しているので、買取り価格自体も下がってしまいます。

さらに買取り業者は、遺品片付け業者がいくらでもいいので、引き取ってもらわないとトラックの荷台がいっぱいで次の作業ができなくなり困るのを知っているから、最低金額で買取りする傾向があると感じています。

まとめ

この記事を読まれて、いかがでしたでしょうか。少しでもあなたの遺品片付けをはじめるきっかけになれば幸いです。

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