末期ガンと告知され手の施しようはないと言われ、今までのつまらない人生を振り返り、安楽死もいいのではないかと思われているのではありませんか。
でも、実行する前にもう少し安楽死のことを調べてみませんか。
というわけで、まずは安楽死の是非についてのアンケート結果をお知らせしています。そして安楽死を知るうえで重要な基礎知識や日本での安楽死に対する法的解釈などもお伝えしています。
目次
安楽死に賛成?反対?
はじめに、2018年12月に、安楽死についての賛成反対アンケートを行なっているサイトを見つけましたので、皆さんと共有しておきますね。
引用先サイト:看護roo!
続けて、割合が多かった順に、主なアンケート意見を載せておきますね。
【92%】安楽死に賛成アンケート
自分が娘に負担をかけることが苦痛となる。疾患による苦痛は緩和できても、それは緩和もできない。身辺整理したら、逝かせて欲しい。
本人の意思を尊重したい。でも、安易な選択はしてほしくない。法制度化は難しいけど、選択肢のひとつとして、あってもいいと思う。
家族に迷惑がかかるからとかの理由なく自分が苦しいからならいいけどな。本当に死を安楽なものと受け入れられるといいが医療者側の判断が難しいな。
「死んだ方がマシ」っていう患者さんがいる。それなら、初めから病院来るなって思っちゃう。簡単に「死」という言葉を言う人もいるから、それなら、「安楽死があります」って書類を渡して自分の命としっかりと向き合ってほしい。
経管栄養や点滴入れられて呼吸器つなげられてモニターされて痛くても痒くても何も出来ず表現すらできず気付いてももらえず意識ないのにケアされて陰部覗かれて洗われて摘便されて意識が上がる度に苦しみながら頑張ってる看護師や医師、家族にスミマセンもう十分です殺して下さいって状態がそれ以上に悪化する死だけを待つ毎日が何年も続くのは嫌
身体的、精神的、社会的(特に経済面)に考えて安楽死に賛成。患者さんやご家族が希望しているのであればその思いを尊重するべき。超高齢社会である日本は尚更考えた方がいいのでは…
何も話す事も出来ず、慢性疾患の再燃で苦しい思いをし続け、ご飯も食べれず楽しみもなく、毎日毎日天井を見続けることしか出来ず、家族の面会も来ない患者様を診ているととてもじゃないが「生きて!がんばれ!」とは言えません…
しかし、これは私の考えです。患者さんの思いや希望が全てだとは思います…患者さんの意思を尊重した上での安楽死は賛成です。
金銭的な面を考慮してもあり。貧乏な家なのに父が倒れホスピスに15万取られてます毎月。母がかわいそう。
人生の最期はその方自身が決断すること。様々な選択肢から決める環境があったほうがいいなと思いました。
私自身も苦しんで死ぬのは嫌やからでも、理想的な死とはなにか、その人としっかりと向き合って考える時間が必要になってきそう
実際に安楽死を実施するかどうかは、時と場合をしっかり考えた上で決定すべきだと思う。そのためにも、本当に必要な人が損をしないような法の整備がされることが大切だと思う。
賛成アンケートの総括
本人が安楽死を希望すればという必須条件付きで、賛成されている回答がほとんどですね。
また家族に迷惑を掛けたくないので、安楽死という選択肢もありと考えられている人も多いようです。
確かに、超高齢化社会の日本では、そろそろ安楽死に関する法整備が必要かもしれませんね。
【4%】その他アンケート
時と場合によると思います。そういう細かいところをどう法制化するのか気になります。私自身は本人の意思を尊重したいですが、医療者側として積極的安楽死は抵抗もあります。
自分で望むなら仕方がないかもと思う反面、法制化されたら医療従事者がこれに関わることになる。メンタルが強く無いだと耐えられない。
薬剤投与等使用し人が人の命を終わらせるのも反対だが見ていて苦痛でしかないような行き過ぎた延命治療も反対
家族のあることだと複雑であるので、本人の意思と家族の意思とが一致した時に希望に添える死を行えば良いと思う。
積極的な安楽死ではなく、食べられなくなったら点滴をしない。MGチューブ入れないとかの自然死に賛成したい。
その他アンケートの総括
安楽死に反対まではいかないが、投薬で無理やり延命させるのは抵抗がある回答が多く見受けられますね。
一方、安楽死が法制化されることにも抵抗がある人も、この「その他」とアンケートに答えられているようです。
【2%】安楽死に反対アンケート
生を無理矢理求めるつもりはないが、与えられた生命を縮めようとは思わない。自然を最期を迎えたい。
命なので天に任せたい。古すぎるのかな?
尊厳死なら賛成である
反対アンケートの総括
生死は、自然の摂理に任せるべきって考えている人は、安楽死に反対されているようです。
次項目でお伝えしていますが、もしかしたら積極的安楽死だけを想定して、アンケートに答えられているのかもしれませんね。
安楽死とは?
次に、安楽死という言葉を調べる際に、まずはその基礎知識として次の3つを知っておきましょう。
①安楽死には2種類ある
安楽死は、回復の見込みがない末期患者に対する行為の1つであり、大きく分けて次の2つの種類があります。
1.積極的安楽死
患者本人の自発的意思に基づいて、その自殺を故意に助けて死亡させることを積極的安楽死といいます。
具体的には、毒物投与や薬の服用などの積極的な行為で死に至らせること等があります。
2.消極的安楽死
患者本人の自発的意思に基づいて、または患者本人が意思表示不可能な場合、親や子、配偶者などの自発的意思に基づいて、治療を行なわないことや延命治療を終了することにより、結果として死亡させることを消極的安楽死といいます。
具体的には、生命維持装置を外すことや点滴投与を中断すること等があります。
②安楽死は合法か?
