葬儀のことを調べている最中に菩提寺という言葉を発見し、一体どんな寺のことを意味しているのだろうか?と疑問に思ったことはありませんか。
そこで、このページでは、菩提寺の基本的なことと葬儀時の菩提寺への連絡手順、よく混合される檀那寺との違い等についてお伝えしています。
これを機会に恥をかかないためにも菩提寺について知っておきましょう。
目次
菩提寺とは
菩提寺(ぼだいじ)とは、先祖代々のお墓のあるお寺のことです。また位牌をおまつりしてあるところでもあります。
菩提寺の菩提とは、「死後の冥福」を意味します。それを弔う寺院なので菩提寺と呼ばれているようです。
菩提寺は、葬儀などの仏事を相談に乗ってもらえる場所でもあります。通常葬儀や法事の際は、この菩提寺の僧侶が法要を執り行います。
菩提寺の由来
死後、家族や親類等の親しい人がどうかお釈迦さまのように悟られますようにという想いを込めて、建てられたお寺が菩提寺の由来・成り立ちです。
菩提寺の見つけ方
近年、特に大都市部では、自分たちの菩提寺を知らないという人たちが増えています。
そのため、いざ葬儀の際に、お寺さんを探すのに大変苦労されているようです。最悪の場合は、お寺さんを呼べないことも。
そんな事態を避けるため、ここでは3つの菩提寺の見つけ方をお伝えしています。
①親族に教えてもらう
菩提寺は、親戚や親類などの親族と同じ寺院であることがほとんどです。
つまり「親族の菩提寺≒自分たちの菩提寺」なので、親族に尋ねれば教えてもらえるでしょう。
また親族の葬儀に来た僧侶を覚えていたら、その僧侶の尋ねてみるのもいいでしょう。
②地元周辺の寺院に問い合わせる
この探し方は手間と時間が掛かりますが、一番確実に自分たちの菩提寺を探し出す方法です。
普段は気付きませんが、ごく狭い地域でも寺院の数は意外に多くあり、具体的には全国の寺院数は約75,000あり、コンビニの40,000(2016年現在)よりも多いのです。
大変な労力が掛かりますが、地元にある寺院をを1つ1つ故人の名前を告げて尋ねてみましょう。
③戒名から見つける
私は寺院関係者ではないので詳しくは分かりませんが、戒名によって菩提寺が分かる場合もあるようです。
その具体的な方法は他サイトになりますが、http://allabout.co.jp/ で、詳しくお伝えしています。
因み情報
役所などで菩提寺を問合せても分かりません。
葬儀時の菩提寺への連絡手順
この項目では、葬儀の際に菩提寺への連絡手順を3パターンほどお伝えします。自分に合ったパターンの方法手順で連絡をしましょう。
【パターン①】地元に菩提寺がある場合
医師による死亡が確認されたら、すぐに菩提寺に電話連絡をして枕経などをお願いします。枕経の際に、葬儀などの日時を相談するのがいいでしょう。
枕経を行なわない場合は、その電話連絡時に菩提寺の予定を聞いて葬儀日の目安を伝えておきましょう。
【パターン②】遠方に菩提寺がある場合
基本的には、たとえ遠方でも菩提寺に連絡するのが原則です。多くの場合は日程さえ合えば来ていただけます。その際はお布施に加えて宿泊費や交通費を負担することになります。
日程が合わない場合は、菩提寺から近くの僧侶を紹介していただくのがいいでしょう。
紹介された僧侶に葬儀を依頼する場合、戒名は事前に菩提寺からいただくか葬儀は俗名のままで行い、納骨時までに菩提寺の僧侶から戒名をつけていただきましょう。
【パターン③】菩提寺がどうして不明の場合
あまりないことですが、菩提寺がどうして不明の場合は、葬儀会社を通じて適当な僧侶を紹介してもらい法要を行なうことになります。
この際は、葬儀会社によっては紹介料が発生することがありますが、通常は無料です。
菩提寺の檀家から離れるには
一般には、檀家でいることを義務のように思われている人が多いですが、それは江戸時代のお話です。
現在では、憲法で信教の自由が認められているので、檀家を離れるのは全くの自由ですし、その際に費用が掛かることも一部の特殊なケースを除き、ほとんどありません。
よって、お坊さんに「菩提寺をやめます」と言えば、それで檀家から離れることはできます。
ただし、お坊さんとのトラブルを未然に防ぐ意味からも、お坊さんに申し出る際は、真摯な対応で、下記理由を付け加えることを忘れずに。
- 両親が死亡し実家や仏壇を引き継ぐ者がいないから
- 継承者が遠方に住んでいるから
- 仏壇・位牌・墓を処分するから
- 嫁ぎ先の宗教に仕方なく変更するから
その他、菩提寺の檀家を離れることについて、詳細を知りたい人は、下記サイトをご覧ください。
菩提寺と檀那寺の違い
ここでは、よく混合されている菩提寺と檀那寺の違いについてお伝えします。
俗的にはこの両者は同じと思っても差し支えありませんが、厳密には異なっていますので、知っておくと良いでしょう。
死者がお世話になるのが菩提寺
最初にお伝えしたように、菩提寺とは、先祖代々のお墓のあるお寺のことです。また位牌をおまつりしてあるところでもあります。
お墓も位牌も死後のことですよね。つまり亡くなった後に葬儀や法事などでお世話になるのが、菩提寺です。
生者がお世話になるのが檀那寺(だんなでら)
檀那寺も菩提寺も葬儀や供養をお願いするお寺というところでは同じ意味ですが、その背景に違いがあります。
檀那寺ができた背景には、寺請制度と檀家制度があります。
寺請制度とは
江戸時代にキリスト教を排除する目的で「すべての人は寺院の檀家となり、寺院から寺請証文を受け取ること」を強要した制度になります。
後にこの寺請制度は廃止されましたが、現在でも特に地方ではまだまだ檀家制度は残っています。
寺請制度についての詳細は、http://en-park.net/ をご覧ください。
檀家制度とは
家単位で特定の寺院に所属して、葬祭供養一切をその寺院に任せる代わりに、布施として経済支援を行う制度です。
檀家制度についての詳細は、http://en-park.net/ をご覧ください。
このように政治的な経済的な背景、つまり生きている者に関してお世話になるのが檀那寺です。
一般的な葬儀の流れについて
この記事でお伝えしたこと以外に一般的な葬儀の流れについても知っておくとより理解が深まります。
詳しくは「一般的な葬儀終了までの流れとその後に行なわれる5つのこと」でお伝えしていますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
今日は、菩提寺の基本的なことと葬儀時の菩提寺への連絡手順、よく混合される檀那寺との違い等についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
さらに詳しく知りたい人は、菩提寺の僧侶に尋ねてみてください。