ここでは、日本国内における安楽死に対する法律の合否についてお伝えします。
積極的安楽死=違法
積極的安楽死は違法行為であり、自殺ほう助罪に問われる可能性が高いです。つまり健常者の自殺を手伝った場合と同様に扱われるようです。
消極的安楽死=合法
しかし、消極的安楽死は合法とされているようです。延命治療を受けるか受けないかの選択は、患者の意思に任されていますので、そのように解釈されているのでしょう。
一般的には「安楽死=積極的安楽死」という意味で捉えられているので、今現在の日本では「安楽死は合法か?」と問われればその答えは「いいえ」になるでしょう。
③尊厳死との違い
世間的には、安楽死と尊厳死は混同されがちですが、その両者の目的には大きな違いがあります。
違い1:安楽死の目的
身体的精神的な苦痛から死をもって解放することが目的です。
違い2:尊厳死の目的
人間が人間の尊厳を保って死を迎えさせることが目的です。
このように両者にはその目的に明確な違いがありますが、行為そのものは尊厳死は安楽死の中でも消極的安楽死と同じと考えていいでしょう。
積極的安楽死の具体的な方法
日本では、合法的な安楽死の方法は、医師による延命治療の中止しかありませんが、一部の海外では積極的安楽死も合法な国もあります。
この項目では、その具体的な方法を2つお伝えしています。
海外での医師による積極的安楽死の方法
「鎮静麻酔薬の投与」と「致死量の薬処方」の2つの方法で医師による積極的安楽死があるようです。
詳しくは、https://www.swissinfo.ch/ で説明されています。
海外における安楽死について
すでにお伝えしたように日本では、安楽死は法律で禁止されています。一方 海外では必ずしも禁止されているわけではないようです。
ここでは、消極的または積極的安楽死が認められている国々についての情報をお伝えしています。
スイス
スイスでは1930年代から自殺幇助が合法な一方、積極的安楽死は違法である。
これは、患者自身が自分の意志で服薬する限りは、医師が患者に致死量の薬を処方すること自体は合法ということである。
しかも実際に致死量の薬を服用する場合、医師はその場に居合わせる必要がないという。
これ故に末期患者がスイスに渡り医師に薬を処方してもらい自殺するという外国からの「自殺ツーリズム」が多く行われているという。
自殺ツーリズムの参照URL
↓
https://english.cheerup.jp/
オランダ
世界で最初に安楽死を合法化した国はオランダです。
12歳以上ならば安楽死の希望ができるそうだが、その条件は厳しく、耐え難い苦痛にさらされている末期患者のみが許可される。
さらに患者は安楽死を要求したときに精神状態が正常でなければならない。
安楽死が実行される前には、担当医師とは別の医師と専門委員会がその是非の判断を出すなどの手順があります。
ベルギー
ベルギーでは安楽死が10年前から合法となっている。
この国での安楽死に関する法律は極めて包括的で、革新的だと言う人もいれば、極めて危険だと考える人もいる。
今のところ、「治療しても取り除くことのできない、堪えがたい肉体的・精神的苦痛に絶えずさらされている状況」にある患者が安楽死を要請するようである。
ルクセンブルク
ルクセンブルクでは2009年に、積極的安楽死が合法化されました。
患者は、末期でありかつ二回以上の要求をすれば積極的安楽死ができます。
アメリカ
積極的安楽死は全州で違法だが、消極的安楽死はバーモント州、ニューメキシコ州、オレゴン州、ワシントン州とモンタナ州では、合法です。
カナダ
カナダでは、連邦最高裁判決で消極的安楽死が容認されたようです。つまり積極的安楽死は違法であるが、消極的安楽死は合法です。
アルバニア
アルバニアでは安楽死の議論が盛んな国です。1999年から一部のケースにおいて消極的安楽死が合法となりました。
コロンビア
コロンビアでは、憲法裁判所は2010年、消極的安楽死を認める判決を出し、末期患者への消極的安楽死では何者も罪には問われないとした。
ドイツ
ドイツでは、患者からの文書命令があれば、医師は合法的に病気の患者に寿命を短縮する薬を処方することができます。
でも法律的には消極的安楽死は合法だが、積極的安楽死は違法となります。
ペットの安楽死について
家族の一員でもあるペットが老衰やガンなどで、回復の見込みが全くなく段々とやせ細っていく姿を見るのは、本当に辛いものですよね。
またペット自身も悶え苦しみ、生きていることを拒否しているようにも見て取れることもあります。あまり考えたくありませんが、獣医への支払いもかなり多額になり生活に支障が出ることもあります。
そんなやるせない気持ちの中で、悩んでいるあなたに参考にしてほしいサイトを見つけましたのでご紹介します。
まとめ
この記事では、安楽死を知るうえで重要なその基礎知識と日本での安楽死に対する法的解釈、海外での安楽死事情、ペットの安楽死についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
日本では、まだ大多数の人から安楽死は拒まれているようですね。あなたが安楽死したら家族が嘆き悲しむのではありませんか。